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第9話

Penulis: 誤字ラ
雅人は眉間に深い皺を刻み、冷えきった声で問いただした。

「お前たちこそ誰だ?美空はどこにいる?」

男女は一瞬きょとんとしたが、女性のほうが先に思い出し、夫に告げた。

「あ、前の家主さんじゃない?」

そう言うと、男性もようやく合点がいったようにうなずいた。

雅人の身なりから、ただものではないと察したのか、男性は態度を改め、丁寧に説明した。

「私たちはこの家を吉沢さんから買い取りました。吉沢さんなら、もう引っ越されました。なんでも、実家に帰ってお見合いをして、結婚するつもりだとか」

その言葉を聞いた途端、雅人の胸がざわついた。彼は男性の肩を乱暴に押しのけ、足早に室内へと踏み込んだ。

かつて見慣れていたはずの部屋は、すっかり様変わりしていた。

2人で暮らしながら、少しずつ買い足してきた小物は、一つ残らず消えていた。

ソファといった大きな家具はそのまま残っているものの、今はそこに、男女の私物が置かれている。

部屋のどこを見渡しても、雅人と美空が過ごした痕跡は、何ひとつ残っていなかった。

美空が実家に帰って結婚するなど、雅人はまったく信じてはいなかった。家を売るための口実
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