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第236話

Penulis: 玉酒
次の瞬間、美穂の骨の髄まで刻まれた、あの低く沈んだ声が響いた。

「じゃあ、相手を替えよう」

美羽は少し驚いたように眉を上げた。「替える?誰に?」

「俺が新しい協力相手を探すよ」男の声はいつになく柔らかく、穏やかさを含んでいた。「怖がるな」

美穂はスマートフォンを握る指先をぎゅっと強くしたが、美羽が笑みを含んだ声で「分かった」と答えた瞬間、力が抜けた。

先の電話は美穂の誤操作で既に切れていた。

あの二人の足音が廊下の向こうに消えてから、美穂は静かに踵を返した。

このことを天翔には話さなかった。

食事を終えて別れたあと、案の定、美穂のメールには契約解除の通知が届いた。解除を申し出たのは陸川グループで、補償金も支払うとのことだった。

その瞬間、天翔からの【?】マークで美穂のLineは埋め尽くされた。

二分後、天翔からまた連絡が来た。【……すみません水村社長。今知ったが、これは陸川社長のご意向だそうだ。】

美穂は【はい、分かりました。】とだけ返し、画面を閉じた。

連続で二つのプロジェクトがダメになり、落ち込まない方がおかしい。

だが、その時、柚月から一つ朗報が届いた。

「さっき、なんでいきなり電話切ったの?」Bluetoothイヤホン越しに、柚月の冷ややかな声が響いた。

「手がうっかり当たったの」美穂は横をかすめるスピード違反のスポーツカーを避けながら、淡々と答えた。「なにか用?」

柚月は信じていないようだったが、深入りする暇もないらしい。「一つプロジェクトを持ってきたわ。AI防御機能付きのネットセキュリティソフトが欲しいらしい。できる?」

「技術的には問題ない」美穂にとってその程度の仕事、チームを動かすまでもない。「ただ気になるのは……どこからの依頼?」

「出所は聞かないで。ちゃんと仕上げれば、美穂にもメリットがあるよ」

その曖昧な言い方が、かえって美穂を警戒させた。

棚からぼた餅なんて、信じる方が馬鹿だ。

沈黙した美穂に、柚月は舌打ちした。「隠してるんじゃない。知りすぎて面倒になるのが嫌なの。どうしても気になるなら……『上』を想像してみて」

電話が切れた後、美穂は黒い画面を見つめながら、「上」の意味を考え込んだ。

悩んだときは、怜司に相談するのが一番。

メッセージを送ると、相手からすぐにビデオ通話がかかってきた。

「ビデ
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Komen (2)
goodnovel comment avatar
カナリア
あっ 協議書にサインさせるのかな? これで先に進むかな? 美羽なんてホントは美穂の足元にも及ばない小物でしょ? しかしナナはどこ行っちゃったの? 産まれるまで監禁されてるの?
goodnovel comment avatar
hime kichi
和彦ってバカなん?早く痛い目見ることを祈る!
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