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112

Author: 美桜
last update publish date: 2026-05-28 09:22:32

「どういう意味?」

問いかけたが、答えてはくれなかった。彼女は、怒りのオーラを撒き散らしながら父親に宥められている陸の姿を、冷めた目で見つめていた。

*

I国。

空港近くの日系のホテルの一室に、准はいた。

彼とテーブルを挟んで対峙するのは、この国で理那人の父親であるレリーと敵対している組織のボスだった。

彼は禿げ上がった頭に刀傷のような大きな傷痕を刻み、ただでさえ強面の顔を更に恐ろしくしていた。

「で?俺に、何をさせたいんだ?」

嗄れた声で面倒くさそうにそう言う男に、准は至って平然と答えた。

「この3人を渡してほしい」

「……」

渡された資料をチラリと見て、男はその視線を准に向けた。

「なんの為に?」

ギョロリとした大きな目は濁っており、大きな石のついた指輪を何度が撫でていた指をピタリと止めた。

普通の人ならこれで十分に威圧できた。だが、准は違った。

彼は男の視線を受けてふんっ…と鼻で笑い、椅子の背もたれに身体を預けた。

足を組み、冷めた視線を男に遣る。

「話を引き伸ばさないでもらおうか。渡すのか、渡さないのか…どっちなんだ?」

「渡したとして…俺に何が残る?」

「何がほしい?」

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