~持久走大会本番~
最初に練習を始めて1カ月ぐらいが経った。
俺は現役時代ほどではないにしろ、ちょっとは体力が戻ったような気がする。 それでも先頭集団を走れるほどではないが。。。 おそらく真ん中ぐらいだろう。 敬都も最初のころは全然走れていなかったが、俺たちとの練習以外でも自主的にランニングをしていたらしく真ん中の後ろぐらいの集団には入れるぐらいには走れていた。 それよりも驚いたのが愛の体力だった。 愛は俺に合わせて走ってくれていたけど、多分俺よりも早いんじゃないかな。 一緒に走り終わった後、俺はかなり息切れしていたのに愛は爽やかに笑っていて。 あれは強がりではなく余裕なんだと思う。 男子と女子は走る距離は違うけど走るタイミングは同じだから他の男子よりも愛に負けたくないとひそかに思っていた。 彼氏としての威厳ぐらいは保っておきたい。 そうじゃないと愛の評価が下がってしまうかもしれない。「みっちゃん体調は悪くない?」
「うん。昨日母さんが気合入れて豚カツ作ってくれたけど控え目に食べていて正解だったよ」
「真奈さんの豚カツ私も食べたい」
「今度言っておくね。昨日も愛ちゃんはいつ来るの?っていっていたから喜ぶと思うよ」
「へへへ。嬉しい」
「とりあえず今日は頑張ろう」
「そうだね」
愛はいつもと同じ様子だ。
さくらさんとの勝負で少しは気負っているかなと心配したけど余計なお世話だった まぁ愛とさくらさんよりももっとヤバいやつがそこにいるんだが「敬都大丈夫か?」
「う、うん」
「顔色真っ青だけど」
「なんか緊張して眠れなくて、寝不足と緊張で吐きそう」
「今から本番なのに出だしから最悪だな」
「ごめん」
「敬都どうしたの顔色悪いよ」
「さくらさん。緊張と寝不足で吐きそう」
「大丈夫?ポカリもってこようか?」
「大丈夫。ポカリなら持ってきているから」
「それならよかった」
「さくらさんおはよう」
「さくらおはよう」
「愛ちゃんも瑞樹もおはよう。今日は頑張ろうね」
「頑張ろう」
さくらさんはいつもの調子のように見えるけど、少し顔が疲れているように見えるのは気のせいだろうか
「お前ら頑張るのは先生としては嬉しいが無理はするなよ。今の時代色々とうるさいから。体調悪くなったりしたらすぐにコースから外れたり自己判断で動いていいからな」
先生の軽い挨拶が終わり、いよいよスタートしようとしていた
「愛ちゃん頑張ろう」
「さくらが頑張っているのみてきたから私も手を抜かない」
「流石愛ちゃん。私も負けない」
「みっちゃん私たちの勝負みていてね」
「いや俺が後ろの前提。。。まぁいいか」
先生の合図で男女一気にスタートした。
この持久走大会は男子3キロ、女子2キロと男女で距離は違うがコースは同じだから毎年途中まではカップで一緒に走る人たちや仲良しグループで走る人たち、そしてガチ勢でわかれているのが特徴である。 そして俺は仲良しグループで走る予定だったのだが、スタートと同時にその計画は終わった なぜなら今現在俺の前では愛とさくらさんの二人がまさにガチ勢の走りを繰り広げている。 確かにスタート前に愛に「私たちの勝負みていてね」と言われたけど、本当に後ろから二人の勝負をみることになるとは。 ちなみに俺が手を抜いているわけではなくて、単純に二人のペースが男子に負けないぐらいの早いペースで走っており俺は実力で二人の後ろを走っているわけだ。 後ろを振り返ってみると遠くの方に顔色が先ほどよりも青白くなっている敬都が頑張って走っているのが見えるが終わったらジュースでもおごってやろう。2人のペースはまさに互角で、愛がさくらさんの少し前を走っていて、そのすぐ後ろにさくらさんがついていっているような感じだ
「流石愛ちゃん。私もこの1カ月本気で走り込んできたけど、全然追い越すことができない。でも。。。」
さくらが愛の前に出ようとペースをあげた
「さくらってこんなに早かったっけ。さくらにも負けたくないけどそれ以上にみっちゃんにかっこいいっていわれたい」
愛はさくらが前に出る前にペースを一段階あげた
2人の真剣勝負を俺は後ろからしっかり見守っていた。
本当は横に並びたいところだが、追いつくことができない 本音を言うと追いつくことはできるが後半確実に体力がなくなるのがみえている もう一度後ろを振り返ると敬都は頑張ってついてきているが、顔は白くなっている あれ大丈夫かな。。。スタートから半分が過ぎようとしたころにさくらさんに変化が起きていて
愛の後ろにはついていっているものの、後ろから見ても肩で息をしていて辛そうな状態だ「はぁはぁ。はぁはぁ。もっとペースをあげないと」
さくらさんはそれでも愛に離されないように必死についていっていた
「もっと。もっと。。。。。あれ。体に力が入らなくなっているような気がする」
後ろからみていて嫌な予感は的中した。 愛の後ろについていたさくらさんは息が激しくなり身体が左右に揺れだした。 俺はこの状態をみたことがある。 あれは中学時代の夏の練習で走りのトレーニングの時に後輩が俺の前で同じ状態になり、その後倒れた。 さくらさんが同じ状態になっているのかはわからないが、とりあえずペースをあげた そしてさくらさんの横についたタイミングでさくらさんは倒れた「さくらさん。さくらさん。大丈夫?」
俺はすかさずさくらさんを抱え上げコースの横の日陰に入った。
さくらの異変に気付いていた愛も慌てて俺たちの後を追ってきた「さくら!さくら!」
愛は泣きそうな声でさくらさんのことを呼んでいる
「愛!落ち着いて。さくさらんは多分熱中症か脱水症状を起こしているんだと思う。近くに先生がいると思うから水と冷たいタオルをもらってきて」
「わかった」
愛が先生を呼びに行っている間に俺はさくらさんを日陰に横にして自分の体操服を脱ぎうちわのよう仰いだ。もしかした汗臭いと思われるかもしれないが、今できることはこれぐらいしか思いつかない
するとさくらさんの意識が戻ってきて「瑞樹???」
「さくらさん!大丈夫」
「うん。なんとか。私なんで横になっているの?」
「さくらさんは愛の後ろを頑張ってついていっていたんだけど急に走り方がおかしくなって倒れたから慌てて俺が隣まで走って受け止めて今に至ります」
「そっか。私倒れちゃったか」
さくさらんは腕で顔を隠しながら静かに呟いた
「みっちゃん。さくらは?」
愛が水と冷たいタオルを持って戻ってきた。
先生が保健室の先生を呼びにいってくれているようだ「さくらさんは今意識が戻ったよ」
「よかったぁ。さくら大丈夫?お水飲んで!!」
「愛ちゃんありがとう」
さくらさんは横になった状態で水を飲みおでこに冷たいタオルをのせると少し楽になったようだ
「私ダメダメだね」
「なんでそうなるの?さくら頑張っていたよ」
「頑張ったところで愛ちゃんには勝てなかった。まぁ勝てたところで何って話だったのかもしれないけど」
「さくらさんはなんで愛に勝ちたいと思ったの?」
俺と愛もさくらの近くに座って三人で横に並ぶ形になった
「う~~ん。なんか周りから2番って言われるのが嫌になって。それを受け入れている自分がもっと嫌になったからかな」
「その気持ちはわからないこともないよ」
「瑞樹にもそんなことあるの?」
「さくらさんが抱えているものとは違うかもしれないけど、俺の場合サッカーをしていた時に最初は自分が一番上手くなるぞって思って練習していたけど自分よりも上手な人が出てきたときに悔しがる気持ちよりも受けれ入れている気持ちの方が大きくて、それに自分が一番ショックを受けたことがある」
「確かにその気持ちと似ているかもしれないね」
「でも、違うのは当たり前なんだろうなって今は思うんだ」
「違う?」
「だって一人一人持って生まれた能力があって、それを「才能」とかで片付けたりするけど、結局は長所は人それぞれなんだと思う。だからサッカーで同じポジションの子でも同じ上手さを求める必要もないのかなって。つまり愛のすごいとところとさくらさんの目指す、すごいは違ってていいんじゃないかな」
「そうだよ。確かに私は勉強、スポーツを「こなす」のはそこそこできるかもしれないけど、さくらが私たちにしてくれたみたいに「支える」や「教える」は私は全然得意じゃない」
「そうゆうこと。さくらさんにはさくらさんの良さがある。愛には愛の良さがある。その良さを対等に評価するのは違うような気がしない?」
「自分の良さ。。。」
「そりゃ二人のことをよく知らない人たちからしたら愛が1番に見えてさくらさんが2番にみえるかもしれないけど、二人を知っている人間としてはさくらさんが愛より劣っているなんて思ったことないんだよね」
これはさくらさんが愛に宣戦布告した時から思っていたことだった
さくささんはお世辞抜きでめちゃくちゃ優しい人だと思う。 友達想いで、俺と敬都みたいな陰キャ相手にも分け隔てなく話してくれる。 しかもリーダーシップもあり、スペックはかなり高い。 そして何よりも美人だし。。。あまり大きな声では言えないけど「本当に?」
「本当だよ。多分顔面蒼白で今走っている敬都に同じことを聞いても同じような答えが返ってくると思う。確かに愛は周りからのイメージで才色兼備ってイメージを持たれているけど、実際に付き合ってみると裏ではポンコツで可愛い部分ばかりで頼りないところもあるでしょ」
「みっちゃん私のことディスってない?」
「ディスってないよ」
「確かに愛ちゃんはポンコツな部分あるよね」
「さくら私のことディスってるでしょ」
「ディスってないよ」
「仲良くならないと見えないところはあるのかもしれないけど、さくらさんのいいところをもっとみんなが知った時に今の2番の評価は絶対に変わると思うから」
「瑞樹って見た目陰キャなのにいうことは漫画の主人公みたいになるときあるよね」
「さくらさん俺のことディスってない?」
「ディスってないよ」
やっと3人で普通に笑えた
「なんか私のモヤモヤ晴れたかも。1番とか2番とか考えすぎて私馬鹿みたいだ」
そういってさくらさんは静かに泣き出した。
それを愛はそっと抱きしめた。 さくらさんの感情をくだらないというやつはいるかもしれない。 でも、さくらさんの感情は誰にでも生まれるものであり、その感情に向き合い愛に勝負を挑んださくらさんのことを俺は心の底から尊敬していた。 俺にもそんな気持ちがあったのならもっと違う道を歩んでいたのかもしれない。 多分、これが先に進める人と先に進めない人の差なんだろう。 今泣いているさくらさんは本当に強い子だ。俺はただ逃げた臆病者だ。 愛はちゃんと結果を出す努力をしている さくらさんは自分の気持ちにしっかり向き合っている 敬都は変わろうと努力している じゃぁ俺はどうだろう。 俺ももっと前に進みたい。2人の背中をみながら俺は静かに決意していた。
~持久走大会本番~最初に練習を始めて1カ月ぐらいが経った。俺は現役時代ほどではないにしろ、ちょっとは体力が戻ったような気がする。それでも先頭集団を走れるほどではないが。。。おそらく真ん中ぐらいだろう。敬都も最初のころは全然走れていなかったが、俺たちとの練習以外でも自主的にランニングをしていたらしく真ん中の後ろぐらいの集団には入れるぐらいには走れていた。それよりも驚いたのが愛の体力だった。愛は俺に合わせて走ってくれていたけど、多分俺よりも早いんじゃないかな。一緒に走り終わった後、俺はかなり息切れしていたのに愛は爽やかに笑っていて。あれは強がりではなく余裕なんだと思う。男子と女子は走る距離は違うけど走るタイミングは同じだから他の男子よりも愛に負けたくないとひそかに思っていた。彼氏としての威厳ぐらいは保っておきたい。そうじゃないと愛の評価が下がってしまうかもしれない。「みっちゃん体調は悪くない?」「うん。昨日母さんが気合入れて豚カツ作ってくれたけど控え目に食べていて正解だったよ」「真奈さんの豚カツ私も食べたい」「今度言っておくね。昨日も愛ちゃんはいつ来るの?っていっていたから喜ぶと思うよ」「へへへ。嬉しい」「とりあえず今日は頑張ろう」「そうだね」愛はいつもと同じ様子だ。さくらさんとの勝負で少しは気負っているかなと心配したけど余計なお世話だったまぁ愛とさくらさんよりももっとヤバいやつがそこにいるんだが「敬都大丈夫か?」「う、うん」「顔色真っ青だけど」「なんか緊張して眠れなくて、寝不足と緊張で吐きそう」「今から本番なのに出だしから最悪だな」「ごめん」「敬都どうしたの顔色悪いよ」「さくらさん。緊張と寝不足で吐きそう」「大丈夫?ポカリもってこようか?」「大丈夫。ポカリなら持ってきているから」「それならよかっ
期末テスト本番当日。あれから愛と敬都と3人で勉強したり、家で愛と2人で勉強したりと今回のテスト勉強はいつも以上に充実していたような気がする。3人で勉強している途中に敬都が「僕は何をみせられているんだ」とブツブツ言っていたが、愛が敬都の前だと遠慮なく甘えてくるから、最初は面白がっていた敬都も途中から呆れていた様子だ。愛は可愛いんだけど甘えスイッチが入ったらちょっとポンコツなのがね。まぁ可愛いんだけど今回の愛とさくらさんのテストの競う強化は主に定番の5教科・国語・数学・英語・世界史・化学理科と社会といいたいところだが、俺たちの高校は歴史と地理と世界史が学年ごとの選択だったり、化学と物理の選択だったりするから、俺たちが選択している教科を選んだ。2人の様子をみていると愛はいつも通りだけど、さくらさんは疲れているように見える。まぁ愛に勝つと意気込んでいたから普段以上に自分を追い込んだのだったら疲れているのも当然かもしれない。~テスト終了~「はぁ~。やっと解放される」「お疲れみっちゃん」「愛もお疲れ。手ごたえはどうだった?」「いつも通りかな」「敬都は?」「英語がちょっと自信ないかな」「英語って俺たちと勉強したところじゃないか」「そうだね。誰かさんたちがイチャコラしているのを見せられた日だね」「うん。なんかごめん」「私も今回はいつもより自信あるかも」3人で話しているとさくらさんが俺たちの話に入ってきた。さくらさんがここに入ってくるのは愛に宣戦布告をしてから初めてだった「さくらがこうやって話に入ってきてくれるの久しぶりだね」「うん。宣戦布告してしまったからなんか変に気まずくて」「全然きにしなくてよかったのに」「まぁテストも終わったしいいかなとおもって」「それでどうだった?」「自信あり!」「私も負けないよ」「今回は私が勝つ」「俺と敬都もなんか賭けるか」「終わった後に?」「敬都が自信ない英語で」「おい、それはずるいだろ」「なら愛たちにならって、5教科の合計点数で負けた方が焼き肉の食べ放題おごりでどう」「う~~~~。すごくいいところついてくるな。乗った」「よし決まり!!ちなみに愛とさくらさんは勝った方が負けた方に何かしてもらうって決めていないの」「確かに、1位とかだけいっていたけど、考えていなかった」「
「楽しかったね」「久しぶりだったからね」「やっぱりみっちゃんと一緒にいるのが楽しいな」「よかった」「手繋ごう」「いいよ」「へへへ」「どうしたの?」「幸せだなと思って」「これぐらいで幸せと思ってもらえるならいつでも手はあけとくね」「ならいつでもねらっとく」買い物の帰りいつのもような会話をしながら帰宅していた「さくらは辛かったかな」「辛かった?」「周りから2番っていわれていたことに私は全く気付いていなかった。自分が1番と言われていることすら気にしていなかった。だからさくらがどんな気持ちでいたのかわからない。屋上で話したときからたくさん考えたけど、やっぱりよくわからない」わからないというのは愛の本音なんだろう。実際愛は1番になろうと思ってなっているわけじゃなくて努力しているうちに周りより長けているポジションになってしまったというのが正しい表現だろう。1番を目指してきたわけじゃない愛にとってさくらさんの気持ちを理解するのは難しいのかもしれない。「辛い、辛くないはさくらさんにしかわからないことだから、それはいつかさくらさんに聞いてみていいと思う。愛とさくらさんは親友みたいな存在なんだから。ただ2番が1番を目指すというのはそんなに特別な気持ちではないと思うんだ。例えば中学時代、俺たちの地区には毎年優勝するチームがあったんだ。1年生の時は、あんな強いチームに勝てるわけないと思っていたけど、自分が3年生になったときにあのチームに勝ちたいって思うようになっていた。これは俺が何か大きく変わったというより学年が上がるごとに自然に変わっていったという表現の方があっていると思う。多分さくらさんが愛に勝ちたいと思ったのは何かがあったというよりは自然にそう思ったんじゃないかなと俺は思う。きっとそれは人が今の自分の殻を破ろうとしていて、その殻がさくらさんにとっては2位という殻なんじゃないかな」「殻?」「みんな自分に大なり小なり殻をかぶっていると思う。その殻を破れないから自分を出せなかっ
さくらさんが愛に宣戦布告をした次の日俺と愛は買い物に来ていた理由は勉強道具の買い出しと走るときのウェアを新調するためだ。動きやすい服は中学時代のサッカーの洋服がありはするが、高校生になって身体が大きくなったのと愛と一緒に運動するのにボロボロになって洋服を着るのも恥ずかしいと思い母さんに相談したら「愛ちゃんと一緒に買い物いくの?ならこれで愛ちゃんに昼ご飯をおごってあげなさい」と洋服代+昼食代まで出してくれる大盤振る舞いだった。球技大会の後に晩御飯を食べに来てから、松岡家で愛は人気者で、最近は父さんまで「愛ちゃんは次いつのくるのか」ときかれるほどになっていた嶋野愛パワーはすさまじい運動するウェア以外もにも今日は私服も新調しようと思う。これも愛と出かけるときに愛に恥をかかせないための身だしなみの向上。髪の毛を綺麗にセットしても洋服がださかったら話にならないしかも今日は愛も一緒だから愛のセンスも聞けるから俺としては一石三鳥ぐらいのデートである。「みっちゃん!!」「ごめん待った?」集合時間の10分前に待ち合わせ場所にはついたが、そこにはおしゃれな愛が既に待っていた相変わらず周りからの視線は独り占めしている「待っていないよ。さっききたところ」「よかった。じゃぁいこうか」「みっちゃん。今日もかっこいいね」「愛も可愛すぎて隣歩いていいか不安になるよ」「それは私のセリフだよ」いやほんとに俺のセリフだから。愛はニコニコして俺の腕に掴まって歩き出した周りの(特に男子)の視線が突き刺さっていたことには愛は気づいていないが昨日のさくらさんとの出来事があったから、落ち込んでいるかなと思っていたけど今の様子からは大丈夫そうだ「どこからいこうか」「みっちゃんが好きなところから行こうよ」「なら全部が揃っている商業施設があるからそこにいっていい?」「もちろん」個々の商業施設はハイブランドのお店からスポーツ店まで全てが揃っている、俺たちの地元では一番の大きさを誇るお店だ都会のほうにいけばもっとあるのだろうが、俺たちの地元でここが最大である「今日スポーツウェアと一緒に私服も買っていい?」「私も買いたいと思っていたから一緒に選ぼう」「ちなみに愛のおすすめのブランドってある?せっかくだから愛の好みの服を着たいなと思って」「ん~~~~。それならEG
「敬都も一緒にどう?」昨日愛と期末テストの勉強と持久走大会の練習を一緒にしようと話した俺たちは敬都とさくらさんにも声をかけることにした。「いいね。僕も勉強は得意じゃないし、走るのも得意じゃないし」「それは知っている」「おい、なんかその言い方はむかつくな」「陰キャだから」「ぐぐぐ...何も言い返せないのが悔しい」「まぁ俺も走るのはちょっとはできるけど、学力に関しては敬都と同じぐらいだから今回は学年上位の二人に教えてもらって成績をあげようじゃないか」「その学年上位の二人に勉強を教えてもらって僕たちは後ろから刺されないかな」「...常に後ろは警戒しておくことにしよう」こんな感じで敬都の参加が決まった次は桜さんだな「さくら」「どうしたの愛ちゃん?」「今ねみっちゃんと中村と一緒に期末テストの勉強と持久走大会の練習を一緒にしようって話をしていたんだけど桜も一緒にやらない」「楽しそう」「じゃぁ参加でいい?」「う~ん。今回は私は不参加でいい?」まさかの不参加という返事に俺たちは驚いた球技大会の練習の時のさくらさんをみていたから、こうゆうみんなでするのは真っ先に参加するタイプだと勝手に思っていたから「そっか。わかった。」「ごめんね~。お互い頑張ろうね」「うん」さくらさんは教室をでていってしまった「さくらさんは喜んで参加すると思ったな」「僕もそう思っていた。でも勉強は一人でするほうが集中できるタイプかもしれないし」「確かにそうゆう人もいるな」「さくら。。。」「愛どうしたの?」「なんかいつものさくらの様子が違うように感じたから」「そう?いつも通りにみえたけど」「なんとなくだから違うかもしれないけど。でも気になるからさくらのこと追いかけてみる」「俺も行こうか?」「お願い」敬都は自分がいったところでと遠慮してこなかった俺と愛は教室をでていった春乃さんのことを追いかけた「さくら!!」「愛ちゃん?どうしたの?」「なんか様子が違ったように感じたから」「いつも通りだよ」「ほんとに?」「ほんと」「嘘でしょ」「なんでそう思うの?」「さくらは気づいてないかもしれないけど、さくらは我慢しているときとか嘘をついているとき髪の毛を触りだすんだよ」そこに関しては俺は全く気付いていなかった長い仲だからこそわかることかもしれ
「は~」「みっちゃんどうしたの?」「球技大会が終わったと思ったら、期末テストと持久走大会が控えているなと思ったら、うちの学校行事多くないかなと思って」「確かに多いかもね。私の通っていた中学校もここまで行事多くなかったかも」「愛はまた頑張るのかな」「どうだろう。昔はなんとなく期待に応えたいなと思いながらやっていたけど、今はみっちゃんの彼女って宣言したことが皆に広まっているから、今まで以上に頑張っちゃおうかな」「今までも相当頑張っていたのに、今まで以上に頑張っちゃうの?」「みっちゃんのためってなったら私の頑張りは無限大だよ」「無理しないでね??」「うん」「大丈夫かな...」愛が今まで以上に頑張って無理をしすぎないか心配だけど、それは俺が見守っていればいいか。それよりも愛の話をきいていて思ったことだが、俺も愛の彼氏として不甲斐ないところはみせれないんではないか。元々陰キャポジションを確立している松岡瑞樹が嶋野愛の彼氏というだけでクラスは大騒ぎ立ったのに、おそらく今では学校中の噂になっており、週明けからは今まで以上の視線を浴びることになるのは間違いない。まぁ別にそんなことはどうでもいいんだが、俺が不甲斐ないことで愛の評判が落ちる可能性の方が心配である。ただでさえ愛が彼女発言をした後、クラスの男子の冷たい言葉が聞こえてきた今まで陰キャポジションでおとなしくしていたけど、これからは少し学校での立ち位置を考えていく必要がありそうだ。まずは期末テストに向けての勉強と持久走大会に向けてのランニングを頑張ることにしよう。勉強は普通だが、体力に関してはブランクがあるにしても、サッカーしていた経験で走ることは苦手ではない。走り込めば真ん中よりも上ぐらいにはいけるだろう「ねぇみっちゃん」「はい!?」長々と自問自答しているところに愛が話しかけてきて変な返事になった「あっごめん」「大丈夫。どうした?」「期末テストと持久走があるじゃん?先日私がクラスで彼女発言したじゃん?だから学校で勉強したり、放課後一緒にランニングできないかなって思って」「なるほど」元々交際ししていることを内緒にしていた俺と愛の関係も公けにしたことによって図書室で勉強だったり放課後一緒に遊んだりもやりやすくなるんだ。「それめちゃくちゃいいね。俺勉強苦手だし。愛に教えてもらえ