MINE BEFORE THE BLOOD MOON

MINE BEFORE THE BLOOD MOON

last updateLast Updated : 2026-08-24
By:  VellaRoseUpdated just now
Language: English
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BLURB: I crossed into wolf territory to kill an Alpha,but instead I found my mate. The last thing I expected was for Alpha Kael Riven,the most feared wolf in the North,to look at me like I belonged to him. I hated wolves,he was one of them, and fate didn't care. Now an ancient prophecy is awakening inside me, a forgotten queen's power is stirring beneath my skin, and immortal enemies are hunting me across the kingdom. The mate bond between Kael and me grows stronger every day, pulling us together despite my hatred and his secrets. Every touch feels dangerous,every glance feels forbidden, yet the closer we get the harder it becomes to ignore the connection neither of us asked for. With war looming beneath a Blood Moon and darkness rising from a past buried for centuries, I must decide who I truly am before the prophecy consumes me. The problem is, I still blame wolves for my brother's death, and no prophecy, no goddess, and no mate bond can make me forget that. But fate has a cruel sense of humor, because the Alpha I swore to hate may be the only one capable of saving me.

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Chapter 1

The Border of Blood

結城宗谷(ゆうき そうや)と再婚してから3年目、結城杏奈(ゆうき あんな)は妊娠した。

よき妻であるため、杏奈はできるだけ衝突は避けようと努めてきた。

だから、宗谷の帰りが遅くても、わざわざ迎えに行くことはしないし、彼が接待で泥酔して帰ってきた夜は、家政婦に酔い覚ましに効く飲み物を用意させるだけ。

いくら宗谷が忙しくて、滅多に帰ってこないとしても、杏奈は「帰ってきてほしい」と、電話をかけたことすらない。妊娠8カ月の頃、宗谷のコートから自分のではない保湿クリームが出てきても、黙って元に戻すだけだった。

そんなことが続いたある日、産婦人科へ検診に訪れた杏奈は、信じがたい光景を目にする。

看護師二人が病室から出てきて話し込んでいた。「結城さんって、すごく中村さんに尽くしてるよね。元気な男の子が生まれた途端、ここで一番の特別病室を貸し切っちゃったんだから!」

「聞いたところだと、あの中村さんって結城さんの殉職した部下の奥さんらしいよ。それにしても、一晩中中村さんに付き添って、官舎にも帰らないなんて、結城さんは本当に義理堅い人じゃない?」

「でも結城さんの奥さんも、もうすぐ出産でしょ?もし知ったらどうなっちゃうのかしらね」

看護師は小声で話しているつもりなのだろうが、杏奈の耳にははっきりと聞こえた。

病室の中で赤子を抱き、微笑む宗谷の姿を見てしまうと、杏奈の目には知らず知らずのうちに涙が溜まった。

もう、離婚しよう。二度と宗谷とは一緒にならない。

……

「結城室長、おめでとうございます!元気な男の子が生まれたそうですね!」

「奥さんがもし女の子を産んだら、男の子と女の子で幸せですね!」

「この子のこと、奥さんはまだ知らないんですか?」

病室には、宗谷の親しい同僚たちが何人かいたのだ。

嬉しそうにしていた宗谷だったが、杏奈の名前が出た瞬間、彼の表情が厳しくなった。「ああ、知らない。あいつには絶対言うなよ。杏奈はもう妊娠後期だから、あまりストレスを与えたくないんだ」

「じゃあ、いつ打ち明けるんですか?ずっと黙っているわけにはいかないでしょう?」

宗谷は少し黙り込んだあと、断言した。「産まれてから考えるよ。子供ができれば、杏奈も俺から離れていかないはずだから」

「もしかして私迷惑かけちゃってる?」ベッドに横たわっていた女性が、そっと目を開いた。「宗谷さん、私は多くを望んでいないから。啓太が亡くなってしまったけど、あなたの子を産めただけで十分幸せ。もう他には何もいらないの」

宗谷は手を伸ばし、中村琴音(なかむら ことね)を抱き寄せる。「琴音、俺はお前を支えるって言っただろ。約束は必ず守るから。でも、3年間ずっとお前のことを公にしてやれなくて、本当にごめんな」

ドアの隙間から、杏奈はその様子を、冷めた表情で見つめていた。普段は厳しく冷たい空気を纏っている宗谷が、今は杏奈でもみたことがない優しい笑みを浮かべている……

3年前、宗谷と殉職した彼の部下・中村啓太(なかむら けいた)の妻である琴音が、関係を持っていることを知ってしまったため、杏奈は離婚を切り出した。

杏奈は、もし宗谷が琴音との関係を続けるのであれば、離婚すると言い、琴音は関係を切るのなら自殺すると騒ぎ立てた。

二人の板挟みになった宗谷は、結局琴音を選んだ。

杏奈が離婚を申し出てからの3年、宗谷はすべてを投げ打ってまで、遠く離れた土地にある杏奈の実家まで彼女を探しに行った。

杏奈を見つけた時、宗谷は杏奈の目の前で膝をつきながら言った。愛しているのは杏奈だけだ、と。

そして、琴音が死んでしまったら、亡き戦友に顔向けができないから、離婚は仕方がなかったとも言った。

その後、杏奈を安心させるために、宗谷は琴音を遠く離れた街へ引っ越させた。

出会って10年、愛し合って5年。

だから杏奈もこの関係を終わらせることができず、復縁を許してしまったのだ。

復縁後、宗谷は埋め合わせをするかのように杏奈へ尽くした。

杏奈の好きなお菓子がなかなか手に入らなければ、海外から取り寄せたし、杏奈が風邪をひいてはいけないと、防寒着を自作してまで持たせた。

出張中も必ず杏奈に電話をかけ、杏奈を安心させてくれた。

だが、この3年間、宗谷は琴音を遠ざけてなどいなかったらしい。

ずっと琴音を近くに匿い、関係を続けていた。それも、子供ができるほどに……

この瞬間、杏奈はようやく自分の愚かさを思い知った。

どれだけ信じて、どれだけ愛されていると思っても、一度壊れた心は二度と元には戻らないようだ。

数日前、宗谷は「山間部の機密施設で、特殊訓練を指揮するから1か月帰れない」と言っていた。

自分は愚かにもその言葉を信じた。

だからもし、今日産婦人科の健診に来ていなかったら、一生気づかずに騙され続けていたはずなのだ!

杏奈の感情の変化を感じ取ったのか、お腹の中の子がポコポコと2回彼女のお腹を蹴った。

「痛いっ……」苦しげにお腹を押さえ、腰を曲げる杏奈。

お腹だけではなく、心も同じように痛い。

通りがかった人が杏奈の異変に気づき、慌てて支える。「大丈夫ですか?どうしました?」

「誰だ?」

室内の全員が病室のドアの方を振り返った。

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