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第38話

Autor: 十一
7月初、気温が上昇し、気象台が7月初旬、気温が上昇し続け、気象台が高温警報を発表した。

35度を超える猛暑は既に一週間続いている。陽一の実験も、何度もの計算と検証を経て、ついに進展を見せたところだった。

ようやく訪れた休憩時間。疲れ切った体を引きずりながら、彼は7階まで階段を登り、十分な睡眠で体力を回復しようとした。しかし、突然向かいの部屋から何か物音が聞こえた。

ドアを開けかけた陽一は、その手を止め、振り返って向かいの閉まったドアを見た。少し考えてから、彼はそのドアに近づき、軽くノックをした。「凛、家にいるのか?」

返事はなかった。

もう一度ノックをしてみるが、依然として何の反応もない。

2秒ほど迷った末、警察に通報すべきかどうか考えていたその時、「カチャ」という音とともに、ドアが開いた。

凛はドアの隙間からそっと顔を出し、ドアは半分開いた状態のままだった。

「何か用ですか?」

彼女は平淡な表情で尋ねた。ドアを開けたのも、陽一が突然ノックしたからというだけで、彼女の声にも特に感情の起伏はなかった。

だが、不思議なことに、陽一には彼女の機嫌が悪いように感じられた。

それは、まるで水分を失い、枯れかけた一輪のバラのようだった。

陽一はしばらくの間、言葉を失って黙っていた。

凛は不思議そうに彼を見つめた。

突然、陽一が口を開いた。「前に言ってたけど、論文を書いてるんだろう?進み具合はどうだ?」

凛はさらりと答えた。「半月前に書き終えて投稿しました。この2ヶ月間は、復習をしながら結果を待っているところです」

陽一は眼鏡を軽く押し上げながら言った。「未完成の論文が一つあるんだが、興味あるか?」

「?」凛は少し戸惑いながらも首を傾げた。

二十分後、陽一の家にて――

凛はソファに座り、手に持った紙の論文に目を通していた。その視線には驚きと興味が混ざり、目がきらりと輝いた。

陽一が渡した論文は、生物配列をテーマに、生物の初期変化値について議論するものだった。

テーマ自体は目新しいものではなかったが、アプローチの視点が非常に斬新だった。検証方法もこれまでにないもので、新しい結論や方法論が盛り込まれていた。

だが、こうした革新的なアプローチには、大量かつ信頼性の高いデータの裏付けが必要だ。

「これ、あなたの論文ですか?」

凛が尋ねると、
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