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第3話

Auteur: 音羽奏
拓海と付き合い始めた当初から、彼の独占欲が強いことは知っていた。

彼が私に禁じていることを並べれば、地球を一周するほどだった。

拓海のあの異常なまでの独占欲をわざと煽ってやろうと、あるゲームを仕掛けたことがある。題して、「彼女が異性と接するのをどこまで許容できるかテスト」だ。

「拓海、あなたならきっと、第一関門さえ突破できないわ」

拓海は私を抱き寄せ、顔を近づけて口角に優しくキスをした。

「第一関門くらいはまだ簡単な方だと思うけど。そんなに僕を甘く見るなんて……ん?」

キスをされて私はくすくすと声を上げて笑った。そんな彼をさらにもてあそんでやりたいという悪戯心に火がつく。

「もしあなたが負けたら、一度だけクラブに行くのを許してね」

拓海は私の胸に顔を埋め、こもった声で言った。「じゃあ、聞かせて」

「第一関門。私と異性の友達との間に子供がいること」

私の胸元にうずめていた拓海の頭が、ぴたりと動きを止めた。彼は駄々をこねるように言った。「琴音、それはあんまりだよ。最初からそれなんて。君が産むのは僕との子供だけだ」

その後、私たちは夜が明けるまで幾度も肌を重ね、睦み合った。

終わった後、拓海は私の手を握った。

「琴音、僕は負けてない。僕たちが別れない限り、君がクラブに行くのは禁止だ」

「私は……」

追憶が唐突に途切れる。

私は後ろめたさを隠すように弁解した。「瑞希が喜んじゃって、どうしてもって言うから……」

「彼女に行けと言われたら行くのか?」

拓海は私の言葉を遮った。口調は相変わらず平淡だ。「あそこがどんな場所か知っているだろう。僕が嫌がることも分かっていたはずだ」

語気が強まったことに、私は少し呆然とした。

堰を切ったように、心の底に溜まっていた悲しみが溢れ出した。

「でも、あなたはどうなの?

私に隠れてホストに身を落としていた時、私のことなんて少しでも頭にあったの?

拓海!私の服も、会う友達も、行く場所さえも……あなたは全部を縛り付けてきた!私を何だと思っているの?籠の鳥とでも思っているわけ?もう限界よ。こんなの、もうたくさん!」

涙が溢れ出し、視界を遮る。

私は逆上した狂人のように、この一年間の不安をすべて拓海にぶちまけた。

彼はただ私が泣くのを見つめているだけで、以前のようにすぐになだめてはくれなかった。

「クラブに行くのを止めたのは、私にバレるのが怖かったからでしょう?そんな仕事で稼いだお金だって知っていたら、死んでもあなたと一緒にいなかったわ!」

拓海は突然、力強く私を腕の中に引き寄せた。

その力は抗えないほどのものだった。

彼は私の頭の上に顎を預け、熱を帯びた吐息が髪を揺らした。

掠れた声で言った。「ごめん」

抗おうとする私の動きが止まった。

「ずっと、説明しなきゃいけないと思ってたんだ。年の初めに会社をリストラされて、君に心配をかけたくなくて、あんな場所で稼ぐことを選んだ。

連絡しなかったのは、知られたら君が去ってしまうのが怖かったからだ。でも、もう新しい仕事が決まった。明日、辞めてくるよ」

拓海は私をさらに強く抱きしめた。まるで私の存在を自分の血肉に刻み込もうとしているかのようだった。

「琴音、約束してくれ。もうあんな場所には行かないと。僕は耐えられないんだ。いいだろう?」

かつてと変わらぬ彼の温もりは、どうしようもなく私の心を揺さぶり、引き止める。

しがみつくようにその胸に顔を埋めると、溢れ出した涙が彼のシャツをぐっしょりと濡らした。

結局、七年も一緒にいたのだ。私はもう、彼なしではいられなかった。

長い沈黙の後。

私はしゃくり上げながら、震える腕を拓海の腰に回し、縋り付くように抱き締め返した。

「じゃあ、指切りして。二度と隠し事をしないって」

私は拓海に小指を差し出した。

拓海は私の小指に自分の小指を絡め、そっと力を込めた。

「指切りげんまん、嘘ついたら、針千本飲ませる」

「バカだなぁ。僕が君なしで生きていけるわけないじゃないか」

そう、私たちの魂はもうずっと前から、分かちがたく溶け合っている。

今さら、どうやって二人を切り離せというのだろう。

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