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第264話

Auteur: おミカン
絵里はもう一度書斎へ戻り、知能運転システムのプログラム改修を黙々と進めた。

システムの知能化を徹底的に突き詰めさえすれば、緊急回避などに残る不具合も、いずれ潰せるはずだ。

そうなれば、安全面の故障を、これ以上怯える必要はない。

新エネルギー技術の壁だって、きっと越えられる。

それはすべて、父がかつて思い描いた未来だった。

けれど父は成し遂げることができず、その代償として命まで失った。

それでも、あの頃の父が必死に研究にしがみついたのは、母を失った夜から心に刺さった棘が抜けなかったからじゃないのか。

もし……

もし事故のあと、システムの不具合でドアが開かないなんてことがなければ、母は死なずに済んだ。

父は、車内に閉じ込められた母を助け出せなかった自分を責めた。なにより、当時の未熟な技術を憎んだ。

だが父は、最後までその問題を解決できなかった。

思い出が連なった瞬間、絵里は溺れたみたいに息が詰まった。

全身の筋肉が勝手に震え、目の前のコードを見つめるほど、脳裏には母の最期が何度も何度も再生される……

血に濡れた母の顔が、窓ガラスに張りついていた。かすかな呼吸。今に
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Commentaires (1)
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ウサコッツ
がんばれ絵里 開発して誰にも邪魔されない立場になって 強くなって欲しい
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