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第1054話

Penulis: 落流蛍
人々が入口からほとんど去ったあとで、時也が華恋に向かって言った。

「降りようか」

「でも……」

華恋は外へ出て行く人たちと、半分ほど下がった商業施設のシャッターを交互に見つめ、ためらった。

それは明らかに閉店の合図だった。

「降りて」

時也が再び穏やかに言う。

華恋はそれ以上何も言えず、彼の後を追って車を降りた。

二人は並んでモールへと歩いていく。

すでに周囲には人影が少なかったが、それでも通りがかりの者たちは、特に時也のマスク姿に気づくと、好奇の目を向けてきた。

視線を浴びながら入口へ。

時也は華恋の手を取り、身をかがめて半分閉まったシャッターの下をくぐり抜けた。

中には警備員がいた。

誰かが入ってきたのを見て追い出そうとしたが、来訪者の顔を見た途端、態度を変えた。

「いらっしゃいませ」

時也は軽くうなずき、華恋の手を引いたまま足早に歩き出す。

そのとき華恋は気づいた。

モールが閉まっているのではなく、客をすべて退かせて貸し切りにしていたのだと。

つまり――彼女が思う存分買い物できるように、わざわざ客を全部帰らせた。

華恋は横目で時也を見た。

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