夜のデパート七不思議を視る君を見た

夜のデパート七不思議を視る君を見た

last updateLast Updated : 2026-02-02
By:  神夜 紗希Updated just now
Language: Japanese
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夜のデパートで語られる「七つの不思議」。 偶然その噂を追うことになった女性・美咲は、閉店後のデパートに足を踏み入れる。 ひとつ謎を解くたび、怪異は現実となり、空間は静かに歪んでいく。 逃げ場のない夜の中で突きつけられるのは、過去の選択と因果の結末。 これは、夜に囚われた者たちの物語。

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Chapter 1

プロローグ 呼吸するデパート

夜のデパートは、人の気配が消えた途端、「静寂」を取り戻す。

だがその静けさは、空っぽではなかった。

——むしろ、薄闇の奥でゆっくりと息づく、

名前のない“気配”完のようだった。

その呼吸のような静けさを引き裂くように、

美咲は必死に走っていた。

床に叩きつけられるブーツの足音だけが、やけに大きく響く。

背後では、気配がずるりと形を変えながら迫ってくる。

別の通路では鏡の奥がくすりと笑い、

天井からは軋むような、終わりの見えない溜息の音が落ちてきた。

美咲は喉の奥が震えるのを必死で押し込めた。

「……神様。

 あたし、ただ——

 マッチングアプリで“彼と再会して”、

 一緒に買い物してただけなんですけど……?」

本当に、ただそれだけ。

何年ぶりかに連絡を取り合って、

少し浮かれて、

久しぶりに“デートみたいな時間”を過ごしていただけなのに——。

まさかその数時間後に、

“生きているデパート”の中を命がけで走る羽目になるなんて。

美咲は、1ミリも思っていなかった。

それでも、背後から伸びてくる気配は止まらない。

デパートは確かに静まり返っているはずなのに、

ここでは“何か”が確実に目を覚まし、

美咲の存在を意識し始めていた。

逃げなければならない理由は、

もう説明できる段階を越えている。

ただ本能だけが、

ここにいてはいけないと叫んでいた。

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