Se connecterあの頃、私はこの言葉をずっと待ち続けていた。もし彼がもっと早く言ってくれていたら……私が初めて置き去りにされたときも、初めて彼ら5人の集合写真を見つめたときも、そして初めて、自分の誕生日よりも秋美の涙のほうが大切なのだと気づいたときも、私はきっと振り返っていた。けれど今の私は、ただ静かに言った。「もう、あなたに変わってほしいとは思わない。これから誰を愛するのか、誰を選ぶのか、誰と一緒にいるのか。もう、私には関係ない」深一は指輪を強く握りしめた。かつて私を傷つけたのと同じように、指輪が手のひらに食い込んでいた。「本当に、もう俺のことを少しも愛してないのか?」私はしばらく黙った。「愛してた」彼の目が、わずかに明るくなった。けれど次の瞬間、私は続けた。「でも、あの七枚の白無地カードの中で……少しずつ、全部なくなった」深一はすぐには帰らなかった。彼はその小さな町に2週間ほど滞在した。毎日、撮影場所に姿を現した。チームの機材を運んだり、水を用意したり、車を点検したりした。まるで昔の私のように、誰にも気づかれない仕事を、黙々とやっていた。けれど私は、それを理由に彼に一言も多く話しかけることはなかった。小さな町を離れる前、深一は最後に一度だけ、私に会いに来た。彼は一台のハードディスクをテーブルの上に置いた。中には、彼ら5人のグループチャットの全記録が入っていた。そして、彼自身が書いた謝罪の手紙も入っていた。彼の目は赤くなっていた。「もう、あいつらとは縁を切った。徹たちも、自分たちが間違ってたって分かってる。お前に謝りたいって言ってる」「必要ないよ」私は首を横に振った。「彼らが私を好きかどうかなんて、もうどうでもいいの。私を留めていたのは、ずっとあなた自身だった。そして最後に私を離れさせたのも、あなた」深一はうつむいた。長い沈黙のあと、ようやく尋ねた。「俺たち、本当にもう可能性はないのか?」私は窓の外を見た。海の上を、白い鳥の群れが飛んでいた。昔の私は、いつも彼らの輪の中に入ろうとしていた。けれど後になって気づいた。世界は、こんなにも広い。私を歓迎してくれない人たちのそばで、自分が愛される価値のある人間だと証明す
三か月後、深一はようやく私の消息をつかんだ。私は北のほうにある、海沿いの小さな町へ行っていた。あるドキュメンタリーチームに加わり、辺鄙な地域で暮らす女性職人たちの姿を撮影していた。彼は夜通し車を走らせ、古い埠頭のそばでようやく私を見つけた。私はアウトドアジャケットを着て、海風に髪を乱されながら、網を編んでいる一人の老人にカメラを向けていた。深一は遠くから、長い間その姿を見つめていた。彼が初めて見たのは、五人に向けるためではないカメラを構えている私だった。私は笑っていた。誰かに合わせるためでもなく、誰かに「雰囲気を壊すな」と言われたからでもない。そんな自然で穏やかな笑顔を、彼はもう何年も見ていなかった。撮影を終え、私が振り返ると深一がいた。私の顔から、ゆっくりと笑みが消えていった。「どうして来たの?」深一は喉が詰まるような感覚を覚えた。道中で何度も考えていた言葉が、突然一つも出てこなくなった。長い沈黙のあと、ようやく口を開いた。「俺と帰ろう」私は首を横に振った。「ここで働いているの」「仕事なら辞めればいい」彼は即座に答えた。まるで、これまで何度も私の代わりに決断してきたときと同じように。「結婚式はもう一度、俺が準備する。グループももう抜けた。秋美も、もう俺たちの間には関わらせない。これからは、俺たち二人だけでいい」私は黙って彼を見つめた。「深一、あなたはまだ分かってない」彼の表情が強張った。「私が離れたのは、あなたにグループを抜けてほしかったからじゃない。秋美と縁を切らせたかったからでもない」「じゃあ、何が欲しいんだ?」「私は、もうあなたを必要としてないの」海風が、私たちの間を吹き抜けた。深一の目が、一瞬で赤くなった。「たった一度のゲームが原因なのか?」私はふっと笑った。「あなたには、ただのゲームに見える?七回の白無地カードもゲーム。私をリビングで寝かせたのもゲーム。私を一人で船に残したのもゲーム。私の指輪を外して、私のウェディングドレスを着て、私の婚約者にキスしたのも……全部、ゲーム!じゃあ、過去7年間は?」私は彼を見つめた。「あなたたち五人は、表向きでも、陰でも、ずっと私を仲間外れにして
その後の一週間、深一は私が行きそうな場所をすべて探し回った。けれど、私がどこへ行ったのかを知る人は誰もいなかった。彼から届くメッセージも、命令するようなものから、少しずつ弁解するようなものへと変わっていった。【菫礼、戻ってこい】【ゲームのことは、俺が謝る】【結婚式だって、もう一度やり直せる】【あの指輪は秋美に贈ったものじゃない】【戻ってきてくれるなら、これからの集まりには全部お前も呼ぶ】最後の一文を、彼は長い間見つめていた。そして突然、馬鹿馬鹿しくなった。私はずっと、そこにいたのだ。彼らが私を本当の意味で仲間に入れようとしなかっただけだった。今になって私が去ったから、ようやく一つの居場所を恵んでやろうというのだ。送ったメッセージは、すべて何の返事もなく消えていった。八日目、秋美がやって来た。目は泣き腫らしていた。「深一、私たちこそ、本当は一緒になるべきだったんじゃない?菫礼が現れる前は、あんなに長い間、私のことが好きだったじゃない」深一は、彼女を見つめた。「だから、何だ?」「もう彼女は出ていった」秋美の声が震えた。「私たち、もう一度やり直せるよ。私たち五人だって、昔みたいに戻れる」昔というのは、私がいなかった頃だ。彼ら五人は、仲が良くて何のわだかまりもなかった。誰かに嫉妬されることを気にする必要もなかった。輪に馴染めないよそ者の面倒を見る必要もなかった。それこそ、彼らがずっと望んでいたことではなかったのか。けれど深一の脳裏に浮かんだのは、レストランの隅に一人で座っていた私の姿だった。私がカメラの外に立っていた姿や、一人でスーツケースを引いて去っていった姿も次々と浮かんできた。彼は初めて気づいた。私は彼ら五人の関係を壊したよそ者なんかではなかった。彼自身が連れてきて、一生守ると約束した人だったのだ。大学を卒業した年、私は彼に尋ねたことがあった。「あなたの友達、私のことあまり好きじゃないみたい」彼は私を抱きしめた。「気にするな。これから俺がいる場所には、お前もいる。俺が、みんなにお前を受け入れさせるから」けれど7年が過ぎても、彼は私をその輪の中に入れることができなかった。それどころか彼は彼らと一緒に立って、私が何
飛行機が着陸すると、深一は家には帰らず、そのまま私のアパートへ向かった。暗証番号は、すでに使えなくなっていた。彼が長い間ドアを叩き続けていると、ようやく大家が下から上がってきた。「浅草さんをお探しですか?彼女なら昨日、もう退去しましたよ」深一の表情が強張った。「どこへ引っ越したんですか?」「それは分かりません」大家は一つの段ボール箱を彼に差し出した。「あなたが来たら、これを渡してほしいと言われました」深一はすぐに受け取った。段ボール箱は、驚くほど軽かった。中に入っていたのは、これまで彼が私に贈ったものがすべてだった。もう生産終了になった腕時計や、何冊かの本、そして一着の古いセーターがあった。また、彼が私に贈ったカメラもそこに置いてあった。そのカメラは、付き合って二年目に買ってくれたものだった。彼はこう言っていた。「お前、写真撮るの上手いだろ。これから俺たち五人の写真は、全部お前に任せるよ」あのときの私は、その言葉の違和感に気づかなかった。本当は六人だったのに、彼が言ったのは、「俺たち五人」だった。その後、私は彼に聞いた。「じゃあ、私は?」彼は一瞬きょとんとしたあと、私の髪を撫でながら笑った。「お前はカメラマンだろ?カメラマンは当然、写真の外にいるもんだ」私はそれを信じた。だからこの何年もの間、私は何万枚もの彼らの写真を撮った。深一と秋美のじゃれ合う姿も、五人で囲む誕生日の席も、肩を寄せ合って眺める日の出も、すべて写真に収めた。けれど、私自身が写った写真は、指で数えるほどしかなかった。段ボール箱の一番下には、一台のハードディスクが入っていた。深一はそれをパソコンに接続した。中にはフォルダが一つだけあった。その名前は、【部外者】だった。彼はフォルダを開いた。一枚目の写真は、五人がレストランでグラスを掲げている。ガラスの反射には、別のテーブルに一人で座っている私の姿が映っていた。二枚目の写真は、五人が揃いのジャケットを着ている。その後ろで私は、彼らが脱いだ服を抱えて立っていた。三枚目は、深一と秋美が、一本の傘を二人で差して雨の中に立っている。私は通りの反対側で、雨に濡れながら二人の写真を撮っていた。四枚目は、私の誕生日
深一が部屋のドアを開けると、リビングのソファベッドには誰もいなかった。私のスーツケースも消えていた。彼はしばらく呆然と立ち尽くし、やがて反射的に車の鍵をつかんだ。けれど秋美が、後ろから彼を抱きしめた。「深一、どこに行くの?菫礼はただ、あなたに追いかけてきてほしいだけだよ。本当に追いかけていったら、これから怒るたびに、こうして脅すようになるよ」深一の動きが止まった。これまで、私が泣くと、秋美はいつも私が同情を引こうとしていると言った。私が怒ると、彼女は深一に、私を甘やかしてはいけないと念を押した。だから、喧嘩をするたびに、彼はいつも私が先に折れるのを待っていた。今回も同じだった。彼は玄関に長い間立っていた。そして最後には、車の鍵を置いた。「確かに、一晩くらい頭を冷やさせよう。明日になれば、自分から戻ってくるだろ」翌朝になっても、私は戻らなかった。彼は削除された電子招待状を見つけ、ようやく結婚式のプランナーに電話をかけた。「電子招待状を菫礼にもう一度送ってくれ」相手は数秒間、黙っていた。「陸川様、浅草様は昨夜、正式に結婚式をキャンセルされました。すでにすべての招待客にも通知済みです」深一の眉間に、急に深い皺が刻まれた。「誰がキャンセルしていいと言った?」「契約者は浅草様ですし、結婚式の費用もすべて浅草様ご本人がお支払いになっています。キャンセルする権利は、浅草様にあります」そこで深一はようやく思い出した。結婚式場の手配から、引き出物に至るまで、ほとんどすべてを私が担当していたことを。彼は最後に予算を一度確認しただけだった。そして私の準備を見て、面倒くさそうに言った。「結婚式なんて、形だけだろ。適当でいいよ」その「適当でいい」という一言のために、私は一人で20軒以上のホテルを回った。30種類以上の引き菓子を試し、夜遅くまで招待客の情報を一人で確認した。彼が親しい人たちの前で恥をかかないようにしたかったからだ。それなのに彼は、結婚式の契約書に誰の名前が書かれているのかさえ知らなかった。帰り道、私がすべてを手配する人間ではなくなったことで、彼らは初めて、六人の旅行が私なしではどれほど混乱するのかを思い知った。送迎車の予約は更新されてい
私がスーツケースを引いてホテルを出たときも、テラスからはまだ笑い声が聞こえていた。深一はきっと、私がこれまで何度もそうしてきたように、どこかに隠れて、彼が機嫌を取ってくれるのを待っているだけだと思っていたのだろう。スマホが震えた。彼からのメッセージだった。【もう十分だろ。戻ってこい】数分後、また一通届いた。【秋美が酔ってる】【お前が買ってきた二日酔いの薬、どこに置いてある?】私はその二つのメッセージを長い間見つめていた。そして、最後にはスマホの画面を閉じた。私がもうここを離れたというのに、彼が最初に気にしたのは、私がどこへ行ったのかではなく、秋美のために、私が二日酔いの薬をちゃんと用意してあるかどうかだった。空港に着いたとき、出発まであと40分だった。搭乗手続きを済ませ、最後のスーツケースを預けた。7年間、私は何度も深一との結婚式を夢見てきた。どんなウェディングドレスにするか、招待状には何を書くか、テーブルフラワーは何色にするか。私は一年も前から、彼の家族も、友人も、そして秋美の席まで、すべて決めていた。しかも、秋美を、私たちのすぐそばの席にした。ずっと、彼女が私の一番の親友だと思っていたから。搭乗案内のアナウンスが流れ始めた。私は秋美の部屋から取り戻した、そのシンプルな指輪を空港の遺失物取扱所に置いた。届け出の名前を書いていると、係員が尋ねた。「本当に貴重品ではないんですか?」私は指輪を見つめた。「ええ、もう必要ないので」本当に大切なものは、彼が自分の手で指輪を外し、秋美の指にはめたその瞬間に、もうなくなっていた。午前1時、ようやく深一は、私がいなくなったことに気づいた。秋美はひどく酔っていて、彼の肩にもたれたまま離れようとしなかった。ほかの皆はまだ騒ぎ立て、「新婚初夜」のゲームを最後まで続けろと二人を煽っていた。けれど深一は、次第に苛立ちを募らせていった。私に十数回も電話をかけたが、すべて電源が切られていた。徹が笑いながら言った。「菫礼ってきっと、部屋で泣いてるんだよ。お前が行って抱きしめてやれば、それで大丈夫だって」準人も気にした様子はなかった。「七回も白無地カードを引いて耐えたんだぞ。本当に出ていくわけないだろ?せいぜい明日