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第548話

Author: 十一
「先生、そんなに急がないでください……」凛は慌てて追いかけた。

やっと追いつくと、陽一が振り返り、呆れたように彼女を見た。「そんなに面白いのか?」

凛は勢いよく頷いた。「面白いです!」

本当に楽しくて仕方ない!

陽一はため息をついた。「でも、手袋もマフラーも濡れてるだろう」

「大丈夫です!」凛は即座に口を開いた。

「十五分前も同じこと言ってたぞ。『もう少し遊んだら帰る』って」

……あっ。

凛は呆然とした。自分、そんなこと言っただろうか?

え、えっと……覚えてない……

陽一は淡々と言った。「帰ろう。遊ぶにしても、手袋とマフラー、それに靴を替えてからだ」

凛がふと足元を見ると、ブーツがすっかり濡れていることに気づいた。

自分でも気づかなかったのに、陽一はちゃんと見抜いていたのだ。

「……わかりました」凛は仕方なく後に続いたが、その拍子に陽一の手から雪遊び道具の入ったバケツを受け取った。「先生、これは私が持ちます」

陽一は言葉を失った。

凛は無邪気な顔で口走ってしまう。「こっそり遊ぼうなんて思ってません」

言った途端、自分に口がなければよかったとさえ思った。

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