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第352話

Autor: ラクオン
一度、原口家という底なしの沼と関わってしまえば、後半生はすべて終わってしまう。

一真は桜ノ丘に戻って身支度を整えると、会社に向かった。

オフィスに入るとすぐに、翼が続いて入ってきて報告した。

「社長、あの連中が今朝出所しました。しかし……」

一真は眉をひそめた。「何かあったか?」

「はい」

翼は少し気が楽になった様子で、ありのままを話した。

「彼らが紅葉坂橋を走行中、車が制御不能になり、ガードレールを突き破って海へ転落しました。

現時点で、すでに五人の遺体が引き揚げられています……」

全部で八人しかいない。

もし車に乗っていた全員が死亡したなら、梨花の身の安全はとりあえず確保できる。

結局のところ、黒川家の実権はほとんど竜也が握っている。

篤子がいくら悔しがっても、せいぜい梨花に当たり散らすことくらいしかできないだろう。

しかし、一真はそこまで楽観的ではなく、むしろ表情を曇らせた。

「警察からの情報をしっかり注視しろ。

八人の遺体がすべて引き揚げられ、身元が完全に一致するまでは、決して気を緩めるな」

普通に考えれば、あの連中がこれほど不用心なはずがない。
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