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19食目

Auteur: はるくぼ
last update Date de publication: 2026-08-11 13:30:00

 夜。

 四〇一号室に戻ると、部屋の中は静かだった。

 蓮はバッグを置き、深く息を吐く。

 試合中は動けていた。

 最後まで視野も切れなかった。

 けれど、家に戻った途端、身体の奥から疲労が浮いてくる。太腿の張り、ふくらはぎの重さ、肩に残る接触の感覚。

 水を飲もうとキッチンへ向かったところで、スマートフォンが震えた。

【帰ってきた?】

【今着いたところ】

【そう。今から行っていいかしら?】

【大丈夫だ】

 間もなく、インターホンが鳴った。

「開けて。両手ふさがってるの」

 ドア越しに椿の声がする。

 蓮が玄関を開けると、両手に袋を抱えた椿が立っていた。

「持つよ」

「ありがとう」

 蓮が片方を受け取る。

 袋は見た目より重かった。中には食材のほか、飲み物や保冷袋も入っている。

「風呂、入った?」

「まだ。これから」

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