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第651話

Penulis: リンフェイ
唯花は笑って言った。「彼は時間があったら私にメッセージを送ってくれるの。だけど、確かに毎日連絡をくれるわよ。私と彼の仲は、うん、確かに今はかなり良くなったわね」

彼女と理仁が喧嘩した件は、姉にも隠していた。それは伯母一家にならさらに教えることはなかった。伯母を心配させてしまうだけだからだ。

「気持ちっていうものは時間をかけて育てていくものだものね。あなた達が結婚して二、三カ月経ってるのよね。お互いに感情が高まっていくのは当然のことね」

姫華は近寄って来て、興味津々に尋ねた。「九条悟と明凛はどうなった、何か進展があったの?今この二人のことがめっちゃ気になってるのよね」

九条悟だ、彼は理仁が最も信頼している人間だ。

それも情報屋一家の出身である。

しかも明凛とお見合いしたとは。

姫華はこの情報を芸能記者に売れば、かなり稼げると思っていた。

もちろん、彼女は別にお金に困ってはいない。明凛とも友達になったのだから、その友達を売るような真似など絶対にしない。

悟が世間にこのことを発表するまで、姫華はもちろん秘密にしておくつもりだ。ばれてしまえば記者たちから明凛は追いかけられ、落ち着かない日々を過ごすことになってしまう。

唯花は理仁に返事をした後、小さく笑って言った。「伯母さんは明日の夜パーティーを開くって言ってなかった?伯母さんに頼んで明凛に招待状を送ってあげて。それから、お兄さんに言って九条さんにも招待状を送ってあげるのよ。あの二人が一緒にパーティーに参加すれば、あなたも二人の様子が観察できるでしょ」

姫華はそれを聞いて瞳をキラリと光らせ、低く笑った。「あなたってよくわかってるわね。もともと明凛も誘うつもりだったの。彼女はあなたの一番のお友達だし、私の新しい友達でもあるしね。そんな彼女をパーティーに誘わなかったら、なんだか申し訳ないわ。

ただ九条さんが来るとは断言できないわね」

あの人は結城グループで社長の特別補佐をしているのだから。

唯花は笑った。「お兄さんに頼んで、九条さんに明凛も来るって伝えてもらえばいいのよ。きっと彼は来るわ。伯母さんが今回パーティーを開くのは、私たち姉妹をみんなに紹介するためでしょう。家族内でのパーティーよ、仕事の話なんかしないし、九条さんは九条家の坊ちゃんとして参加すればいいわ」

姫華は唯花のその提案はなかなか良いと
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  • 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています   第652話

    理紗はとても興味がある様子で唯花に尋ねた。唯花は振り返って来た方向を確認してから言った。「お姉ちゃんがついて来てなくてよかったです。だけど、今はもう大丈夫、お姉ちゃんは佐々木俊介とは離婚したし。最初、あのクズ男がお姉ちゃんとよく喧嘩していて、それは私のせいだってわかっていたので、スピード婚することにしたんです」彼女はスピード結婚した理由を理紗に教えた。理紗は頷いた。「そういうわけだったのね。あなたが旦那さんのおばあさんを助けたことで気に入られて、それも恩返しをしたいがために、あなた達を結婚させたと」彼女は結城家のおばあさんに会う機会などほとんどなかった。しかし、夫の玲凰からおばあさんは近づきやすく飾り気のない人だと聞いていた。自分の正体を隠して遊び回るのが好きで、まるで子供のような人だと。ただ一つだけ、理紗には理解できないことがあった。結城おばあさんはあんなにすごい人なのに、唯花に助けてもらわなければならない状況というのは、なんだか……策略の匂いがぷんぷんするのだが。本当は彼女がおばあさんに前から気に入られて、結城理仁の妻になるよう仕組まれたのではないか。そうじゃないと彼女は断言できるのか?「旦那さんは結城グループで働いていらっしゃるのね?」「そうです」「旦那さんも結城っていうの?」唯花は頭を傾げて理紗をちらりと見て笑って言った。「理紗さん、今うちの夫があの財閥の結城家の御曹司だと考えてます?うちの結城さんは普通の会社員ですよ。でも、ちょっと優秀な人で、グループ内では管理職をやってるんです。実際、結城グループにはたくさんの管理職の方がいるでしょうけどね。旦那は会社で社長に会う機会なんかほとんどないって言ってましたよ。彼の仕事が順調なその理由は……ええっと、まあちょっとコネがあるっていうか」九条悟にひっついて、彼のコネを利用しているのだ。こんな言葉を聞けば理仁は言葉を失うだろう。それはまた悟も同じだ。一体彼らのどちらがコネを利用しているのやら。「結城っていう苗字はあまり見かけないから、あなたの旦那さんが結城グループで働いてるって聞いて、思わず疑いたくなっちゃったわ」理紗は尋ねた。「旦那さんの下のお名前は?」「理仁です」「結城理仁?」「ええ、結城社長も同じ名前なんですか?」唯

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    「姫華は今ようやく結城社長に執着するのをやめようとしている。本当に諦めて、冷静に彼の結婚を受け入れられるようになるまで、このことを一旦伏せておこう」玲凰はため息をついた。「もし愛しても一緒にいられない男が実は内海さんの夫だということを知ったら、絶対穏やかにいかないだろうな。考えもしたくないんだ。それに、俺たちは内海さんとまだ親しくないが、姫華のほうは彼女と結構気が合いそうみたいだしな。姫華の気持ちも考えないと」「でも、唯花さんがあなたの従妹になったから、彼女のスピード婚の夫は親戚になるでしょ?もし本当に結城社長だったら、いつか絶対うちへ挨拶に来るはずよね?ずっと隠して、お義母さんに一生会わないわけにはいかないでしょ」彼ら二人には会わなくてもまだいいが。しかし、妻の伯母と伯父の場合は話は別だ、唯花の旦那が挨拶に来ないなどありえないのだ。「今晩、結城社長を呼び出して事情を聞こう。彼は一体どういうつもりなんだ。内海さんと結婚してることを秘密にしているのかどうかや、彼女は彼の正体を知っているのか聞いてみる。おそらく知らないだろうな。もし本当に知っていたら、唯花さんは簡単に彼とスピード婚なんてしないはずだぞ」理紗は彼に言った。「唯花さんは旦那さんが今出張しているって言ってたじゃない。暫く帰ってこないわよ。玲凰、今から電話してみない?今どこにいるか聞いてみよう。もし今星城にいるなら、このことはあなたの考えすぎだわ。もし本当に出張しているなら、彼は唯花さんの旦那さんの可能性があるけど。そもそも、唯花さんは一体どうしてスピード婚を選んだの?姫華は詳しく聞いてなかった?」玲凰は少し考えてから言った。「直感だが、彼女の旦那さんは結城社長、結城理仁だと思う。それに、あの日、俺が結城社長に会った時、彼が突然食事に誘ってきたのは、単に機嫌がよかったからじゃなく、内海さんが俺の従妹ということを知っていて……この彼女の親戚である俺と仲良くなろうとしたのかも?」理紗「……かもね。じゃ、今から下に行って、タイミングよさそうなところで唯花さんに聞いてみるわ」「気をつけてな。母さんと姫華には絶対気づかれないように。たとえこれが本当に事実だとしても、暫く秘密にしておくぞ。姫華が知って彼女を憎むようなことだけは避けたいんだ」理紗は深刻な顔で頷いた。彼女

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    信号が青になると、善の専用車が先に行った。姫華は彼の車のナンバープレートに目をやった。「あの車は誰のなの?後ろの黒い車はボディーガードの車だよね」と考えた。星城で、出入りする時、いつも大勢のボディーガードを連れて回るのは理仁以外に誰がいる?姫華にはその車の印象がなかった。彼女の兄でさえボディーガードを連れているのもあまり好きではなく、たまに二人ぐらい連れる程度で、理仁のように毎日二回交代制で、毎回八人連れるなどということはしない。だから毎回理仁が出てきた時、まるで大昔の皇帝でも君臨したような感じだった。唯花は姫華が途中で善に会ったことなど知らず、位置情報を送った後、明凛にメッセージを送った。親友に今日は伯母の家に行くと伝えた。そして、暫く考えてから、理仁にもメッセージを送った。理仁はその時おそらくまだ飛行中のため、返事ができなかった。それで唯花の心がまた重く沈んでいった。彼女ばぶつぶつと呟いた。「返事くれなくったっていいの、別に欲しくないもん」すると、携帯をコートのポケットに入れ、椅子から立ち上がり、食器をキッチンに持っていき、洗い始めた。「お姉ちゃん、顔の傷、薬を塗ったの?」「塗ったよ。傷跡が残るかどうかわからないけど」「そんなに深い傷じゃないから、残らないでしょ」唯月は陽を抱いてキッチンの前まで来て、食器を洗っている妹を見つめて言った。「唯花、お姉ちゃんは優しすぎるんじゃないかと思ってる?」「陽ちゃんのことを考えて一回許したでしょ。それに、今うちらに伯母さんがいるって知ったら、今後お姉ちゃんに手を出すことができないでしょ。でも……お姉ちゃん、あの佐々木家の母親は後悔してるじゃない?」「とっくに後悔してたみたいよ。でも、それは私のことを思ってるんじゃなくて、息子が私にくれたお金が惜しいと思ってるだけ。もう離婚したから、どうでもいいわ」話している間に、唯月の電話に見覚えがあるような、そうじゃないような着信が入ってきた。見覚えはないようだと思うのは、その番号が彼女の知った番号じゃなかったからだ。しかし、この番号からの電話に出たことがあるような気がした。「内海さん、私よ」電話に出ると、向こうから莉奈の甘ったるい声がした。「成瀬さん、何か用?」唯月は佐々木家全員の電話番号はブロック

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