LOGIN幸せな結婚生活を送っていた結葉は、ある出来事をきっかけに夫・偉央の愛が歪み、DVに苦しめられるようになる。耐えきれず幼なじみ・想のもとへ逃れた彼女は、夫との結婚が間違いだったのではないかと思い始める。一方、結葉を守り続ける想にも、長年胸に秘めてきた想いがあって――。ヤンデレDV夫と溺愛幼なじみの間で揺れる、切ない略奪愛。 ※表紙絵は市瀬雪様に有償依頼しました。(作品紹介以外での使用、固くお断り申し上げます) ※現行の法律では女性も【再婚禁止期間】は撤廃されていますが、本作では執筆当初の法律の基準が採用されて書かれています。あらかじめご了承下さい。
View More「あっ、やだっ、
「
言いながら、
ラテックス越しの夫の
濡らされないままにそこへ挿入されることの苦痛を、
「お願っ、
抱かないで欲しいと懇願しても無駄なことは知っている。
だから、それはもう諦めた。だったらせめて、痛くないようにして欲しい。
「僕を裏切っておいて……優しくされたい?
フッ、と鼻で笑うなり
膝を抱え上げられ、必死に抵抗しても、両腕を縛られてベッドに
「や、ぁっ、
力任せ。強引にこじ開けられた
「無理矢理犯されてもすぐ濡れてくる、とかっ。……
「僕がっ、どんなにキミのことを愛しているかっ、
彼女の汗と涙で首筋や背中に張り付いた髪の毛が、何とも
大きくて黒目がちの瞳からポロリと涙がこぼれ落ち、シーツを濡らしたのが背後から垣間見えたけれど、それすら
涙目で振り返り、
「いっ、――あぁ!」
途端
(――もっと苦しめばいい)
そんな激情にかられながら、
「僕を悲しませたらっ、こう言う目に遭うって、
「
「口で言っても……
「こっ、この子は……、ちょっと前に主人が連れて帰ってくれた新しい子で……ゆ、雪日って言うの」 想からの質問に返しながら、(想ちゃん。私、さっきの答え、まだ聞いてないよ?)とソワソワした結葉だ。 先ほど質問への答えみたいに返された、「大丈夫だから」は、何に対する「大丈夫」だったのだろう? 思いながら、雪日を眺める想をチラチラと見詰めたら、「あぁ、すまん。結葉からの質問にまだちゃんと答えてなかったな」と気付いてくれて。 コクッと頷く結葉に、「俺しか住んでねぇから大丈夫だ。心配いらねぇよ」と想が微笑んだ。「大体誰かと同棲してるトコにお前連れてくるとか有り得ねぇだろ?」 言われて、確かにその通りだと納得して。「でも……だったらどうして――」 想ちゃんも芹ちゃんみたいに実家に戻らなかったの?って聞きそうになって、慌てて口をつぐんだ結葉だ。 そんなの要らないお世話だ。 彼女と住もうが住まなかろうが、普通は一人暮らしを続行するか否かの指標にはならないのだし。 想が相手だと、ついつい喋り過ぎてしまっていけない。 偉央との生活で抑圧され過ぎて、会話に飢えていた分、タガが外れかけているのだろうか。「ん? 言いかけたこと途中でやめんなよ、結葉。聞きたいことがあんなら遠慮なく聞け。俺、包み隠さずちゃんと答えるから」 言いながら、「まぁ、でも――」と前置きするように言って、想は「続きは部屋ん中に入ってからにすっか」と結葉のひざの上に載っていた雪日入りのトートバッグを持ち上げた。「あっ」 急に軽くなった足に、結葉が驚いて想の方へ手を伸ばしたら、「とりあえず気ぃつけてそっから
「あそこは……御庄さん……って、結葉も御庄か。えっと……お前の旦那も場所知ってるだろ? だから良くねぇかなと思っただけだ。そんなに緊張しなくても何もしたりしねぇから安心しろ」 不器用に紡がれる言葉の端々から、想が自分を気遣ってくれているのを感じた結葉だ。「ん……、そう、だよ、ね」 言われてみればその通りだ。 勝手に、想の実家に着いたのかな?と思ってしまった結葉だったけれど、そこに逃げ込んだのでは、想が言うようにきっとすぐに偉央に見つかってしまう。 どう考えても、偉央が真っ先に結葉の逃げ込み先として思い浮かべるのが山波家なのは分かりきっていたから。 偉央だって、まさか他所様の邸宅内にまでズカズカと入ってくることはないとは思うけれど、夫である偉央が、妻を迎えに来たのに出さないというのは難しそうに思えた。 そんなことになったら、きっと想の両親である公宣さんも純子さんも、彼の妹の芹ちゃんも、「帰らなくていい」と結葉を庇ってくれるだろう。 だけど、結葉はそんな人達に迷惑を掛けたくなくて偉央の元に戻らざるを得なくなってしまうはずなのだ。 だったら、最初からみんなに迷惑のかからない、別の場所に行く方がいいのは当たり前のことで。 きっと、結葉の性格を熟知している想は、そこまで考えてここに連れて来てくれたんだろう。 だけど――。「でも、想ちゃん。あの……ここには――」 ――彼女さんがいるんじゃないの? ――いくら事情があるからって女の私が想ちゃん家にお邪魔したら、彼女さんに変な誤解与えるんじゃない? ――きっと、そんなことに
貴方に非はないと、自分を責めないで欲しいと、そう思っているのだと全部吐き出してからミラー越し、想からの反応をじっと待つ結葉に、彼は無言で何かを思案している様子だった。 実際、いま想は運転中だから、いつものように結葉の目をじっと見つめながら話を聞いてくれることは出来やしないし、すぐさま反応が返ってこないのも無理はないと頭では分かっているのだけれど。 長年偉央に抑えつけられてきた結葉は、正直相手に沈黙されることがとても怖かった。(――想ちゃんは偉央さんじゃない……。想ちゃんは偉央さんじゃない……) 頭では分かっていることを、わざわざ言葉にして胸の内で何度も何度も唱えながら、もし自分の見解を述べたことで想に疎ましがられたりしたら……と考えると、結葉は心臓がバクバクして物凄く息苦しくなった。「結葉……」 と、想がそんな結葉に気が付いたのか、優しく声をかけてくる。「その……俺のこと、気遣ってくれて有難うな」 想は、確かに先ほどまでガチガチに張っていたはずの肩の力を抜くと、とても穏やかな声で結葉に礼の言葉を述べてきた。 その柔らかな声音に、結葉の鼓動も少しずつ落ち着きを取り戻していって。「詳しい話は結葉の顔見てしっかり聞きてぇから……悪ぃけど、続きは車停めるまで待っててくれるか?」 ミラー越し、チラチラと結葉の様子を気にしながら、付け加えるようにそう言ってくれて。 想は、不安に押し潰されそうだった結葉の心をいとも簡単に解きほぐしてくれるのだ。 一度だけミラーから視線を逸らすと、|結葉《ゆい
「俺さ、お前の様子がおかしいの、結構前から分かってたんだ。なのにあの雪の日、結局結葉を置いて帰っちまっただろ? あれ、ずっと後悔してた」「えっ……」 まさか想が自分のことを気にしてそんな風に思ってくれていただなんて思いもしなかった結葉は、想の言葉に息をのんだ。 確かに想はずっと結葉に、「何かあったら頼れ」とか「いつでも連絡してこい」などと言ってくれていた。 あの雪の日にも、偉央に結構際どい牽制を掛けてくれたのを覚えている。 でも、そんな想の優しさを嬉しく思いながらも、想に――いや、きっと想だけじゃなく他の誰にも――偉央との夫婦仲が破綻しているのを気付かれたくなくて、結局幼なじみを頼る選択をしなかったのは結葉自身の責任だ。(想ちゃんは悪くない) それだけは確かだ。 結葉がそう言い募ろうと口を開き掛けたら、そこで信号が青になって。 鏡越し、想と絡み合っていた視線が不意に解かれてしまう。 それで、言うタイミングを逃した結葉だ。 でも――。 車の揺れや走行音とは別に、膝の上に載せたトートバッグからカサカサと言う音と、微かな振動が伝わってきて。 結葉はまるで雪日に励まされるように、再度口を開いた。「あ、あのね、想ちゃん」 結葉の声に想がミラー越しにチラリと視線を送ってくれて。 三白眼で、ともするとキツく見えて怖いと評されまくりの想の視線だったけど、結葉は幼い頃から見慣れたその瞳の奥の光が、実はとても優しいことを知っていたから。 何ら怯むことなく言葉を続けることが出来た。 考えてみればこれ、想より遥かにやわらかな印象を受ける顔つきをしていたはずの偉央には出来なかっ
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