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第一話 豚肉の塩レモン香草焼き(その二)

Aвтор: 朝比奈 来珠
last update Последнее обновление: 2025-03-10 10:47:50

(まな板はこれにして、包丁は……)

 まな板と包丁を用意し、下準備として野菜を切ることから入る。

焼き野菜用に、キャベツを手で大きめにちぎる。

大きい方が焼きやすいし大雑把にしても構わない。

(寧ろ、その方が美味しく感じるんだよなぁ)

私の勝手ながらだけどそう思う。

玉ねぎは外皮を剥き包丁で先端と根を切り落とす。

その後、一センチほどの厚みで輪切りに切る。

ここである食べ物を思い出した。

一昨日、実家から自家製きゅうりの浅漬けが届いていたことだ。

(一品ものも欲しいし、ちょうど良さそうだ。下準備が終わったら冷蔵庫から取り分けておこう)

玉ねぎを早めに切り終わらせ、再度冷蔵庫の中を覗く。

きゅうりの浅漬けはプラスチック製のタッパーに入っている。

冷蔵庫内の食材を探っている中、白菜のキムチも入っていることに気づいた。

行きつけの焼肉屋で頼んでいるメニューの一つに、必ずと言ってもいいくらいキムチも頼んでいる。

それをキッカケに想像していたら、また違うメニューが浮かんだ。

(あぁ……焼肉をやるとなったらやっぱり白ご飯も欲しくなる……。だったら先日、百円ショップで購入したメスティンを使ってご飯を炊いてみたい!)

想像するだけでヨダレが垂れそうになる。

もちろん、顔の表面上はすまし顔だけど。

(ご飯を炊くなら、今のうちにやってしまおう)

米びつからカップですり切り米一合分だけ掬い取る。

すぐにご飯を炊けるよう、あらかじめ白米を少し洗う。

お米を炊くための四角いメスティンに入れて吸水させる。

(食材の準備はこれで大丈夫かな?)

食事の準備を終えた私は、急いで庭に出る時用の格好に武装する。

所謂、私の趣味である庭でキャンプする時の服装のことだ。

黒のジーンズ、中に暖用仕様の長袖シャツの上に紺色のトレーナーパーカー、ワインレッドのウインドブレーカーで武装をする。

これが、私が着る庭キャンプをする時の正装である。

(よし、着替えもバッチリ! 外に出よう!)

着替えた後、私は紺色のアウトドア用ブーツを履き外に出る。

庭にある収納庫からメッシュタープと自分用に座るベージュ色したローチェア。

メッシュと板状の二つタイプが合わさった折り畳み式の黒のスチールテーブル。

焚き火台としても使えるバーベキューグリルを出した。

(あとは炭と、家の中のものを運べる準備とか出していこう)

その準備の合間で、読者の皆さんに説明をしよう。

さて、ここで一つ疑問を抱くかもしれない。

私の住んでいる場所は何処なのか? ということだ。

プロローグに説明をしているが念の為、もう一度。

とある山奥の村に住んでいて、春でもまだ少し寒さが感じやすい場所なのである。

さらに、私の家は数軒分の区画で整理されている。

どんな家かというと、庭付き一軒家で収納庫まで完備されているという親切なオマケ付き。

その収納庫付近の空いた土地で、庭キャンプするのが定番だ。

中は、タープや焚火台などキャンプ用の道具がいっぱい収納している。

収納庫以外にも玄関内の横にある大きな収納室。

そこへ食器など細々したものを大きめのケースにまとめて入れている。

(ふぅ、外での用意はこんなところかな?)

メインであるタープは、側面がメッシュタイプで屋根付き四角形のもの。

冬以外の季節は、必ず何かしらの虫がいる。

その上、特に夏が一番多いから虫除けの為に購入したのだ。

(……私自身、虫はあまり好きじゃないのもあるけどね)

メッシュタープはあらかじめ即座に外へ出せるよう、布に取り付けてある。

あとは、風が強くない限りポールを伸ばして広げたらそれで完成だ。

次は、角に丸みが帯びた長方形の形をした黒色のテーブルを広げる。

半分は、メッシュ状で火を扱うコンロや小さめの焚き火台を置くのが可能だ。

ローチェアも直ぐに出せるよう折り畳まれた状態から、伸ばして広げておく。

(テーブルはタープの真ん中、椅子はこの辺にしよう)

——家の収納室から食材や食器など、全て運び終えたところ。

(必要なもの全部運び込んだし、焚き火の火入れをしようっと)

テーブルのメッシュ側の方に炭を受けるトレー付きの小さめの焚き火台を乗せる。

中に入れる着火剤となるものは、乾燥で広がった松ぼっくりと枯れ草。

小振りの炭も敷いたら、その上に中間ぐらいの大きさの炭を置く。

(この大きさは小さい方……こっちは追加用で……)

今回の炭は、先日ホームセンターで買っておいた「切炭」という不揃いの形をした炭だ。

一般的に販売していて初心者でも使いやすい。

補足しておくと焚き火台には、色々な形がある。

正方形や長方形、変わった形だとヘキサゴンタイプも。

我が家では、正方形の網が敷けるタイプの焚き火台を使用している。

(今日は、バーナーで着火しよう)

ガスバーナーを点火する。

乾燥でカサが広がった松ぼっくりを焦点に当て、様子見ながらじっくり火を起こした。

(よし、火力も良い感じに……!)

火吹き棒で風を送りながら火力を高めると、少しずつ火周りが良くなってきた。

大きめの炭を数個置いて、炭の火力が整ったところで焼肉用に使う正方形の網を敷いた。

(火が整ったし、先にご飯を炊こう)

心の中では小躍りするかのようにワクワクしている。

吸水させたお米の入ったメスティンを網の上に置く。

(お米が美味しく炊けると良いなぁ……。美味しく出来上がりますように、行ってらっしゃい)

あとは、無事に炊けるよう祈るのみ。

キッチンで切ってきた焼き野菜用のキャベツと玉ねぎは、厚手のジッパー付きビニール袋に入っている。

スーパーで買った塩レモン香草の味がついた豚肉も、野菜と一緒に木目調側のテーブルの上へスタンバイ。

浅漬けのきゅうりやキムチといった一品ものも忘れずに……。

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