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第696話

作者: 魚ちゃん
まさかの展開に、優香は慌てて手を振っていた。

電話の向こうの朱美も、一瞬言葉を失った。「優香がいるの?会ったの?どうしてあの子が来てるの?……ちょっと電話を代わって」

裕之は「うん」と短く応え、スマホを差し出した。「叔母さんからだよ」

優香はおずおずと受け取った。「……叔母さん!」

無意識のうちに、声にはすがるような心細さと甘えが滲んでいた。

朱美はまだオフィスにいた。「どうして急に来たの?お父さんやお母さんと喧嘩でもした?」

優香は小さく鼻をすすり、消え入りそうな声で「うん」とだけ返した。

朱美は内心、ひっそりと頭を抱えた。まさか優香がいきなり押しかけてきて、よりによって裕之と鉢合わせになるとは。

「もう少ししたら帰るから。電話、彼に返してくれる?」

「……はい」優香は素直に従い、スマホを差し出した。「どうぞ」

裕之は受け取り、優香に向かって軽く微笑みかけた。

「突然こんなことになって、本当にごめんなさい」電話口で朱美が言った。「優香がいきなり来るなんて知らなくて。兄夫婦と揉めたみたいで、私に一言も言わずに家出してきたみたいなの」

「じゃあ、俺は帰るよ」裕之は
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