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第297話

Author: アキラ
「祖母上......」林華の声はわずかに震えていた。

なぜだか分からないが、彼の胸には漠然とした不安があった。

祖母上は今、以前よりもずっと元気そうで、話しぶりもしっかりしているのに、でも......

どうしても不安なのだ!

林華が答えないのを見て、老夫人の顔色がさっと曇った。「どうしたんだい。この老婆が今申すことも、もう聞かぬというのか?」

「とんでもない!」林華は慌てて否定し、うろたえて声まで震わせた。「祖母上が何と仰せになろうと、孫は何でもお受けいたします!」

「それならばよい!」老夫人はようやく安心し、林華の手を離すと、穏やかに微笑んだ。「お前の父上を呼んで参れ。話がある」

その言葉を聞くと、林華は急いで頷き、まるで喬念に見られるのを恐れるかのように、さっと涙を拭い、それから立ち上がって外へ向かった。

林華が部屋を出ていくまで待って、喬念はようやく声をかけた。「祖母上......」

声は微かに震え、目には満面に心配の色が浮かんでいた。「祖母上、お疲れではございませぬか?少しお休みになられますか?」

しかし、老夫人は首を横に振り、手を上げて近くの箪笥を指差した。「さあ、中の物を全て持ってきておくれ」

喬念ははっとした。

老夫人は以前、その箪笥の中の物は彼女に残すと言っていた。だが、なぜ今、持ってくるように言うのだろう?

不安がこみ上げてきて、喬念はすぐには返事ができなかった。

喬念が黙っているのを見て、老夫人は再び促した。「よい子じゃ、さあ、祖母上のために持ってきておくれ」

その言葉を聞き、喬念はようやく立ち上がった。

箪笥の中には、四角い小さな木箱が置かれていた。

金糸楠木で作られた箱で、縁には金の飾りが施されていた。

喬念はそっとそれを両手で持ち上げ、老夫人の前に差し出した。「祖母上、どうぞ」

老夫人はそれを受け取り、痩せた指でそっと木箱を撫でた。その目は遠い昔を見ているかのようだった。「これはまだ、わが母上がくれたものじゃ......」

この金糸楠木の小箱も、老夫人の嫁入り道具の一つだった。

老夫人がかすかにため息をつくのが聞こえ、それから木箱が開けられた。中には、きちんと折り畳まれた銀票と地券の他に、透き通るように潤いのある玉の佩があり、そこには「穆(ボク)」という一文字が刻まれていた。

喬念は、それが老夫人
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