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第37話

Author: 十一
美味しく、香り高く、見た目も美しい料理だったのに、蒼成はなぜか落ち着かない様子で食べていた。

どうにか食べ終えると、慌てたように礼を言い、その場を辞した。

家の中は急に静まり返り、凛は食器を片付けながらも、頭の中では那月の言葉が何度も響いていた。

胃穿孔……

ふと気がそれた拍子に、手が滑り、器が床に落ちて砕けた。

凛は無意識に手で破片を拾おうとして、そのまま指先を切ってしまった。「っ……」鋭い痛みに声を漏らし、気づけば涙が抑えきれずに手の甲にぽたぽたと落ちていた。

六年……六日でもなく、六ヶ月でもない。ある習慣は既に骨の髄まで染み込んでいて、海斗が入院したと聞いた瞬間、凛は本能的に心配し、病院に駆けつけたいと思った。

だが、理性がその衝動を押し留めてくれた。

凛は心の中で思った。いつかは、彼のことを心配することもなくなり、彼のために涙を流すこともなくなるだろう。

彼女と海斗の関係は、輝かしい恋愛の始まりから、倦怠の中での生活を経て、ついには別れに至った。それがいつから壊れ始めたのかは分からない。

初めて彼が約束を破った時だったのか、それとも初めて嘘をつかれた時だった
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Comments (2)
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千恵
海斗よ、女の腰を抱きお前が別れを切り出したんだぞ。 もう執着すんな
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モリノミヤ
田中さんの正直な心の声が面白い...
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