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第48話

Author: 十一
部屋のドアを押し開けると、海斗は狂ったようにクローゼットを開け、次に凛専用の衣装部屋に向かった。そこには、ブランドバッグや服、彼が彼女に贈った時計やアクセサリーがすべて整然と並べられていた。

一つも欠けていない。

視線がチェリーのブレスレットに落ちた瞬間、彼の呼吸は急に荒くなり、目には怒りの色が浮かんだ。

これは二人が付き合って三年目の時、彼が海外から持ち帰った彼女の誕生日プレゼントだということを、彼ははっきり覚えていた。

チェリーの英語は「cherry」で、発音が「cherish」に似ていて、「大切にする」という意味が込められている。

つまり、彼女は彼にとって最も大切な人だった。

その時、彼女はこのブレスレットをとても気に入っていて、ほとんど手放すことはなかった。それなのに、それさえも置いていくなんて、まるで彼に対する愛情をすべて捨て去るかのように……

海斗はベッドの端に力なく座り込んだ。

彼は突然気づいた。凛は決してただの気まぐれで行動していたのではないと。彼女が言った一言一言は、すべてが本気だったのだ。

彼女は本気で、彼と別れようとしている。

……

「ガチャン——」

田中さんは階下で大きな音を聞き、びっくりして急いで階段を上がった。

ちょうど部屋の前に着いたとき、衣装部屋から出てきた海斗とすれ違った。彼の顔は陰鬱で、嵐の前の静けさのような雰囲気を纏っていた。

「坊っちゃん……」

彼女は一声呼びかけて、何があったのか尋ねたかったが、彼は振り向きもせず、そのまま去っていった。

一転して部屋に入ると、一瞬息が詰まりそうになった。

衣装部屋には、非常に高価なジュエリーケースが粉々に壊されていて、まだタグが付いている服があちこちに散乱し、ボヘミアン風のカーペットも無残な有様だった。まるで見るに堪えない状況だ。

さっきやっと台所を片付けて、あのもう腐りかけていた粥を捨てたばかりなのに、今度はこの部屋の後片付けか……

田中さんは啞然となった。

雇われている側だけど、自分の仕事を無限に増やさないでほしい!

……

幻想的なライトが照らし、陳腐な曲が流れる中、露出度の高い服を着た男女がステージの中央で踊っている。その一方で、角の方では海斗が一人で酒を飲んでいた。

彼はウイスキーを一本頼み、一口ずつ飲み続けている。まるで酒を楽しんでいる
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Comments (2)
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千恵
あの子は ダーリン って呼ぶか。 気持ち悪い
goodnovel comment avatar
千恵
来たよ いまかの。 げー
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