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第547話

Author: 十一
凛は素早く身支度を整え、ダウンジャケットを羽織り、マフラーを巻きながら階段を駆け下りた。

外に出ると、子供たちがすでに大勢、雪遊びの道具を手に思い思いに雪ではしゃいでいた。

今年最初の雪は、やはり格別の出来事だった。

その人だかりの外側で、陽一が雪に覆われた木の下に立ち、笑みを浮かべながら彼女を見ていた。

凛の瞳がぱっと輝き、すぐに駆け寄っていく。

近づいて初めて気づいた。彼の足元には円筒形のバケツが置かれ、その中には――

雪玉作り器、小さなシャベル、プラスチックの熊手……

しかも雪玉作り器はひとつだけではなく、さまざまな形のものが揃っていた。

「こ、これは……」凛は思わず唾を飲み込んだ。

「君に、遊んでほしくて」陽一は穏やかに言った。

あっ!

「先生、私は子供じゃありません……」

――しかし二分後。

凛は興奮して手を振った。「先生!見てください、このアヒル!すごく似てるでしょう?!

この小さな恐竜も、めちゃくちゃ可愛いです!

先生、あそこのきれいな雪をこのシャベルで取ってきてもらえます?真っ白なやつでね、ちょっとでも黒いのが混ざってたらダメですから――

先生——

先生……」

凛は興奮しすぎていた。

通りかかった近所の人々が、思わず訝しげに彼女へ視線を向ける。

仕方ない、彼女は南方出身なんだから!

南方の人間にしか分からない、大雪は特別な価値がある。

彼女は夢中になって楽しんでいた。

陽一はそんな凛を眺め、ときどき彼女に呼ばれては、従者のように走り回り——それすら楽しそうだった。

……

朝日は今まさに実験室で頭を抱えていた。

「もう何時だと思ってるんだ。陽一はまだ来ないのか?昨日の二組のデータは両方とも問題が出て、あいつに修正してもらうのを待ってるんだぞ!」

博文が驚いて言った。「金子先生、庄司先生を待ってるのか?」

「そうだが、どうかしたのか?」

「その……庄司先生は今日、休暇を取った」

「休暇?!いつ申請したんだ?!なんで俺は聞いてないんだ?!」

「……庄司先生は昨夜の深夜にメールを送ってきて、その中で――自分がいない間は研究室の仕事を全部金子先生に任せる、と書いてた」

朝日は「?」と固まった。朝から出勤したら、まるで天が崩れ落ちた気分だった。

真奈美が窓際に歩み寄り、外を眺めながら言った。「今年
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