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第657話

Author: 魚ちゃん
さらに続けて、潤は釘を刺すように言った。「それから、万が一今後二つの家族で顔を合わせる機会があったとしても、朱美さんが会うのは、親父一人だけだ。ほかの人間は絶対に連れてこないでくれ」

「どういう意味だ!」湊が激昂して怒鳴った。「お前の実の母さんが亡くなって、もう何年になると思っている!真奈美だって母親代わりだ……」

「親父以外の人間は、絶対に連れてこない」潤は感情を一切排した声で繰り返した。「俺の条件が聞けないというなら、食事会の話はこれで終わりだ」

潤はそれだけ言い捨てて、一方的に電話を切った。

残された湊は、怒りのあまりあと少しで手元のスマホを床に投げつけるところだった。

明里の本当の母親があの大富豪の河野朱美だとわかったとき、湊にそこまで真っ黒な野心があったわけではないが、やはり可愛い次男である隼人の将来のことを考えずにはいられなかった。

二宮家の莫大な資産と会社の実権はすでに長男の潤が完全に握っており、隼人に残される分け前はごくわずかしかない。

妻の真奈美が傍で毎日のように悲観的なことを吹き込むこともあって、親としては何とかして次男に少しでも有利な状況をと願ってい
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