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第20話

Auteur: 冷たい花火
二回目の面接が終わり、ビルを出ても階下であの二人を見かけなかったことに、明美は胸をなでおろした。

西に沈みかけた夕日を眺めながら、外で何か食べるか、それとも家に帰って済ませるか迷っていると、スマホが「ピンポン」と小さく鳴った。

【面接終りました?どうでしたか?】

悠真からからのメッセージだった。

さっきの面接はなかなか楽しく話せたし、手応えも十分だと思った明美は、可愛い犬がOKサインを出しているスタンプを送った。

すると、すぐに返事が来た。

【うまくいったなら、お祝いしませんか?夕飯は僕がおごりますよ】

明美は一瞬、断ろうかと迷った。

だが、この二回目の面接は彼が紹介してくれたおかげだと考えると、断るのも気が引けた。

すると、最初に打ちかけた「遠慮します」を消し、「私がおごるべきです」と書き直して送った。

【じゃあ、お言葉に甘えます。

今どこにいますか?迎えに行きますから、アドレスを共有してください。

待ってる間に、夕飯何にするか考えておいてくださいね】

現在地をラインで送った後、明美は食べログを開き、レストランを探し始めた。

普段は正月やお盆に親戚と数軒訪れる程度で、江城市にはあまり詳しくない彼女は、どこがいいのかすぐには決められなかった。

20分ほど悩んだ末、無難なところで洋食レストランを予約した。

予約が完了したほぼ同時、悠真から「着きましたよ」と連絡が入る。明美は急いで車に乗り込んだ。

シートベルトを締めながら、予約した店を伝えると、悠真はすぐには車を発進させず、後部座席から小さなケーキの箱を取り出して彼女に渡した。顔には優しい笑みが浮かんでいた。

「前に、この店のケーキ好きだったって言ってましたよね?

ちょうど通りかかったから買ってきました。昔と同じ味か試してみてください」

自分が何気なく口にした言葉を覚えていてくれたことに、明美は驚きつつも嬉しくなり、何度も礼を言った。

長時間何も食べていないため空腹だったが、悠真には潔癖症気味なところがあると知っていたため、その場では箱を開けず膝の上に置き、店についてから食べようと思った。

彼女がケーキに手をつけないのを見て、悠真は少し意外そうな表情になる。穏やかな口調で言った。

「面接二回も受けて、お昼も食べてないんでしょう?

お腹空いてませんか?少しでも食べておいた方
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