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第82話

Auteur: 小円満
紗奈が慰めるように言った。「今泣くべきなのは時生の方でしょ。優子には男のファンが山ほどいるんだから、今ごろどれだけ叩かれてるか。あの優子もすごいよね、黒澤家に入るためなら時生がどうなろうと気にもしないんだから!」

頭が割れそうにに痛くて、とにかく眠りたかった。これが全部夢ならいいのにと願いながら。

しかし眠っても、夢に出てくるのは戻れない日々ばかりだった。

――あの人も、かつては私の耳たぶを甘く噛んで、囁いてくれた。「昭乃、俺に抱かせて……」

どうして、気づけばこんなふうになってしまったんだろう。

そのとき、ドアを叩く音で目が覚めた。

扉を開けると、そこに立っていたのは兄の景也だった。

「写真を流したのはお前だな?」

鋭い声で問い詰められた。「昭乃、少しは考えたか?あんな記事が出れば黒澤グループの株は大暴落だし、結城家まで巻き込むんだぞ。分かってんのか!!」

「違う!私じゃない。あんなくだらない人たちに、時間も心も使ったりしない。そんなの、私には何の価値もない!」

必死に否定したけれど、景也は全然信じなかった。冷笑を浮かべて吐き捨てた。「じゃあ誰がやった?お前しかい
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