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18食目

作者: はるくぼ
last update 公開日: 2026-08-11 13:00:00

 整列を終えても、蓮はすぐにはロッカールームへ戻れなかった。

 常盤台の選手たちに囲まれ、何人もの手が肩や背中を叩く。前半の二点差を後半だけでひっくり返した熱は、スタンドにもピッチにもまだ残っていた。

「おい天根、すげえな」

「一年であの試合するか、普通」

「お前、未来見えてんのか?」

 次々に飛んでくる言葉に、蓮は短く返すしかなかった。

「見えてはいないです」

「いや、見えてただろ」

「少なくとも俺には見えてなかったぞ」

 周囲が笑う。

 その中心に、桐生がいた。

「なあ、天根」

 桐生が汗を拭きながら近づいてくる。顔には、試合中の興奮がまだ残っていた。

「最初のスルーパス。あれで完全に流れ変わったな」

「桐生さんが走ってたので」

「いや、俺まだ走り出したばっかだったんだよ」

 桐生は笑った。

「なのに、もうボールがそこに落ちてくる。意味分かんねえだろ」

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