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第35話

Auteur: おミカン
「黙れ!」

裕也の刃のように鋭い視線が、和也を射抜く。

「この落とし前は、後でじっくりつけてやる」

裕也は身を屈めると、絵里を横抱きにし、厳しい声で部下に命じた。

「こいつらを見張っておけ!」

言い捨てると、彼は絵里を抱きかかえたまま、医師を探すべく足早に病室を出て行った。

……

外科の処置室。

医師は絵里の手を三十分ほど冷水に浸し、痛みが和らいだのを確認してから、火傷用の軟膏を塗り、無菌ガーゼで丁寧に包帯を巻いた。

医師は裕也に注意事項を伝える。

「もし水ぶくれができたり、皮が剥けたりした場合は、すぐに来院してください」

「わかりました」

裕也は頷くと、すぐさま視線を傍らの絵里へと戻した。片時も目を離したくないといった様子だ。

医師が処置室を出て行くと、健も気を利かせてその後に続いた。

「まだ痛むか?」

裕也の静謐な瞳の奥に深い痛みが滲み、その声は信じられないほど優しかった。

先ほどまで絵里が痛みに脂汗を流していた姿を思い出し、裕也の胸はきつく締めつけられていた。

あのクソ忌々しい和也め、よくも彼女にこんな真似を。

こいつは、どれほど辛い思いをした
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