LOGIN[M-VILLAGE GOV BASE-SYSTEM AUTOMATIC LOG: 202X/XX/XX 17:01:45] INFO: 有線放送配信システム(定時自動執行スケジュール)を開始しました。 INFO: 音声出力元 / SERVER-SYNTH-VOICE_V4.02 WARNING: 物理スピーカー回線(地区1〜7)におけるインピーダンス異常を検出。繊維状有機物質の堆積率:100%。信号出力を物理振動へ自動変換して強制執行します。 [LOG: PROCESSING RESIDENT MASTER DATA] ERROR: 住民基本台帳データベース内の有効なレコード数が「0」です。 INFO: 例外処理(マニュアル第14条・過疎地域における広域インフラ維持基準)を適用します。 INFO: システムの継続運用のための「隣接領域への自動拡張」を執行します。 [LOG: SCANNING EXTERIOR AREA] INFO: 境界線(フェンス設置座標・西側山林エリア)において、未登録の生体熱源および個体識別子を検知しました。 INFO: 一時的な住民登録枠(ゲストアカウント:鏑木健介)を発行し、名簿へ同期しました。 INFO: 同一座標において、過去の「未処理タスク(当番家系レコード:『佐藤・蓮』)」との物理的な接触を確認。 INFO: 保留中タスクの強制再開、および未解決例外の自動一括消去フェーズへ移行します。 [LOG: EXECUTING DELETE FUNCTION] INFO: 登録枠「鏑木健介」のステータスを【欠員(除外完了)】へ変更しました。 INFO: 衣服および携帯遺留品の空間定着(縫合処理)を完了。 INFO: 住民基本台帳データベース内の有効なレコード数が再度「0」に達しました。 [LOG: SYSTEM EXPANSION PHASE-2] WARNING: 領域内の登録枠が完全に枯渇しました。過疎化対策プログラムを起動します。 INFO: 基幹ネットワークの接続レンジを自動で最大化します。 INFO: 隣接する自治体【K市〇〇地区】の住民基本台帳サーバーへの外部アクセスを試行中…… INFO: 接続に成功しました。 INFO: K市〇〇地区・住民名簿データ(計
あの突如として発生した「村人消失事件」から数年が経過した現在も、M村の跡地は高い鉄製フェンスによって完全に隔離されている。 だが、俺は警察の巡回ルートの隙を突き、朽ち果てた西側の山林から境界を越えて旧M村の領域へと足を踏み入れていた。目的は、あの不可思議な事件の「根源」をこの目で確かめるためだ。元々、俺は民俗学的な興味から、ある奇妙な伝承を調べていた。 全国にある八幡神社に祀られている「八幡神」は、元は大分県の地方神であり、応神天皇の化身として神託を受けたことでメジャーな神格を得たものだ。しかし、その陰で、神託を受けられず歴史の闇に葬られた、生贄を欲するような「名もなき土地神たち」がいた。 その中で、八幡神という名に選ばれなかった地元の人間たちが、自らの祀る神も同じように昇華させたいという願いから、文字を使わず、あえて口伝の音のみで密かに語り継いだナニカ――それこそが、伝承に生きる「ハチマンサマ」だった。調査を進める中で、俺はこのM村に、そのハチマンサマと呼ばれる土地神の信仰が今もなお残っているという情報を掴んだ。 しかし、いざ本格的な現地調査を行おうとしたまさにその直前、あの「住民全員が忽然と姿を消す」という前代未聞の集団消失事件が勃発。村は一瞬で封鎖され、俺は足を踏み入れることすらできなくなったのだ。あの日、あの村の中で一体何が起きていたのか。それを知るには、自分で来るしかなかった。深夜の村は、耳が痛くなるほどの静寂に包まれている。 道路沿いに並ぶ、平成から令和にかけて建てられた現代風の2階建て住宅。そのどれもが完全に生活の気配を失い、月光の下で灰色に煤けていた。窓ガラスの向こう側の床には、主を失った衣服や靴が当時の形のままぽつんと残されている。まるで、中身の人間だけがその場で一瞬にして消えてしまったかのように。俺は住宅地を離
『M村における特殊空間変質、および全構成員の所在不明事象に関する事後評価報告書(抄)』 【内閣府地方創生推進事務局・警察庁警備局・厚生労働省健康局 合同調査チーム:202X年3月発行】1. 調査の背景および経緯 本報告書は、12月14日より突如として外部との通信および物理的往来が遮断され、同月20日を境に全機能が停止した「M村」における、一連の特殊災害事象に関する現地調査の結果をまとめたものである。 同月21日午前、事態を重く見た県知事からの要請により、陸上自衛隊および合同調査チームが現地へ突入。しかし、村内において生存者、および「犠牲者の遺体」は、本日いたるまで1名分も確認されていない。住民基本台帳に登録されていた1,142名全員が、現在も「所在不明(行方不明)」扱いとなっている。2. 現地における物理的損害、および特異な残置物について 村内全域、特に「M村役場庁舎」を中心とした半径3キロメートル圏内において、未知の有機繊維(後にDNA鑑定により『人間の毛髪』と99.9%一致することが証明されたもの)の爆発的な増殖・堆積が確認された。 役場庁舎においては、2階総務課執務室から3階議場にいたるすべての空間が、この毛髪繊維によって高密度に圧縮・充填されており、コンクリート構造物の内部から繊維が割裂するように突出していた。 特筆すべきは、村内の全住宅、および役場廊下において、大量の「衣服、靴、眼鏡、および義歯等」が、生活していた
(チャイムの音:ピンポンパンポン……)こちらは、M村役場です。12月20日、夕方の定期放送をお送りいたします。初めに、村役場総務課、住民環境課、ならびに庁舎危機管理室から、庁舎内における「本日の空間管理の完了、ならびに庁舎人員の登録枠に係わる最終の欠員報告」について、詳細のお知らせです。今週14日の月曜日より継続して発生いたしておりました、庁舎職員における事前の正規な届出がない状態での不自然な未配置、および各課行政窓口における担当者の不在の件につきまして、本日20日の日曜日、定時をもちまして、すべての対象職員の「除外手続き」が完全に執行され、システム内における処理が完了いたしました。本日午後までに実施いたしました役場庁舎内における最終のデータ精査、および各執務室の容積測定の結果、行政システム上での取り扱いにおいて、本日時点で「欠員(除外)」扱いとなっております庁舎職員は、昨日からの継続分を含め、合わせて計103名となります。これに伴い、役場庁舎内における「職員登録枠」は本日をもちましてすべて消滅し、以後の勤怠管理データ、および給与支給口座を含むすべての内部処理は自動的に凍結・削除されました。現在、庁舎全階層におきましては、特定物品の充填率が100%に達しており、窓ガラスの割裂、および正面玄関からの黒色繊維の流出が完了いたしております。これ以上の物品の格納スペースは庁舎内に存在しないため、庁舎管理業務を本日付で永久に停止させていただきますので、あらかじめご了承願います。次に、村役場住民環境課環境衛生係、および庁舎危機管理室から、村内全域で自動執行されている「特定物品の肉体的な統合の完了、ならびにそれに伴う音響的な公衆衛生上の最終注意喚起」について、極めて重要なお知らせです。昨日19日の放送でもお伝えいたしました通り、現在、村内の各公道上、私有敷地内、およびすべての建造物内部におきまして、毛髪状の繊維が緊密に絡み合った「特定物品」の総体積が、村の土地面積および空間容積のすべてを完全に超過いたしました。これに伴い、昨日より移行いたしておりました、住民の皆様の肉体を「物品の内部的な構成要素」として自動的に接続・充填する定時作業に関しましては、先ほどをもちまして村内全域での敷設および縫合がすべて完了いたしました。住民の皆様におかれましては、ご自身の四肢
(チャイムの音:ピンポンパンポン……)こちらは、M村役場です。12月19日、夕方の定期放送をお送りいたします。初めに村役場総務課、住民環境課、ならびに庁舎危機管理室から、庁舎内における「本日の変則的な空間管理、ならびに庁舎人員の登録枠に係わる欠員状況」について住民の皆様へ詳細の報告です。今週14日の月曜日より継続して発生いたしております庁舎職員における事前の正規な届出がない状態での不自然な未配置、および各課行政窓口における担当者の不在の件につきまして、本日19日の土曜日におきましても現場職員の復帰、ならびに適切な配置の復旧は一切確認されておりません。本日午後までに実施いたしました役場庁舎内における最終の勤怠データ、および各執務室の稼働状況の精査の結果、行政システム上での取り扱いにおいて、本日時点で「欠員」扱いとなっております庁舎職員は、昨日からの継続分を含め、合わせて計98名となります。これに伴い、役場庁舎は全階層において執務スペースとしての機能を完全に停止し、現在は本庁舎全体を「特定物品の一次元的な圧縮・格納領域」として充当いたしております。現在、庁舎1階から3階にいたる全室、廊下、および壁面の隙間におきましては、毛髪状繊維の堆積密度が極限に達しており、天井部からの割裂、および床面からの黒色繊維の流出が著しい状況となっております。明日
(チャイムの音:ピンポンパンポン……)こちらは、M村役場です。12月18日、夕方の定期放送をお送りいたします。初めに、村役場総務課、住民環境課、ならびに庁舎危機管理室から、庁舎内における「本日の窓口業務の完全停止、ならびに庁舎人員の登録枠に係わる欠員状況」について住民の皆様へ詳細の報告です。今週14日の月曜日より継続して発生いたしております庁舎職員における事前の正規な届出がない状態での不自然な未配置、および各課行政窓口における担当者の不在の件につきまして、本日18日の金曜日、閉庁時刻にいたる現時点におきましても現場職員の復帰、ならびに適切な配置の復旧は一切確認されておりません。本日午後までに実施いたしました役場庁舎内における最終の勤怠データ、および各執務室の稼働状況の精査の結果、行政システム上での取り扱いにおいて、本日時点で「欠員」扱いとなっております庁舎職員は、昨日からの継続分を含め、合わせて計42名となります。これに伴い役場庁舎1階および2階のすべての住民対応窓口におきましては、本日午前をもちまして各種申請手続きの受理、各種証明書の発行業務を含むすべての行政サービスを完全に停止いたしました。現在、庁舎1階ロビーお
(チャイムの音:ピンポンパンポン……)こちらは、M村役場です。12月9日、夕方の定期放送をお送りいたします。初めに、M村
(チャイムの音:ピンポンパンポン……)こちらは、M村役場です。12月8日、夕方の定期放送をお送りいたします。
(チャイムの音:ピンポンパンポン……)こちらは、M村役場です。12月7日、夕方の定期放送をお送りいたします。初めに、M村
(チャイムの音:ピンポンパンポン……)こちらは、M村役場です。12月6日、夕方の定期放送をお送りいたします。初めに、村役