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第2話

Auteur: ジンジャー王
俺の顔が赤くなっているのを見て、琴音はためらいの色を浮かべた。

しゃがみ込んで、俺の体を支え起こす。

「ほんとにそんなにひどいの?」

俺が口を開こうとした瞬間、突然、大翔の大げさな喚き声に遮られた。

彼はひどく傷ついたような顔で俺を見た。

まるで俺が、何か許しがたいことをしでかした極悪人であるかのように。

「朔也さん、あんた……あんた、なんでそんなことするんだよ?!

琴音の彼氏だからって、俺、わざわざ四万円以上も出して輸入の高級エナジーバー買ったんだぞ!栄養バランスもちゃんとしてて、売りは健康志向なのに!

それで、なんであんたがこんな大げさに騒ぐんだよ?」

そう言ううちに、彼の目元は赤くなり、声も泣きそうに震え出した。

「もしかして……俺があんたをハメたことにしたいのか?俺のことが気に入らないのは分かるけど、だからってこんな形で罪をなすりつけるのはひどくないか?」

涙ぐんだ目で、彼は琴音を見た。

「琴音、俺たち、もう何年もの付き合いだろ。俺がどんな人間か、お前が分からないわけないよな?

お前、自分は俺を家族だと思ってるって言ったじゃん。お前の父さん母さん以外なら、誰も俺より上には来ないって。

だったら今日、ここで選べよ。家族を選ぶのか、それとも彼氏を選ぶのか?!」

琴音はたちまち慌てて、俺から手を離すと、すぐに彼のところへ行ってなだめ始めた。

「もちろん、私は大翔を信じてる!今回は私が悪かった、あの人を甘やかしすぎたの。ちゃんとあんたに謝らせるから……」

その反動で、俺の体は地面に叩きつけられた。

跳ねた小石が目に入りかけた。

周りにいた全員が大翔のそばに集まって、口々に慰めた。

「大翔、泣かないでよ。お前がそんなことする人じゃないの、みんな分かってるから!」

「ほんとそれ。この男、面倒くさすぎでしょ。琴音、いったいどこが良くて付き合ってるの?」

「どう見てもわざと騒ぎ起こしてるだけじゃん。お前と大翔を引き離したいんだろ!」

琴音は痛ましそうに大翔の顔を両手で包み込み、優しい声で慰めていた。

その柔らかな表情は、記憶の中で彼女が俺に告白してきた時の顔とまったく同じだった。

それなのに今、恋人であるはずの俺は彼女に突き放され、完全に蚊帳の外へ追いやられていた。

視界はもうぼやけ始めていた。必死に顔を上げると、少し先に琴音と大翔の登山用リュックが見えた。俺の薬は、もしかしたらあの中に隠されているのかもしれない。

激しく息を切らしながら、俺は地面を少しずつ這って進み、指先を懸命に前へ伸ばした。

もう少しでリュックの肩紐に触れられる――そう思った、その瞬間だった。

何の前触れもなく、一足の登山靴が踏み下ろされ、俺の手の甲を容赦なくぐりぐりと踏みつけた。

大翔だった。

骨の芯まで刺さるような痛みに、俺は低くうめいた。

だが彼は、まるで自分のほうが驚いたみたいに、大げさな声を上げた。

「うわっ!ごめんごめん!わざとじゃないんだ。

でもさ、朔也さん、なんでわざわざ俺の足元に手なんか出してるんだ?また俺を悪者にするつもりじゃないよね?」

口ではひたすら弱々しく被害者ぶっていた。だが、その顔に浮かんだ隠しきれない得意げな笑みが、すべて故意だとはっきり物語っていた。

しかも彼は皆に背を向けていたから、その顔に浮かんだ悪意を見た者はいない。

だから、俺がどれだけ弁解したところで、信じる者なんていない。

怒りで胸が詰まった。

大翔は足に力を込めた。

ただでさえ病気で力の入らない俺には、手を引き抜くことすらできなかった。

指先をすり潰されるような激痛だけを、意識だけははっきりしたまま味わい続けるしかない。

もう痛いと叫ぶ力すら残っていなかった。

俺が何も返さないのを見て、彼は唇を尖らせ、不満そうに口を開いた。

「朔也さん、なんで黙ってるんだよ?ちゃんと謝ったのに、それでもまだ気が済まないのか?

俺がひざまずいて許しを乞えば、やっと許してくれるってわけ?」

騒ぎを聞きつけて、琴音が眉をひそめながら近づいてきた。

すると大翔は、何食わぬ顔で足を引っ込めた。

琴音は、踏みつけられて赤く腫れ上がった俺の手の甲を一目たりとも見なかった。それどころか、大翔を自分の背後へとかばうように引き寄せると、俺に向かってきつい口調で怒鳴った。

「朔也!いい加減にしなさいよ!さっきのことだって、まだあんたにきっちり言ってないのに、今度は何を騒いでるの?

みんなを不愉快にさせないと気が済まないわけ?」

彼女は高いところからでも見るように、俺を見下ろした。

「今すぐ、大翔に謝って」

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