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第397話

Auteur: 錦織雫
株主の調整も、慎がすでに手を打っていた。

すべてがつつがなく進んだ。

ひとつだけ、予想外のことがあった。

慎は紬に完全な支配権を譲渡し、東陽をランセーから完全に切り離した。取締役の変更も、慎が送り込んでいた関係者の入れ替えも、定款の変更も、紬の権限で行える。

ただし慎個人は十パーセントの株式を保持したまま、その議決権を全権委任する形にした。東陽の経営にも意思決定にも一切関与しない。わずかな配当だけを受け取る形だ。

完全な支配権の切り離しだった。

あっという間に、株主総会が終わった。

紬は少し、狐につままれたような感覚があった。

これほど順調に進むとは。

立ち上がって扉の前まで来たとき、慎も歩いてきて、静かに紬を見下ろした。「東陽の人材は使えると思う者を使えばいい。他のことは、言わなくてもわかってるだろう」

紬はその言葉の意図を汲み、何も言わず外へ出た。

会議室の外では、寧音と陸がまだ待っていた。

株主総会から出てきた人の中に寧音の顔見知りもいて、通り過ぎるとき寧音は挨拶を交わした。相手は寧音が会議室の方をじっと見ているのに気づき、感心した様子で言った。「今日はと
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