Masukクラスで誰もが憧れる才色兼備の美少女・嶋野愛。 成績優秀で品のある立ち振る舞いで人気を集める彼女には誰にも知られていない“裏の顔”があった。それは恋人松岡瑞樹の前でだけ見せる甘えん坊でちょっぴりポンコツな素の姿。 完璧に見える愛とそんな彼女に振り回されながらも支える瑞樹の2人から始まる物語 物語は恋愛模様を軸にしながら、登場人物たちの家族との関係、将来への不安、友情との向き合い方といった青春の中にあるリアルな葛藤や成長を丁寧に描いており感情の機微やキャラクターの心の動きが繊細に描かれた本作はギャップのあるヒロインに癒やされたい人はもちろん読み応えのあるラブコメを探している方におすすめです。
Lihat lebih banyak「今日も嶋野さんは可愛いな」
「あのポテンシャルで彼氏いないって逆に誰なら彼氏になれるんだろうな」
「俺にもチャンスあるかな?」
「お前なんかにチャンスがあれば、既に嶋野さんは彼氏持ちだ」
「悔しいが否定できないのが現実だな」
「嶋野さんはアニメの中のヒロインがそのまま地上に降り立ったような存在だからな」
「じゃぁ、嶋野さんの彼氏になれる男はアニメの主人公クラスじゃないと務まらないな」
「そうかもしれないな」
「でも、それはそれで相手いなくね」
「確かに」
今クラスの男子達が話しているの俺たち2年2組で一番可愛く、学校でもNo1の可愛さを持っているといわれている嶋野愛についてだ。
嶋野さんに関しては入学した当日から噂になっており、才色兼備で勉強も運動も優秀で、まさに男子生徒がいっているようにアニメの中のヒロインがそのまま地上に降り立ったような感じだ。 この1年間で何人もの男子が嶋野さんに告白したらしいが、すべて振っているらしい。 途中からは付き合えたらラッキーぐらいで告白するやつや罰ゲームで告白しているやつもいたらしい。 本当にそうゆうのは気に食わない。 人の時間を奪ってくだらないなと思う。 ただ、当の本人は恋愛に関して興味がないらしく、全く相手にしていないし、学校でのこういった話も気にせずに今日も予習か復習をしている。 才色兼備と言われているが、ああやって勉強している姿をみていると嶋野さんの「優秀」は「努力」からきているものなんだろうなと思う。 周りの女子も嶋野さんの人と関わらないようにしている性格に遠慮して話しかけないようにしている。 だから基本的に嶋野さんは教室の中では一人である。「愛ちゃんおはよう」
「さくらおはよう」
「4月なのにもう暑いね」
「私も今日は自転車忘れて歩いたから汗かいたよ」
「自転車忘れたの」
「うん。なんか途中で気づいたけど取りに帰るのがめんどくさくて」
「愛ちゃん馬鹿だよね」
「馬鹿じゃない。ちょっと忘れっぽいだけ」
「そうゆうことにしてあげる」
嶋野さんにも基本的に教室では一人だけど、友達が一人もいないわけではない。 今嶋野さんと話しているのは春乃桜という黒髪ロングの清楚系の女の子。 男子からは嶋野さんの次に可愛いNo2と言われている。 実際春乃さんの方が愛想もいいし、話しかけやすいところから男女からの人気が高いと思う。 横に圧倒的存在感の嶋野さんがいるからこそのNo2になって知っている感じだ。 もし他のクラスにいたら春乃さんがNo1になるのは間違いないだろう 嶋野さんと春乃さんは幼馴染らしく一緒にいることが多い。 そして教室の出来事を隅から観察しているのは分析しているクラスでのポジションは陰キャラこと松岡瑞樹だ。 自分のことを陰キャラとは認めているけど、スポーツも勉強もそれなりにできるほうである。 ちなみに昨年の最後のテストも成績は上位だった。 人付き合いは得意じゃないから友達はほとんどいない。 たまに話していたら同族の陰キャも2年生になったタイミングで別のクラスになってしまったから新しいクラスでは一人でいる。「みんな席につけ~」
担任の先生が入ってきていつもの日常が始まる。
「急にきてごめんね。迷惑じゃなかった?」「すごく驚いたけど、愛に会えたから嬉しかったよ」「へへへ。よかった」職場体験も無事に終わり、その日の夜愛といつものように電話をしていた。毎日電話委しているわけじゃないが、電話できるときは話している。いくら学校のみんなが付き合っていることを知っていたとしても、やはり陰キャと才色兼備の愛が一緒にいるのは変に目立つ。だからできるだけ穏便な学校生活を送れるように意識しているから、学校では最低限しか話さないようにしている。その分を夜に補填している感じだ。愛からはもっと学校でも話したいといわれるが、もう少し待ってといっている。ヘタレ彼氏ですいません。「みっちゃんの美容師かっこよかった。美容師どうだった?」「思っていたよりも楽しかったかな。でも山田さんだったから楽しかっただけで、責任感のいる仕事だし自分が知らない大変さなんかがあるんだろうなと思ったよ」「そっか。それは保育士も同じだね。私たちも小さいときは当たり前のように保育園に通って先生にわがままいっていたけど、わがまま言われる側になったらこんなに大変なんだって。あと子供の面倒をみること以外の仕事が多くてびっくりしたかな。みっちゃん知ってる?保育園のお遊戯会や運動会の小道具の準備って先生たちがしているらしいよ。私とさくらも手伝ってきた」「そうなんだ。確かに小学校からは自分たちで準備したけど、保育園の時って準備ってしていなかったかもしれないな。それは先生たち大変だ」「しかも保育士って給料が公務員の中でも安い方で、先生たちが労力に見合っていないって文句言っていた」「生々しいね。でも実際にその現場で働いている人たちにきかないとわからないことってあるよね。俺も山田さんに美容師の話聞いて自分の認識の甘さを思い知った感じ。ネットで調べることはできるけど現場の声は現場で働いている人に聞くのが一番だね」「うんうん。みっちゃんは将来美容師になるの?」「まだわからないかな。でも美容師も選択肢の一つとしてはありかなとは思っているよ」「みっちゃんが美容師になったらかっこいいだろうな」「かっこいいかな?」「かっこいいよ。だって今日のみっちゃんかっこよかったもん」「山田さんよりこっちみていたもんね」「へへへ。それは仕方がない」「どんなお客さんが来たの?」それから谷口さん
「今日は夕方予約入っていないから店閉めてラーメン食べに行こう」「お店閉めていいんですか?」「いいのいいの。予約制でしているから予約が入っていなくて予定があるときは少し早めにしめるのは結構多いから。それに時間の融通を利かせることができるのは自営業の特権だから」個人的に自営業の都合はよくわからないが、山田さんがいいというのだからいいんだろう。確かに予約制じゃないお店の場合いつお客さんがくるかわからないから営業時間まであけておかないと文句を言う人がいるかもしれないが、予約制だったらコントロールはしやすいのだろう。「それでラーメン食べに行く?」「「いきます」」「よかった。最近の若い子ってこうゆう誘い嫌がる子多いらしいから」それは俺もテレビやSNSで見たことがある。上司からのご飯の誘いが苦だと感じる人は多いらしい。でもこんだけよくしてもらっている山田さんの誘いを嫌と思うわけなくて喜んでという気持ちが強かった。まぁこれが嫌いな上司だったら嫌だと思うのは当然だと思うが。。。会社の上下関係も大変だな・・・山田さんが閉店の準備をしている間、俺と敬都も掃除などを手伝った。夕方5時のタイミングでお店を閉めて、近所のラーメン屋に入った「好きなの頼んでいいから。今日は俺の奢り」「いいんですか?」「当たり前だろ。俺から誘ったうえに高校生に手出しさせるなんて美春に殺される」なんでだろう。俺たちにお金を出させたことを普通に報告してすごく怒っている美春さんが想像できてしまった。美春さんごめんなさい「じゃぁお言葉に甘えて」「おう」俺も敬都も定番のラーメン+チャーハンセットを注文した。「2人はよく飯にいったりするのか?」「2人ではあまりないかもしれないですね」思い返してみると敬都と2人のご飯はないかもしれない「2人はないんですが、よく3人か4人で一緒にいます」「もしかして今日の2人かな?」「そうです」「でも3人ってもしかして瑞樹と嶋野さんと敬都ってこと?」「そうです」「敬都お疲れ様」「はい・・・」なんで敬都がお疲れ様と言われているのかはわからなかったがなんとなく俺と愛のことなんだろうは思う「実際に美容室で働いてみてどうだった?」「はい。すごくいい経験になりました。俺は髪の毛をセットするのは好きだったけど誰かの髪の毛をという視点はあ
「なんで2人がきているの?」「私たちの職場は2日目は午前中で終わるってわかっていたからネットで予約しました」「なるほど」「ダメだった?」「ダメじゃないよ」「よかった」「なんだ二人の知り合いか。それにしても二人ともかなり美人だな」「知り合いというかクラスが一緒の同級生です」「左の人は瑞樹の彼女です」「おい瑞樹。お前は実はすごい系の男だったりするのか?」初めてみる人からしたら俺みたいな陰キャにあんな美人の彼女がいたら不自然に思うのは当然だろう「しかも瑞樹の彼女は学校でもクラスでもNo1と言われているぐらいの人です」「おい瑞樹。お前実は惚れさせる能力でももっているんじゃないか」「持ってませんよ。本当にたまたまご縁がありましてお付き合いすることになりました」「お見合いか」「ほんとですよね。たまたまあんな美人と付き合えるはラノベの主人公ぐらいですよ」「さっきから敬都くんの言葉に悪意を感じるのは気のせいかな」「気のせいです」「まぁ冗談はさておき、嶋野さんと春乃さんはカットで予約してもらっていたけど一人ずつでいいかな?」「はい。愛ちゃんからしてもらおう」「うん」愛のカットの時は後ろには俺がつくようになり、敬都はさくらさんと話しているなんか最近あの二人仲良くなっていないかな「愛さん。なんかこっちを見ているのは気のせいかな?」「本当だよ。俺のカットをみてほしいのに」「あっすいません。ついみっちゃんがかっこよくて見つめていました」「あ、そう...」恥ずかしがることなくストレートな物言いに山田さんは言葉がでなくなってしまっている「嶋野さんは瑞樹のことが大好きなんだね」「はい。みっちゃん以外に興味がないぐらい好きです」「うん。ちょっとまってね。おい瑞樹。お前の彼女なんかすごくないか」「はい。何もしていなかったら才色兼備なんですが、裏ではだいぶポンコツなんです」「そっか。了解。瑞樹せっかくだから嶋野さんの髪の毛ドライヤーで乾かしてあげたら」「えっ。できますか?」「大丈夫。だいたいでいいからやってあげな。多分俺がするよりも瑞樹がした方が嶋野さん喜ぶと思うよ」愛の方を見ていると嬉しそうに目がキラキラしているようにみるのは多分気のせい俺がドライヤーで愛の髪を乾かしている間に山田さんはさくらさんをカットするらしい。さくらさん
「職場体験一日目どうだった?」「めちゃくちゃ楽しかったよ。山田さんって美容師さんも優しくて面白い人だったし。愛は保育園どうだった?」「う~ん。やっぱり子供って難しいよね。予想外の動きをするし変なこと言ってくるし、途中いらってくることもあったけど、さくらからなだめられて落ち着いたよ」「それはよかった」「愛の先生姿みてみたいけどな」「それなら今度みっちゃんの先生になってあげる」「それは恥ずかしいな」「みっちゃんの美容室で働いている姿をみてみたい」「それこそ後ろに立っているだけだよ」「いいのいいの」なぜか上機嫌の愛に違和感を覚えながらも、お互いの近況報告を終えてその日は早めに寝た~職場体験2日目~2日目も1日目と同様に朝から二人のお客さんの予約が入っていて、昼から2人のお客さんが同時に入っているらしい。普段はマンツーマンスタイルでやっているから2人同時に予約を入れることはないそうだが、家族や友達でくる場合は2人同時にすることもあるそうだ。だから今日は俺も敬都も2人組が終わるまではいてほしいといわれた。それでも夜までというわけではないから喜んで了承した。朝のお客さんを終えて昼休憩に入ろうとしたタイミングでお店に女性が入ってきて「「いらしゃいませ」」「私はお客さんじゃないからきにしなくていいわよ」「????」「お~。来たか。2人とも昨日話したけど俺の奥さんの山田美春だ」「山田美春です。よろしくお願いします。あなたたちが瑞樹と敬都ね。昨日の夜2人のことをこの人ずっと話していたから覚えちゃった」「はい。松岡瑞樹です」「中村敬都です」「じゃぁ俺は今からお客さんしてくるから美春が買ってきたデザートでも食べて休憩していていいぞ」「「はい」」「2人ともB&Cはどう?楽しんでる?」「山田さんが予想以上に接しやすくて楽しんで体験できています」「僕も人見知りな方なんですが、山田さんは人見知りな僕でも話やすい環境を作ってくれるから助かります」「まぁあの人の長所だからね。今でこそあんな感じだけど最初の方は不安でいっぱいだったんだよ」「今の山田さんみていたらポジティブな印象しかなないので、ネガティブ山田さんを想像できないです」「そりゃそうよね。私たちが結婚したのはこのお店がオープンして1年後だったの。だからオープンした時はまだ付き合ってい