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第72話

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【霞さん、社長にクビにされちゃったんだけど、俺も会社にいたくないから、別に問題ないよ。今日、急にこっちに来たみたいだけど、まだ近くに居るでしょ?よかったら一緒にランチでもどう?久々に話そうよ】

霞は嫌悪感を込めて眉をひそめた。

あんな奴が、自分と食事?冗談じゃない。

彼女の険しい顔を見て、颯太は尋ねた。「どうしたんだ?」

「迷惑メールよ」そう言って、霞は仁をブロックした。

……

静真と鉢合わせないように、月子と彩乃は食事の後、少し時間を置いて、別々に店を出た。

彩乃がお酒を飲んでいたため、月子は心配になり、送ろうと申し出た。

「大丈夫。彼氏が迎えに来るから」

月子は、彼女に婚約者がいることを知っていた。

「遊びだよ。付き合った時から、半年で別れるって約束してたの。だから月子には話してなかったの。えーと、そろそろ別れようかという時期だね」

月子は黙り込んだ。

少し考えてから月子は尋ねた。「松本さんとはどうなの?」

彩乃は意外そうな顔で月子を見つめた。「私たちをくっつけようとしてるの?」

「……ただ気になっただけよ」

彩乃は舌打ちをして、月子の好奇心を満たしてあげた。「彼とは本当にただの友達。何もないよ。でも、もし彼が私を好きで、半年の恋愛でもいいって言うなら、試してみてもいいかな。子供の頃よりずっと可愛くなってるし、結構好きだしね」

彩乃は長期的な関係は受け入れなかったが、体の関係だけの関係も受け入れなかった。付き合うとなると、本当に恋人同士のように一緒に暮らし、一緒に寝て、一緒に散歩するのだが、それもすべて半年しか続かないのだ。

これは月子が先ほどの会話で知ったことで、彼女は思わず笑って言ってしまった。「やっぱり彩乃は私のことが一番好きなんだね」

彩乃は彼女に投げキッスをし、また歌い始めた。「あなたを愛することは孤独な事、あなたの笑顔の意味が読み取れない……」

月子は言葉に詰まった。

月子は心配だったので、彩乃の彼氏が来るまで待った。そして、彼を一瞥した。

芸能人みたいにカッコよくて、モデルみたいにスタイル抜群。見ているだけでうっとりするほどで、彩乃にもとても優しくしていた。

彩乃には、彼氏を作る上での条件がいくつかあった。イケメンで、スタイルが良く、悪い癖がなく、従順で、よく気がつくこと。

彼女はそれを実現させている。
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Comments (1)
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atsuko.4949
本当にイライラさせる男たちです それがまた月子さんに対しての思い入れが強くなって応援したくなる
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