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第一話 豚肉の塩レモン香草焼き(その三)

last update Terakhir Diperbarui: 2025-03-10 10:48:27

(うん、これで準備万端だ!)

 まずは手始めに……。

やっぱりなんと言っても、メインは焼肉を美味しくいただくことだ。

主役のお肉から焼かないことには始まらない。

用意した豚肉は、週に一度は通う馴染みのスーパーで買ったもの。

鮮やかな桃色のお肉と乳白色の脂の割合がちょうど良い。

その上、塩レモンのタレと香草などの調味料で加工されている。

豚肉をステンレス製のトングで摘み、網の上へ三枚ほど敷いてじっくり焼く。

まだかまだかと、ソワソワする気分になりながら待っている。

(あっ、色が変わってきた!)

下の面が焼けてきたら、ひっくり返して反対側も焼く。

艶のある脂の雫が今にも落ちそうだ。

脂の雫が燃料となって炭にぶつかり、パンッと弾けて火がまた燃えていく。

その瞬間が、炭火で焼く焼肉の醍醐味ともいえるだろう。

(そろそろ、焼き加減もいい頃合い。じゃあ、今から……)

「いただきます」

お肉が良い焼き色になったのを確認したところで、食事を始める挨拶を呟いた。

ここからが庭ごはんの時間だ。

そのまま、焼き上がった豚肉をステンレス製のお箸で取って口のなかへ頬張る。

  (うん! 塩とレモンのサッパリした味付け、なかなか良い! それにしっかり味付けしてあるから、タレが無くても食べられる)

次は輪切りにした玉ねぎを焼いて、ついでにお肉の追加もしておく。

そうこうしていると、横で炊いているメスティンの蓋が浮いている。

まるで水分が抜け出すかのように、沸騰しながら少し容器の外へ溢れ垂れてきた。

(この調子だったらもう少しでお米が炊ける……。楽しみだぁ……)

ワクワクしながら、お米の炊き上がりを待っている。

だが、よそ見している暇はない。

近くから煙が少し立っていた。

(はっ! のんびりしている場合じゃない! 玉ねぎが焦げちゃう……そろそろ返さないと!)

慌てて玉ねぎをひっくり返してみると、少しだけ黒の焦げがついていた。

一人だとマイペースには出来ても、やることが多くてこなさないといけない。

忙しくはなるけれど、その分楽しさは生まれてくる。

(玉ねぎが良い感じに焼けたから、そろそろ引き上げよう)

焼けた玉ねぎは、一度タレ無しで食べてみることに……。

 (ん~! これは甘い! 意外にタレが無くてもイケる!)

私は玉ねぎの甘さに感動を覚えた。

多少焦げた部分が苦かったとしても、甘みの方が勝っている。

そして、同時に焼けた豚肉も一緒に食べてみた。

 (あぁ、美味しい……! 所々でタレが絡み合って。あっ、そうだ! 今度こそ、ご飯の様子を……)

ちょうど、メスティンの蓋が先程の沸騰から収まったのか元に戻っていた。

ある程度蒸らしたら食べ頃になる。

耐火手袋を右手につけ、焚き火台の火から外すため蓋をしたままメスティンの取っ手を掴む。

テーブルの上に置いて、そのまま蒸らして待つ。

(よし! ご飯が完成間近だし、そろそろきゅうりの浅漬けとキムチの出番だ)

野菜も同時進行に、玉ねぎを焼いた後の所へ今度はキャベツも……。

 ◇ ◆ ◇

 ——ご飯を蒸らしてから十分くらい後。

(お待ちかねのご飯がそろそろ食べ頃だな……開けてみよう)

メスティンの蓋を開けると湯気と熱気が立っている。

中身のお米は煌めいて、一つ一つ粒が立っていて炊きたてご飯のお出ましだ。

まるで、宝箱を開けたようなキラキラと白米の艶が際立っていた。

 (これは美味しいはず……。だって、お米の一粒みんなが輝いている!)

私はご飯を一口サイズの大きさに、お箸でよそって食べてみた。

 (う~ん、美味しい! そして噛むほど甘い!)

お米の固さも、固すぎず柔らかすぎずで丁度いい。

無事に成功したことで安堵している。

少し焼いておいたキャベツもシャキ感を残しつつ、何よりも野菜の甘さが噛むことで滲み出てる。

(あっ、そうだ! きゅうりの浅漬けを食べないと……すっかり忘れるところだった)

実家で作っているきゅうりの浅漬けは、昆布の出汁が効いた飽きない味なのである。

それにお肉とは打って変わり、ポリッとした食感。

お肉に飽きてしまった時、味変としての役割も果たしている。

(あと、キムチでさっぱりさと唐辛子の辛さが欲しい)

キムチは市販のもので、私がいつもお気に入りで買っている国産の白菜キムチ。

白菜一切れ分を箸でつまむ。

本場のものに比べると辛さはマイルドなものだけど、ちゃんとピリっとした辛味は残っている。

酸味も感じるけれど、コクがあって奥が深い。

キムチを食べる分リセットされ、またご飯と豚肉のセットで繰り返し食べたくなる。

お肉を網へ追加し良い焼き色に仕上がったら、ご飯の上に乗せて一緒に合わせた。

  (これぞ、お肉とご飯を一緒に食べる醍醐味……。はぁ~……幸せ……)

表情は出さないも、目が糸目状になってうっとりしちゃう。

すまし顔なのに、私の心の表情から表へ至福のオーラがダダ漏れになりそうなくらい。

ご飯の幸せさを堪能してると、ピコンッとLIMEの短い通知音がなった。

ご飯以外の楽しみなことが来ているのかもと、期待しながらスマートフォンを取るのである。

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