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第129話

Author: 玉酒
人事部は新しい秘書を募集していたが、美穂には興味はなく、自分の仕事に没頭していた。

そこへ突然、将裕がドアを押し開け、声を張った。

「明日の夜、ビジネスパーティーがあるんだ。一緒に行かない?業界の新人ばかりだし、人脈を広げるチャンスだ」

「いいわ」美穂はあっさり承諾した。

翌日、将裕はわざわざメイクアップチームを会社に呼んだ。

美穂はドレッサーチェアに座らされ、3時間近くも念入りに仕上げられた。

完成した姿を鏡で見た瞬間、彼女は思わず目を見張った。

ウエストを絞ったマーメイドドレスは、痩せた身体を曲線的に際立たせた。

ノースリーブのデザインがほどよく鎖骨を覗かせ、淡いピンクを基調としたメイクと首元のローズクォーツのネックレスが柔らかな光を放った。

その姿はまるで夏の苺アイスのように清らかで甘やかだった。

――甘すぎる。

美穂は無意識に眉を寄せた。

どうにも自分の雰囲気とはかけ離れている気がした。

ネックレスを変えてほしいとスタイリストに言いかけたその時、ドアが開き、将裕が「わあ」と感嘆の声を上げた。

美穂は視線を横に逸らした。彼の肩越しに、峯の姿があった。

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