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第331話

Penulis: 星柚子
たとえ別の手段を使って水紀に署名させても、結局のところ手間がかかる。

それに比べれば、一度会って話をつけるほうが、よほど簡単だ。

正直なところ、北斗も、水紀と完全に決裂するところまでは望んでいなかった。

かつては、確かに情もあったのだから。

そして何より――新製品の発表会までに、必ず水紀と離婚協議書を交わしておく必要があった。

そうでなければ、奈穂に「深い愛」など語れるはずがなかった。

「……分かった」北斗はため息をついた。「海市に来い。一度、会おう」

「本当?お兄さん、ありがとう!すぐにチケットを取るわ!」

「会ったら、すぐに離婚協議書に署名してもらう」北斗は念を押す。

水紀は、思わず拳を握り締めた。

――このひどい男、そんなに急かす必要ある?そんなに待ちきれないように促すなんて。

「……分かったわ」

そう答えると同時に、北斗は迷いなく電話を切った。

水紀はスマホを家政婦に放り返し、何度も深呼吸をして、ようやく気持ちを落ち着かせた。

ともあれ、北斗に会える。それだけでも、今は十分だ。

顔を合わせさえすれば、いくらでもやりようはある。

……

北斗が水紀
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