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第650話

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「え?私にそんな情けない時期があったの?」

桜は天音を見ながら、「あなたのもう一人のお兄さんに会った時?」と聞いた。

天音は隼人のことを考えると、すぐに顔が曇った。

「……そう言われると、確かにそうね!」

隼人も確かに実の兄だが、会うと怖い。それは子供の頃に植え付けられた恐怖心のせいだ。それに、隼人は静真よりもずっと厳しかった。とにかく、隼人の前では、天音は悪いことは何もできず、ただおとなしく言うことを聞くしかなかった。

……

路肩に車が停まり、天音と桜が到着するのを待って、月子と彩乃が降りてきた。

天音もすぐに後を追って降りてきた。

月子は彼女を見た。今の天音にはいつもの威圧的な態度はなく、目つきさえも「純真」なものになっていた。

こんな天音に、月子は少し戸惑った。

しかし、彼女もこんな大人しい天音の方が可愛げがあると思っていた。

そして月子は言った。「天音、約束は果たしたからね。これから、何かあってもなくても、私と洵にちょっかい出すのはやめて」

彼女の怪我をした手首を見ながら、月子は念を押した。「自分の怪我も忘れないで?揉め事を起こさなければ、自分だって面倒
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