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第457話

Author: 十一
凛はそっとドアを押し開け、雨の中へと一歩踏み出した。そして、ためらいがちに声をかけた。

「お兄ちゃん?」

男が振り向いた。次の瞬間、その瞳にぱっと喜びの色が広がる。「凛?」

本当に浩二だった!

省吾と仁美の一人息子。

浩二は傘も持たず、Tシャツはすでに雨でぐっしょり濡れていた。髪の先からもぽたぽたと雫が落ちている。

凛は慌ててバッグからティッシュを取り出し、差し出した。「拭いて。夏でも、髪が濡れたままだと風邪ひきやすいから」

「ありがとう」浩二はティッシュを受け取りながら、髪を拭きつつしみじみと言った。「お前は昔と変わらないな。小さい頃から、気が利いて優しかった」

書店は隣接するショッピングモールと繋がっていて、通り抜けることができた。せっかくの再会に、しかも外はまだ雨。兄妹で食事を一緒にしない理由はなかった。

凛は敏子に電話をかけ、「今日の昼は帰らない」と簡単に伝えた。

敏子は軽く二言三言たずねただけで、それ以上詮索することもなく、電話を切った。

料理店の中――

ゆったりとしたテンポのBGMが、重たい雨空の午後をほんの少し軽やかにしていた。

二人は窓際の席に
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