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第111話

Author: 錦織雫
寧音もまた、要の視線に気づいても動じることなく、優雅な微笑みを保っていた。

要は思わず寧音を一瞥し、散々迷った挙句、首を横に振った。

「いえ、何でもありません。ただ、午後三時に和伸の鈴木社長との会談が控えていることをお伝えしておこうと思いまして」

慎の黒い瞳にはさざ波ひとつ立たず、軽く頷いてそのままオフィスへと入っていった。

寧音も自然な仕草でその後に続く。

要は二人の背中を見送った。

あれこれ天秤にかけた結果、口を閉ざすことを選んだのだ。

園部さんがいる手前、温井さんの話を持ち出すのは得策ではない。

それに、ここ数年、長谷川代表が義母の墓参りに行ったなどという話は聞いたこともない。

今回だって、何か特別な理由があるだろうか?

三回忌だからといって、自分が馬鹿正直に伝えたところで、長谷川代表が首を縦に振るとは限らない。わざわざ温井さんの件を持ち出して、長谷川代表と園部さんの機嫌を損ねる必要もないだろう。

……

要側の事情など、紬は知る由もなかった。

夜、退勤するや否や車を走らせ、療養所へと向かった。

今日、蘭子が手料理を作って良平のもとへ届けたというので、ち
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取り返しがつかないことが日に日に増えていく。 プライドだけは誰よりも高い、クズ御曹司がどうやって紬に償おうとするのか見もの。 気持ち悪い、なんだかよくわからない義理の兄?とやらも、なんなら刑務所戻れば?真実知って鬱病にぐらいなってくれれば、少しは見直してやらんでもない
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