俗物夫婦回帰転生

俗物夫婦回帰転生

last updateLast Updated : 2025-12-09
By:  JajaOngoing
Language: Japanese
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 幼稚園の頃から幼馴染でそのまま大学卒業後に結婚。  夫は働きたくないので、たまたま競馬で当たった金を使って投資家兼ギャンブル配信者へ。  妻はその活動を手助けしていた。  しかし気付けば二人もまもなく四十代。  若い頃はチヤホヤされていても、この歳になると中々きつい。  貯金はあるので生活は出来るが、二人は何処かやるせなさを感じていた。  そんなある日、夫婦で買い物の為に車で移動してると対向車が突っ込んで来た。  二人はあっさりその命を散らす事になったのだが…。  これは高校入試前に回帰転生した夫婦が、やっぱり働きたくないので、未来の知識を使ってチヤホヤされる為に奮闘する物語。

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Chapter 1

プロローグ

 「梓。そろそろ時間だぞ」

 「分かってるわよ」

 都内の郊外にある豪邸。

 その地下室にあるスタジオで、男女二人はせかせかと準備をしていた。

 「今日の新曲は自信作だぜぇ」

 「ズルをしてるんだから当たり前でしょ」

 「人聞きの悪い! ちゃんとお金を払ってるんだから良いだろ!」

 「そのお金もズルで手に入れたものじゃない。私も人の事言えないけど」

 やいのやいのと言い争いをしながらも、仲睦まじそうに。

 そして笑顔でヘッドフォンを付けつつマイクの前に立つ。

 「今回は何万再生いくかね」

 「初動で1000万は欲しいわね。チャンネル登録者も鰻登りよ」

 どうやら二人は配信者らしい。

 二人で再生数の事を想像して下衆な笑顔になる。

 「くっくっくっ。チヤホヤされるのはやっぱりたまらんなぁ」

 「褒めてもらてると承認欲求が満たされて良い気持ちになるわね」

 なにやら俗物的な夫婦である。

 歌うのが好きとかではなく、チヤホヤされてるからやってるだけ。

 この会話をファンが聞いたら、離れていく事を間違い無しである。

 「顔出ししてなくてこれだからな。もし顔出ししたらもっと伸びるだろうけど。俺達美男美女だし」

 「それは大学を卒業するまで我慢ね。チヤホヤされるのは嬉しいけど、有象無象に群がられるのは面倒だわ。ただでさえ今も群がってくるのに」

 なんともナルシストな事である。

 しかし、それを言うだけあって二人の男女はかなりのイケメンと美女である。

 それはこの世の者とは思えない程に。

 「よし。じゃあ始めるか」

 「えぇ。なるべく早めに終わらせましょう」

 こうして二人はレコーディングを始めた。

 そして、後にアップされたこの歌は一週間で1億再生を超える事になる。

 【ルトゥール応援】part512

123:名無しの応援者

速報!速報!

ルトゥールがYeah Tubeに新曲をアップ!

124:名無しの応援者

SNSで告知されてたろ

俺は30分前から待機してたんだ

125:名無しの応援者

サーバーくっそ重いw

世界中で見られてるんじゃね?

126:名無しの応援者

四年前に急に出て来て一瞬で有名になったよな

127:名無しの応援者

顔出しも無しでこの数字は素直に凄い

128:名無しの応援者

声だけで分かる

絶対二人とも美男美女

129:名無しの応援者

まだ大学生なんだろ?

130:名無しの応援者

そう

それもあって顔出しはしてないらしい

131:名無しの応援者

って事は卒業したら顔出しするの?

132:名無しの応援者

どうだろうな

ブサイクならしないんじゃね?笑

133:名無しの応援者

ライブとかもして欲しいよなぁ

顔出しがないときついか

134:名無しの応援者

それよりも新曲だよ

声やばくね?

135:名無しの応援者

この一曲でどれだけ喉を酷使してんだってくらいの声量だよな…

136:名無しの応援者

魂を削って歌ってる

137:名無しの応援者

女の方の高音域と男の方のシャウトが半端ない

これで素人ってやばくない?

138:名無しの応援者

素人なの?

139:名無しの応援者

まぁCD出したりしてる訳じゃないし…

140:名無しの応援者

YeahTuberとおんなじ扱い…

141:名無しの応援者

本人達がラジオ配信みたいなので、大学卒業するまでは配信者以上の活動はしないって言ってた

142:名無しの応援者

あくまでも学業優先か

143:名無しの応援者

学生としては正しいんだけど…

144:名無しの応援者

ファンとしてはCDが欲しいし、ライブにも行きたい

今回の新曲なんて間違いなく盛り上がるだろ

145:名無しの応援者

これ、やばいのはベースとかも全部自分達でやってるらしいんだよね

146:名無しの応援者

最近聴き始めたにわかだけど、その話は初めて聞いたな

147:名無しの応援者

マジで?

148:名無しの応援者

作詞作曲もだろ?

149:名無しの応援者

流石にガセだろ?

150:名無しの応援者

いやこれも本人達のラジオ配信で言ってたぞ

リクエストされた曲はなんでも演奏出来てた

151:名無しの応援者

才能の塊かよ…

152:名無しの応援者

生歌がどうなるかだよな…

こんなんライブで歌える曲じゃないでしょ

一曲で喉が潰れるぞ

153:名無しの応援者

ラストサビのハモリとか鳥肌半端ない

何回もリピートして聞いてる

154:名無しの応援者

この人達って高音も当たり前だけど低音もしっかり聞き取れる声量で歌えてるんだよね

本当に上手いと思う

155:名無しの応援者

変幻自在だよな

海外コメントも多いし相当やばい

156:名無しの応援者

米国での異名はクレイジーニンジャだぞwww

157:名無しの応援者

あそこの人達は日本の凄い人はサムライかニンジャだと思ってるからwww

158:名無しの応援者

あーライブで見たい

まだ20歳だっけ?

早くても後2年はかかるよなぁ

159:名無しの応援者

みんな歌に熱中し過ぎてるけど、今回のPVの作画もかなりやばいだろこれ

160:名無しの応援者

画風的に今回は女の方が書いたのかな?

161:名無しの応援者

待って待って

作画も自分達でやってるの?

162:名無しの応援者

何もかもだよ

作画も編集も演奏も作詞作曲も歌うのも

163:名無しの応援者

とんだバケモノじゃねぇか

164:名無しの応援者

恐ろしいルーキーが出てきたもんだぜ…

165:名無しの応援者

一曲作るのにどれだけ時間がかかるんだろ

166:名無しの応援者

たまに腕だけを映してのお絵描き配信があるからな

ガセって言えないのが辛い

これガセじゃなかったら残酷すぎるだろ

167:名無しの応援者

不平等な世の中だよね…

168:名無しの応援者

片方だけじゃなくて、男女両方上手いのがどうしようもない

良くこの二人が出会ったよね

神の思し召しとしか思えない

169:名無しの応援者

尚、幼稚園からの幼馴染の模様

170:名無しの応援者

これが奇跡ってやつか

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プロローグ
  「梓。そろそろ時間だぞ」 「分かってるわよ」 都内の郊外にある豪邸。 その地下室にあるスタジオで、男女二人はせかせかと準備をしていた。 「今日の新曲は自信作だぜぇ」 「ズルをしてるんだから当たり前でしょ」 「人聞きの悪い! ちゃんとお金を払ってるんだから良いだろ!」 「そのお金もズルで手に入れたものじゃない。私も人の事言えないけど」 やいのやいのと言い争いをしながらも、仲睦まじそうに。 そして笑顔でヘッドフォンを付けつつマイクの前に立つ。 「今回は何万再生いくかね」 「初動で1000万は欲しいわね。チャンネル登録者も鰻登りよ」 どうやら二人は配信者らしい。 二人で再生数の事を想像して下衆な笑顔になる。 「くっくっくっ。チヤホヤされるのはやっぱりたまらんなぁ」 「褒めてもらてると承認欲求が満たされて良い気持ちになるわね」 なにやら俗物的な夫婦である。 歌うのが好きとかではなく、チヤホヤされてるからやってるだけ。 この会話をファンが聞いたら、離れていく事を間違い無しである。 「顔出ししてなくてこれだからな。もし顔出ししたらもっと伸びるだろうけど。俺達美男美女だし」 「それは大学を卒業するまで我慢ね。チヤホヤされるのは嬉しいけど、有象無象に群がられるのは面倒だわ。ただでさえ今も群がってくるのに」 なんともナルシストな事である。 しかし、それを言うだけあって二人の男女はかなりのイケメンと美女である。 それはこの世の者とは思えない程に。 「よし。じゃあ始めるか」 「えぇ。なるべく早めに終わらせましょう」 こうして二人はレコーディングを始めた。 そして、後にアップされたこの歌は一週間で1億再生を超える事になる。 【ルトゥール応援】part512123:名無しの応援者速報!速報!ルトゥールがYeah Tubeに新曲をアップ!124:名無しの応援者SNSで告知されてたろ俺は30分前から待機してたんだ125:名無しの応援者サーバーくっそ重いw世界中で見られてるんじゃね?126:名無しの応援者四年前に急に出て来て一瞬で有名になったよな127:名無しの応援者顔出しも無しでこの数字は素直に凄い128:名無しの応援者声だけで分かる絶対二人とも美男美女129:名無しの応援者まだ大学生なんだろ?
last updateLast Updated : 2025-12-03
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第1話 俗物夫婦
  「はい利確〜。対戦ありがとうございました」 はいはい。今日のお仕事終了。 週末の競馬の為に調べないといけない事がいっぱいあるんだ。こんな事に時間を使ってる暇はない。 俺は咥えていた煙草を灰皿に押し付け、競馬新聞とネット情報を広げる。 「圭太ー。この前の動画の編集終わったよー」 「おぉーせんきゅー梓」 「仕事は終わったの? 私、買い物に行きたいんだけど」 「あ、俺も行きたい。もうちょっと待って」 むむむ。本命はやはり内の2頭のどっちかか。 穴に10番も入れるとして着順は…。 ボックスで買うか、フォーメーションで買うか。 迷うなぁ。最近は的中率も良くないし、安牌でボックスにしておくか。それならもう1.2頭見繕っておいた方が良いかも。 「ふむ。考察はこんなもんか。後はこれを動画でぺちゃくちゃ喋ればいいだけと」 「圭太も飽きないわね。チャンネル登録者も10万そこらしか居ないのに」 「まぁ、趣味でやってる程度だしな。競馬資金ぐらいになれば良いかなと」 俺の名前は谷圭太。 大学在籍中に競馬が大当たりして、それを元手に投資を始めた。そして、なにやらそれなりに才能があったみたいで、投資家として年収2000万ぐらいを稼ぎながら、ギャンブルを楽しんでる中年である。就職とかしたくなかったので万々歳だ。 まもなく40歳を迎えるのに、まともに働いた事もないクズ野郎です。 そして一緒にいるのが妻の梓。 幼稚園の頃からずっと一緒で、中学の時に交際スタートして、大学卒業後に結婚。 俺が趣味でやってるギャンブル配信に偶に出演したり、編集を手伝ったりしてくれている。 「チャンネル登録者1000万人とか達成してみたいよなぁ。夢のまた夢だけどさ」 「ギャンブルだけじゃ無理でしょ。他にも何か一芸がないとね」 「顔はイケメンだと思うんだけど」 「それで言ったら私は美女だわ。でも私達はもう40歳よ? 若い人には敵わないわ」 配信者をやるのが遅かったかぁ。 もっと早い段階から始めてたら何か違ったのかもしれないな。 それでもギャンブルだけじゃ厳しいか。 「有名になってネット民にチヤホヤされる生活を送りたかったもんだな」 「現状働かずに生活出来てるだけでも満足しないといけないんだけどね。世の社畜さんには申し訳ないけれど、人間慣れてくると欲が出てしまうわ
last updateLast Updated : 2025-12-03
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第2話 回帰
  「圭太! 圭太ってば!!」 「う、うぅ」 梓の声が聞こえる。ペチペチと顔を叩かれてみるみたいだ。もう朝か? 「って違う違う! それどころじゃなかった!」 意味不明な現象が起こりすぎて、脳が限界を迎えたんだった! 「そうよ! それどころじゃないのよ!」 目の前の梓はかなり若かった。 何故か中学の頃の制服を着ていて、とても可愛らしい。いや、既に可愛いってより美しい寄りに変貌してきているな。 「梓。ちょっと待ってくれ。俺は今信じられない現象に理解が追い付いていないんだ」 いつまでも梓の制服姿を眺めていたいところだったけど、自分の事で精一杯。 そう思ってたんだけど…。 「やっぱり圭太もなの? 私、てっきり死んだと思ったんだけど…」 「え? 梓も」 こいつはびっくらポン。 どうやら梓もこの意味不明な現象に巻き込まれているらしい。 「このステータスみたいなのは?」 「見えてるわよ。それの相談がしたくてわざわざ家まで来たんだから」 どうやら丸っきり同じらしい。 違うのは梓はテンパらずに、学校をサボってまで俺の家に来たらしい。ん? 学校? 「私達中学三年生になってるわよ。意味が分からないわね」 梓に言われて慌ててカレンダーを見る。 どうやら中学三年時の五月に戻ってきてるらしい。 「マジかよ。一体どうして…」 「ほんとにね。圭太が居てくれて良かったわ。私だけ過去に戻ってきてたら絶望してたかも」 それな。俺も梓が居てくれてかなり気持ちが楽になっている。本当に良かった。 「えーっと…もう10時か。とりあえず今日は学校をサボろう。で、これからの事について話し合おう」 「そうね。分からない事が多過ぎるわ」 それから自分達の事について話し合った。 ガラケーと新聞を駆使して、本当に過去に戻ってきたのかを確認。 パラレルワールド的な事もありえると思ったけど、そんな事はなく。 俺達が知っている過去だった。 「やべぇだろこれ。こんな事を今考えるべきじゃないんだろうけど、やりたい放題出来るぞ? 株を知ってる通りに買っていくだけで億万長者だ」 「圭太が株取引をしてて良かったわ」 なんで戻ってきたのかは知らんが、やりたい放題させてもらうぞ? 俺は若い頃から妄想でこの時にこの株を買ってればとか考えていたから、それなりに過去の事も詳しい
last updateLast Updated : 2025-12-03
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第3話 ステータスボード
  「たっけぇ」 「とても中学生に払える額じゃないわね」 俺達二人の家はどちらかと言うと貧乏寄りだ。 両方共母子家庭で、生活に余裕がある訳ではない。お互いの母は俺達を養う為に必死に働いてくれている。 しかしその無理が祟ったせいか、俺の母は大学在籍中に、梓の母は大学を卒業してすぐに亡くなってしまった。それもあって働くのが嫌になったってのもある。 せっかく過去に戻ってこれたんだし、このバッドエンドは回避したいところ。 「ふむ。容姿とか学力を上げるのですら、こんなにお金がかかるのか」 例えば容姿は今50だけど、1上げるのに50万かかる。 運は20で1上げるのに20万。 「二桁の所の数字で金額が変わるみたいね」 「全部MAXにしようと思ったらどれだけお金がかかるんだよ」 スキルはもっと酷い。 歌はLv2で3に上げるのに200万。 競馬なんで6に上げるのに500万だぞ。 「あら? 新しくスキルを覚えられるのね? 一つ覚えるのに…ひえっ! 1000万!?」 たまんねぇなおい。 どれだけお金を取れば気が済むんだよ。 「いや、お金を払えば努力不要って事だろ? そう考えるとかなりお得なのか?」 「それでもよ。現状はどうしようもないじゃない」 俺達はまだ中学生。 バイトも出来ないし親にお金を無心する事も出来ない。しかしである。 「株なら出来るんだよな。母さんにお願いして、口座開設やらはしないとだけど」 「あら? そうなの?」 けど、ハードルがある。 まずはパソコンがない。ノートでもいいからとりあえず必要。その購入資金がない。 次にさっきも言ったけど親の説得。 株取引とかは、良く知らない人からしたらギャンブルと変わらないからな。 それを中学生の俺にやらせてくれるのか。 「これ、なんかお金の投入口みたいなのがあるから、ここに入れれば良いんだろうけど」 領収書とかくれるのかな? 無ければかなり面倒な事になるよね。 主に税金関係で。大金をこのステータスに注ぎ込む訳だしさ。 「とまぁ、軽く考えるだけで問題がいくつもある訳よ」 「私達の家は貧乏だものねぇ」 俺と梓は両方ともボロアパート住みだ。 必死に働いてくれている母さん達にお金を無心するのは気が引ける。 「でもせっかく戻って来れたんだぜ? 早く稼いで母さん達を仕事から離さ
last updateLast Updated : 2025-12-03
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第4話 母との再会
  その日の夜。 夕方頃に梓とはバイバイしてからも家でこれからの事を考えていると、母さんが帰ってきた。 「あんた、今日学校サボったんですって? 一体何やってるのよ」 どうやら学校から母さんに連絡がいってたらしい。ぷんぷんと怒ってる母さんをぼーっと見ていると自然と涙が出てしまった。 「な、なによ。どうしたの? どこか体調が悪いの?」 「な、なんでもない」 急に涙を流した俺を見て母さんはアタフタしている。口調は厳しいけど優しい母さんだった。 自分の事を後回しにして、俺の学費やらを捻出する為に必死に働いてくれていた。 恩返しする前に亡くなってどれだけ泣いたか。 「もう。明日はちゃんと行きなさいね」 「うん」 俺の頭をポンポンと叩いて台所に向かう。 しかし、今日はご飯は用意してるのです。梓が。 「あら? ご飯作ってくれたの?」 「梓が来てたから」 「よく出来た子ね〜。あんた、あの子は手放しちゃだめよ?」 「分かってる」 幼稚園からずっと一緒だった事もあり、梓と母さんは仲が良い。 というより、向こうの家とは家族ぐるみの仲だ。 母子家庭同士助け合いながら頑張ってきた。 「じゃあ頂いちゃいましょうか」 出来ていた晩御飯をレンチンして、テーブルに並べる。 「「いただきます」」 うまっ。え? うまっ! 「あら? とても美味しいわね?」 生姜焼きにご飯と味噌汁。至って普通のメニューなのに、高級料理かってぐらい美味い。 いや、確かに未来での梓は料理が上手だったけども。ここまでの味じゃなかったぞ? 「これがスキルの効果か? 一流シェフレベルじゃん」 「? 何か言った?」 「ううん」 梓の料理のレベルは5だったはず。 5でこれだけの味って…。10になったらどうなるんだ。これはスキルの検証も早い事しておいた方が良さそうだ。 「はぁー、美味しかった。あの子は良いお嫁さんになるわね」 「それは間違いない」 実際良いお嫁さんだった。 俺はガラケーを操作して梓にメールを送る。 久々すぎたけど体は覚えてるもんだな。 スマホの便利さに慣れてたけど、ぽちぽちと押すのがなんか懐かしく新鮮だ。 『料理がべらぼうに美味しいんだけど』 『私も家でびっくりしたわ。ママにどうやったのかって詳しく聞かれたぐらいよ』 メールを送ったらすぐに
last updateLast Updated : 2025-12-03
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第5話 久々の投稿
なんとか金稼ぎについての目処が立った。 バレなきゃだけど。犯罪だし。 「き、緊張する」 翌朝である。母さんは既に仕事に行っている。 出る前に今日はしっかり行くように釘を刺されたのでおサボりは許されない。 しかしだ。40歳間近だった俺が、今更中学生に溶け込めるのだろうか。かなり不安である。 「だ、ダメだ。煙草吸いてぇ…」 未来では中々のベビースモーカーだった俺。 昨日はなんとか我慢してたが、そろそろ限界である。 大っぴらに吸う事も出来ない。なにせ中学生なので。 「うぅ。不便ばっかりだ…。母さんが寝てる間に何本かくすねておけば良かった…」 後でどうにか買う手段を考えよう。 幸い母さんも喫煙者なので匂いはなんとか誤魔化せるだろう。多分。きっと。めいびー。 「よし。行くぞ」 意を決して外へ出る。 なんだか制服がコスプレに見えてないか不安である。挙動不審になりながら歩いてるので不審者みたいに見えるかも。 「圭太!!」 「あ、梓!」 そこに救いの女神が。 途中から梓が合流してくれたお陰でかなり気が楽になった。 「制服って恥ずかしくない?」 「気にしすぎよ。堂々としてなさい」 梓さんはもう割り切ってる様子。 とてもじゃないけど、俺はその領域までいけないよ。 「おはよー!」 「おっはー!」 学校が近付くにつれて生徒が増えていく。 知り合いっぽい人達が挨拶してくるので、なんとか不自然にならないように返していく。 「やべぇな。マジで誰が誰だか分からん」 「そうね。困ったわ」 顔は分かる。あぁ。こんな奴居たなって思うんだけど、いかんせん名前が出てこない。 これは当分苦労しそうだ。 「俺って何組だったっけ?」 「私と一緒で三組よ」 靴箱の場所すら分からんってやばいよな。 名札が貼ってあったから良かったけど、無かったらここでもあたふたしていた筈だ。 「せ、席は?」 「覚えてる訳ないじゃない」 教室に入ってもまた苦難。 座席表とかないのかね。なんて回帰者に優しくない学校なんだ。 未来から過去に戻って来た人の事も考えてほしい。 「おーい、圭太! そんな所にぼーっと突っ立って何してんだ?」 「お、おう!」 えーっと。そうだ
last updateLast Updated : 2025-12-03
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第6話 東京競馬場
緊張しながら学校に通う。 そして放課後はどちらかの家で猛勉強。 で、家に帰ってきたら競馬の本を読む。 「圭太。これ持って行って。多い方が良いでしょ?」 「助かる。交通費もあるからそんなに勝負出来ないと思ってたんだ」 「その代わりしっかり稼いでくるのよ?」 「負けはないから大丈夫」 そんな日々を過ごしているとあっさり週末。 競馬へ行く前日の土曜日も俺の家で勉強してたんだけど、梓がなけなしのお小遣いを俺に持たせてくれた。これで交通費を除いても諭吉一人分はある。 しっかり稼いできますぜ。 「行ってきまーす」 静かに挨拶をしてから家を出る。 母さんは日曜日しか仕事の休みがなく、まだ寝ているのだ。1Rのパドックから見たいから俺が出る時間が早いのもあるけど。 自転車に乗って最寄駅へ。 電車で1時間もしないうちに東京競馬場だ。 「バレませんように。バレませんように」 一応持ってる服で大人っぽいのを選んだつもりだ。それでも少し芋っぽさは抜けない。 今日勝ったらそれなりの服を買うべきだな。どこに保管しておくか迷うけど。 いきなり高い服を買ってきたら母さんに疑われるし。 「第一関門突破だぜ」 東京競馬場の最寄り駅に着くとまず向かったのはコンビニ。 そこで念願の煙草を買う事に成功した。 これまでも母さんが寝静まってから何本かパクっていたのだが、銘柄が違う事もあって爽快感は得られなかった。 俺氏。立派なヤニカスである。 「でも俺が未来で吸ってた銘柄はまだ発売されてないんだよなぁ。これでも母さんのよりはマシなんだけど」 確か俺が高校一年の頃にマルボ○のアイスブラス○が発売された筈。 後一年はこのマル○ロメンソールで我慢しなければ。それよりも煙草の値段が安すぎて驚いた。この頃は300円台だったんだよなぁ。 未来ではまもなくお札が必要な値段になりそうだったのにさ。 俺はコンビニ前の喫煙所ですぱすぱと煙草を吸う。他にもおっさん連中が新聞を凄い目で睨みながらも御一緒に。 この人達も競馬場に行くんだろうなぁ。 因みに俺もしっかり新聞を購入済みである。 煙草で英気を養ってからいざ入場。 内心ドキドキしてるのを悟られないように堂々と歩く。幸い、俺の事を気にしてる人間なんておらず、
last updateLast Updated : 2025-12-04
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第7話 ウハウハ
  第5Rは無念の見送り。 反応がなけりゃ仕方ない。 自分の予想で買ってみてもいいけどそれはまた今度だ。軍資金が豊富の時にやりましょう。 「良く考えたら俺って40になるぐらいまでG1レース楽しめないよな」 だって大体勝つ馬を知ってるんだもん。 人気馬が出た重賞レースも楽しめない可能性がある。名前見たらこの馬が勝ったなって分かるし。 「お金が増えるから良いけど。趣味が一つ減ったよね」 何か新しいギャンブルを開拓せねば。 ギャンブル中毒のヤニカスって救いようがないな。結婚してくれた梓には感謝だぜ。 いや、中毒ではないけども。手を付けたらいけないお金には手を出した事ないし。 「いや、今回は彼女の小遣いも持ってきてるのか。向こうから渡してきたとはいえ、まぁまぁクズの所業」 喫煙所でブツブツと独り言を呟きながら溜め息を吐く。周りのおっさん達も似た様なもんだし、気にする人はいないけど。 気を取り直して第6R。 ビビッと反応はあるかどうか。 ちなみに第5Rは自分なりに予想して外してた。センスねぇわ。賭けなくて良かった。 「きたっ! えーっとこいつは…二番人気か!」 パドックを食い入るように見つめていると、二番人気に強い反応が。今回は賭けるぜ!! その後も見ていたけど他に反応はなく。 という事で、マークシートにいそいそと記入していく。 「記入ミス無し。万が一外したら嫌だから2000円単勝にぶち込もう」 何度も言うがメインレースは勝てるんだ。 しかも三連単で。間違いなく万馬券になるからそこに注ぎ込みたい。 今は注ぎ込む金額を増やす為に頑張ってる訳だな。 「頼むぞ頼むぞー」 祈るように競馬を見守る。 単勝で4倍ちょっとあったから、勝てばほぼ軍資金が初期の手持ちの倍になる。 手に力も入るってもんよ。 「よし! よし! そのまま! いけ! 頑張れ川○!」 第6Rはビビッと反応通り二番人気が一着へ。 単勝4.6倍だったので9200円を獲得。 「やっぱりこのスキルは本物だ。メインレースまでこの調子で増やしていこう」 それからは怒涛の快進撃だ。 一回だけ反応がなくて見送ったレースはあったものの、勝った金額のお札だけをそのまま次のレースに注ぎ込み、メインレースを迎える前に軍資金は45万円になっていた。 「うひゃひゃひゃ! ボロ儲
last updateLast Updated : 2025-12-05
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第8話 投資
  「お釣りはいいです」 タクシーの運転手に諭吉二名を渡してかっこつける。一回やってみたかったんだこれ。 運転手の人が笑顔でぺこぺことお礼してくるのを見送り良い気持ちになる。 「さてさて梓は?」 周りをキョロキョロ見回してみるけど、梓の姿が見えない。 すぐに行くって言ってたし、多分梓の方が到着は早いと思ったんだけど…。 およ? メールが来てたや。 ふむふむ? 高校の時によく行っていた今にも潰れそうなカラオケにいるとな? 「あそこか」 機器とかは最新の物を取り揃えてるのに外観がボロくて客入りが悪いカラオケ店。 俺と梓は穴場とばかりに高校の頃はよく通っていた。多分監視カメラとかも置いてないし、個室でお金を広げてゆっくり話せるだろう。 因みに俺達が住んでるのはほぼ東京と言ってもいい千葉県だ。 ここらへんに住んでる人間は自分の事を都会民と言い張る。千葉も悪い所じゃないのにね。 あ、俺も都会民って言い張ってます。 3kg以上もある鞄を持ってカラオケ店に急ぐ。 運動能力が40もあるお陰か、それほど苦に感じない。これ100になったらオリンピック選手とかにも余裕でなれそう。 「すみません。連れが先に来てると思うんですが…」 「十二号室だよ」 カラオケ店に入り、受け付けで新聞を読んでたおっちゃんに連れが先に入ってる事を伝えると、すぐに部屋番を教えてくれた。 「お待たせ」 「儲けたみたいね?」 「それはもう」 部屋に設置されている机の上にドンと鞄を置く。 そしてチャックを開けるとそこには雑に詰め込まれたお札。 「どうよ」 「まぁ! まぁまぁ!」 瞬時に目が$マークになる梓。 分かるぞその気持ち。俺もぐへぐへ言ってたしな。 「大体3600万だな。二人で分けても1800万だ」 「きゃー! 素敵!」 せやろせやろ。わて、頑張りましてん。 バレるかヒヤヒヤしながらも頑張りましてん。 褒めてくれてもええんやで? ドヤ顔をしてふんぞり返っていたら、梓が頬にキスをしてくれた。 おお。なんか新鮮。若い体だからか? 死ぬ前も普通にやってた事なのに。嬉しいです。 「とりあえずさっさとステータスボードに突っ込もうぜ。こんな大金持ってるのはマジで怖いんだ」 「そうね。時間はかかるけど分けましょうか」 それから30分程かけてお金を均等
last updateLast Updated : 2025-12-06
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第9話 これから
  「後は気になるのは容姿よね」 「それは俺も思ってた」 これ、どうなるんだ? 丸っ切り外見が変わると流石に困る。 困るってか怪しまれる。急に顔が変わるんだもん。当たり前だよね。 「これは慎重に進めるわよ。一日に一ずつ上げていくわよ。お互い注意して確認しましょう? やばいと思ったらすぐに止められるように」 「当面はそうするしかないよな」 じゃあとりあえず次の競馬でまたお金が増える事は考えて一週間分の350万は残しておいて…。 「残りは750万か。学力に更に10突っ込むか?」 「それもありね。でもスキルの確認もしておきたくないかしら? その為にカラオケに来たんだけど?」 なるほど。確かに俺達の歌のスキルレベルは2。 競馬や料理でその恩恵は充分理解してるけど、歌はもっと分かりやすいもんな。 「じゃあとりあえず何か歌うか」 タッチパネルをぺこぺこと操作して歌を決める。 「古いわね」 「古いな」 そういえば過去に戻ってきてたんだった。 そりゃ、未来の歌手を検索しても出てくる訳ないわな。 って事で人気曲から歌えそうな曲を選曲。 「懐かしい曲ばっかりで目移りする」 「GReeee○とかEXIL○の全盛期よね」 ではでは失礼して。 採点機能もオンにしてと。 「〜〜〜♪ 〜〜〜〜♪ 〜〜〜♪」 おいおい。俺ってこんな声だったか? いや、普段の声からめっちゃ変わってるって訳じゃないけど、声の抜け方がすげぇ。 自分が歌手になったと勘違いしてしまいそうになる。 「やばくね?」 「やばいわ」 レベル2でこれか。このままでも歌手になれそうなんだが? 昔から素人にしては歌は上手かったけど、流石にここまでじゃない。 高音も苦もなく出せるし、ビブラートなんかもバッチリだ。 「私も歌ってみるわね」 そしてそれは梓も同様。 滅茶苦茶綺麗な声だ。普通に感動する。 歌ってるのは西野カ○。俺達世代のど真ん中。 本家並みに上手いんじゃなかろうか。 流石にそれは本家に失礼かな。 その後も二人でデュエットしたりして、普通にカラオケを楽しんだ。そしてレベルを上げるかは保留。趣味程度なら現状で充分だしね。 時刻は既に18時半。 遅くなる連絡もしてないし、そろそろ帰らないと母さんが心配するだろう。 って事でカラオケを出て二人で自転車を押
last updateLast Updated : 2025-12-07
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