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35話(職場体験)

Auteur: Yuu
last update Date de publication: 2025-07-20 20:48:44

「人間は皆、大なり小なり夢を抱えて生きているんだ。お前みたいなクズにその夢を笑う資格なんてない。夢を諦めさせるのは他人じゃない。夢を諦めるのは自分自身だ。だから他人に何か言われたぐらいで揺らぐな。お前の努力は俺が一番みてきたから大丈夫。お前はお前が信じる道を進めばいいんだ。もしその道を邪魔するやつが現れたら何度でも俺が守ってやる」

「黙れ偽善者が~~~~~」

はぁ~~~。

今回は神回だったな。

俺は毎週欠かさずみているアニメの最新話をリアルタイムで見ていた。

最近はサブスクがたくさんあってリアルタイムの視聴者が減っていて、俺もサブスクユーザーではあるが、今回みたいに推しの作品に関しては毎週リアルタイムで視聴するようにしている。

そして今回の回は原作でも個人的に好きなシーンの回だったから期待値は大で、感想も期待以上だった。

「夢か...」

作品の主人公がいっていた「人間には大なり小なり夢がある」あれは自分に言われているような気持になった。

俺も来年には高校3年生になり卒業後の進路のことも考えないといけない。

両親は大学や専門学校に進学しようが、就職しようが自分が進みたい道に進めばいいということを前に言われたことがある。

自分自身としては将来のことは考えないといけないけど現実的に考えることができていないのが現状である。

でも少しづつ考えていかないといけないな...

「朝からあくびばかりしているけど寝不足?」

「昨日の夜アニメみていたら寝るのが夜中になってしまって」

「もしかしてあのアニメですかな?」

「その通りだよ同志よ」

「神回だったね」

「神回だったな」

「そこの二人オタクトークを朝から披露するのはいいけど、周りから浮いているのに気付いた方がいいよ」

俺たちに話しかけたのはクラスでNo2の人気を誇っているさくらさんだ。

俺たちの話が浮いているのは本当かもしれないが、今現在さくらさんに話しかけられていることで視線を集めているような気がするのは気のせいかな

ドンっ

「痛っ」

「みっちゃんおはよう」

後ろから何かに当たられたと思ったら、愛が俺の背中に寄り掛かった衝撃だった。

今絶賛甘えん坊なのはクラスでNo1の人気を誇っている嶋野愛。俺の彼女である。

愛の登場によりクラスの全視線が俺たちに集まっているような気がする。

そうなるのも仕方がない。なぜならクラスでNo1とNo2がオタクトークを繰り広げている空間に入ってきているのだから。

もはや男子の視線は「殺意」のようなものがこもっているような気がする

球技大会からテスト、持久走と4人でいる機会が増えて、最近では学校でも愛とさくらさんが俺たちの話に入ってくる機会が増えたことによりクラスでの俺と敬都の立ち位置が微妙になってきている。

決してハブられているわけではなくて羨ましいという視線を常に浴びるようになった。

元々陰キャポジションにいた俺たちとしては居心地が悪い。

それを気にすることなく距離を詰めてくる二人に戸惑いつつも慣れてきている自分もいるのだ。

そうこうしているうちに担任の教師が教室に入ってきた

「お前ら座れ~。朝礼始めるぞ」

担任の男性教師は基本的に緩い雰囲気を出しており、先生の中でもあたりと他の生徒が騒いでいた。

基本的に先生と絡む機会も少ないから誰でもいいのだが、確かにこの教師の雰囲気はピリピリしていない分いいのかもしれない。

「来月職場体験があるからおまえら自分が行きたい職場の候補しぼっておけよ。もしかぶって店員数超えた場合はじゃんけんで決めることになるから。念のために第3候補ぐらいまでは考えておけよ」

「先生いつまでに決めないといけないんですか?」

「今週末まで」

「考える時間短くないですか?」

「ごめんごめん。いわないといけないと思いつつ忘れていた」

「おい!!」

クラスで笑いが起きる。

先生に対して時々ため口がでたときも、この担任の場合は許される。

前に数学のおじいちゃん先生に対してある生徒がため口を使ったところ

めちゃくちゃ怒られた。

それを考えてもこの先生が他の人と違っている部分があるのだろう

「まぁいいじゃないか。4日ぐらいあれば余裕だろ。職場の一覧はここに置いておくから各自みておくように。特に進路が具体的に決まっている人はこの機会にその仕事を体験してみてるのはいい経験になると思うからよく考えておくように。まだ将来のことが何も決まっていない人は、とりあえず興味がある仕事をピックアップして候補をしぼるようにしてみろ。仲のいい友達でいってもいいし。そこは任せる。とにかく人数さえ守ればお前らに任せるから頑張れ」

まじめそうなことをいって最後に投げやりになるところあたりはこの先生らしい。

やりたいことか。

昨日の夜にみたアニメのセリフが思い浮かぶ。

「夢」

小学生の時の将来の夢はサッカー選手になることだった。

サッカーを始めた当初はサッカー選手になることを疑うことなくやっていたと思う。それが学年が上がるごとに自分よりも上手な子たちが出てきて自分の実力の現在地を知った時に頭からサッカー選手という夢はなくなっていたんだと思う。

それから自分の将来について考えないといけないとは頭でわかっていても現実味がなくて考えないようにしていた。

「瑞樹はどんな仕事にする?」

「う~ん。まだ決まってないな」

「みっちゃん美容師なんかはどう?」

「美容師?」

「うん。だってみっちゃん自分の髪の毛セットするの上手だし、単純に私が美容室で働いているみっちゃんかっこいいなと思って」

美容師か。考えたことがないわけではないけど、前に元美容師のyoutuberさんが「きつい」「大変」的なことを連呼していたから候補から除外していたけど、あくまでイメージであって実際に働いてみたらわからないかもしれないな。

それに彼女からかっこいいとか言われたらやってみようかなと思ってしまう単純陰キャですいません

「まぁ職場体験ってあくまで体験だから、別に将来の夢じゃなくてもいいから気軽に体験してみるぐらいのテンションでいっていんじゃないかな」

「ちなみにさくらさんはどこか決めているの?」

「私と愛ちゃんは保育園に行ってみようかなと思っているよ」

「愛も保育園?」

「うん。さくらが保育園に誘ってくれたから行ってみようかなと思って」

「そっか。似合うと思う」

「へへへ。ありがとう」

「敬都はどうする?」

「瑞樹が美容室に行くなら僕も一緒にいってみようかな。プロに髪の毛のセットとか教えてもらったら今よりも上手になるかもしれないし」

「それは間違いない。俺も美容師さんが発信しているyoutubeでしか勉強したことがないから、実際にプロに教えてもらう機会は貴重かもしれないなって思っていた」

「じゃぁ決まりだね」

「あとは美容師を選んで提出しよう」

「お互い頑張ろうね」

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