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第81話

مؤلف: 錦織雫
会場はホテルの向かい側で、距離はさほど遠くはない。

翌日、紬が起きた時には体調はかなり良くなっていて、喉がナイフで切られるような痛みはなくなっていたが、それでも念のためにもう一度薬を飲んだ。

交流会の後には、レセプションが予定されている。

イベントは、15時から21時頃まで──

昼時、ドアベルが鳴った。

ドアを開けると、紬は意外にも目の前に立つ柊の姿を見て、驚いた。

「顔色がすごく悪いけど、どうした?」柊は紬を見るなり、眉をひそめた。彼女はまだ化粧をしておらず、唇の色も薄い。「具合が悪いのか?薬は飲んだか?病院に連れて行こうか?」

彼は、手を伸ばして紬の額に触れようとした。

紬は、彼の目に滲む純粋な心配の色を読み取った。

それでも一歩後ずさり、彼の視線を避けた。「何かご用?」

柊は松永グループの次期後継者であり、この種の会合に参加するのも珍しいことではない。

紬の、そのよそよそしい様子に、柊は眉間にしわを寄せ、長い間を置いてから、手にしていた箱を差し出した。「気に入るかどうか、見てみてくれ。今日のイベントは格式が高いから、君にもちゃんとしたアクセサリーが必要だと思
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  • 余命僅かな私、彼の「忘れられぬ人」の身代わりになる   第779話

    その言葉を聞いた瞬間、笑美の目の中の光が、すっと音もなく消え去った。喉の奥が、きゅっと締めつけられるような感覚に襲われた。この感情を、何と言い表せばいいのかわからなかった。何も悪くないはずなのに、冷たい針で胸を刺されるような痛みが走った。理斗がそんなにあっさりと「落とした」と言えるとは、夢にも思っていなかった。まるで、あのお守りが大して重要じゃないみたいに。笑美があれをどうやって求めてきたか、理斗はずっと知っていたはずなのに。あのとき理斗は複雑そうな、どこか困ったような顔をして、笑美の頭をぽんっと叩いた。「馬鹿なことして。こんなもので何かが変わるとでも思ってるのか?そんなにしんどい思いまでして」でも笑美は、嬉しくてたまらなかったのだ。得意げにこう言った。「私の気持ちだもん。気持ちが届けば、神様にもきっと伝わるさ。あなたのことを、ちゃんと守ってくれるって」あのとき、理斗が自分を見た目には、確かに何か柔らかいものがあった。感情を言葉にするのが得意な人ではないけれど、ほんの少しだけ——あのときの理斗は、いつもと違って見えたのだ。でも今、あのお守りはもうなかった。笑美は、揺れるウサギのストラップをしばらく見つめ続けた。理斗でさえもうこの話は終わったと思い始めた頃、笑美はようやく震える口を開いた。「……外してもらえる?そのストラップ、趣味じゃないんだ。あなたには似合わないさ」もちろん、ただの強がりだ。誰が付けたのかは、あえて聞かなかった。心では痛いほどわかっていても、聞かなかった。ただ、自分の気持ちを彼に伝えただけだった。理斗はすでにエンジンをかけていた。目の端でその淡い紫色のウサギをちらりと見て言った。「そんなに邪魔か?」静かな問い返しだった。特に感情は乗っていない。でも笑美にははっきりと伝わった。彼に外す気がないのは明らかだった。自分が小さなことを大げさにしているだけかもしれない。勝手な嫉妬で、言いがかりに近い。二人は血は繋がっていないとはいえ兄妹なのだから——これでは自分の方がよっぽど非常識だと思われるだろう。でもどうしようもなく、暗い海に沈むように気持ちが沈んでいた。理斗は、笑美のそんな痛切な気持ちに、気づいている様子がまったくなかった。笑美は唇をそっと引き結び、ようや

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