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40.社長と契約⑥

Author: Aica
last update Huling Na-update: 2025-08-31 20:34:06

「何? そういうのは苦手だったりするんだ? それもオレが満足いく形で完璧に演じて協力してくれたらその分金額は跳ね上がるけど?」

「え……」

社長がまたちょっと意地悪そうな顔をして笑っていらっしゃる……。

ってか、それ完璧に演じたら跳ね上がるのか……。

それ、あたし次第ってことじゃん。

それに、この社長の言い方、絶対あたし試してんだろ。

くっそー。

「そ、そんなん全然余裕ですけどー!?」

あ゛――――っっ! 全然余裕じゃないのに、つい余裕ぶって言い返してしまったー!

「フッ。なら安心してお前にそれも頼めるな」

えー、もうそのニヤリ顔、あたしが強がってまんまと乗っかっちゃっただけって絶対社長わかってんじゃん!

でももう引き下がれない……。

これはなんとかやるしかない……。

まっ、そんとき考えればいっか!

「引き受けたからにはちゃんとやり遂げますんで!」

そしてこういう状況でつい飛び出てしまう本来の負けず嫌いな自分と、なんとかなるさ精神で深く考えない自分。

「あぁ~お前そういうヤツだもんな(笑)」

またそうやって笑う社長は、そんなあたしをすでにもうお見通しで。

まんまと社長の作戦に乗せられた感が否めないけど。

でもこんなあたしをどんな形でも社長が頼りにしてくれたり期待してくれたりしてるのが、やっぱり嬉しく思ってしまうんだよな。

「なら、ちょっとヤバくなりそうになる前にとりあえずその都度お前に連絡入れるわ」

「あっ、はい」

「まぁそれ飲み過ぎ止める基準って意識しとけば、今までみたいなことはなくなるかもな」

「そうかもです」

「もしそのタイミングで自分でどうにか出来そうになかったら、悪いけど迎えに来てもらっていい? もちろんその分の交通費も出すし手当も出す」

「わかりました! もしそういう時あれば全力で彼女役また演じるんで! それで社長引きずってでも連れて帰ってきます」

「フッ。いいね。頼もしいじゃん。いいよ。そん時多分オレかなりポンコツになってる可能性あるから、面倒になる前お前が引き上げてきて(笑)」

「ある意味そういう時の社長どんなんになってるのか興味あるんで(笑) どんだけヤバいことになってたか、ちゃんと後から報告しますね(笑)」

「ハハッ。頼むわ(笑)」

「了解です」

「じゃあ、そっちも契約成立ってことでオッケー?」

「あっ、はい。オッケーです
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