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9話

last update publish date: 2026-07-06 13:09:42

「さて」

 東条はハンモックの上に座り、それっぽいポーズをとる。

 魔法が発現したと聞かされて、黙っている事など出来るものか。

 彼は書き込みに書かれている先人達のアドバイスに従い、存在も分からない漠然とした何かを感じ取ろうとする。

「………………お?ぅおお?」

 今まで何度も同じことをやってきた。そしてその度に、何をやっているんだ俺は……、という虚しさが残るだけだった。

 しかし今回は違う。

 身体の中にハッキリと、微量ながらも不思議な流体を知覚できる。

 興奮に自然と口角が上がってしまう。

「ふぅ…………っ」

 呼吸を整え、流れを意識し、掌に収束させ、【火】へと変換する。

 主の意思を受けた透明な力は、色を付けこの世に現界しようとし、

 ……霧散した。

「……ん?」

 東条は疑問に思い一抹の不安を感じるが、そこで魔法にはそれぞれ適性があることを思い出す。

 気を取り直し、力に意識を向ける。【水】、【土】、【風】、【光】、【電気】、

 全てが霧散した。

「ぁっれぇー……」

 いよいよ焦りが雫となって肌を伝い、嫌な現実が鎌首をもたげる。

 それから三回ずつ各属性で試すも、全て結果
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