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393話

Author: 籘裏美馬
last update publish date: 2026-05-11 19:11:36

そんな彼に、私はぎょっとして駆け寄る。

「れっ、苓さん──っ!」

「──ぐっ」

痛みに低く呻く苓さん。

苓さんはその場に蹲った体勢のまま、手のひらを床に着いて痛みに耐えるように荒い息を吐く。

「だっ、誰か……、スタッフを呼んできます!待っていてください……っ!」

私は誰かを呼ぼうと、その場を駆け出そうとした。

だけど、そんな私を苓さんの弱々しい声が呼び止める。

「行かないで、……くださいっ」

「えっ」

「行かないで……っ、茉莉花さ……っ」

まるで、縋るような苓さんの声。

懇願するような、必死な声。

そんな苓さんの声を聞いて、私の足はぴたりとその場に縫い付けられたように動かなくなってしまった。

ゆっくりと苓さんの手が私に伸ばされる。

私は、苓さんの手を受け止めようとしたけれど、苓さんの頭痛が激しくなったのだろう。

再び呻くような声を漏らし、苓さんの手は自分の頭を抱えた。

「れっ、苓さん……っ、誰か……っ」

私は苓さんの傍に駆け寄り、倒れそうになっている彼の体を支える。

上手く支えになれたようで、苓さんの体が私にもたれかかってきて、ずっしりとした苓
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