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第408話

Author: 木真知子
本当に、あの自分に一度も水を注いだことすらない隼人なのか?

彼がこんなことをするなんて、ありえない!

真夜中にこんな行動をされると、正直怖くなる。

「手をどけて!」

桜子は歯を食いしばり、低い声で反抗した。しかし、その声が初露を驚かせてしまった。

毛布の中で彼女の小さな体がぴくりと動き、軽く縮こまるような仕草を見せたが、幸い目を覚ますことはなかった。

「そんなに大声を出して、初露を起こしたいのか?それならもっと大きな声で叫べばいい」

隼人は唇をゆるく歪めながら皮肉を口にしつつ、手を止めず髪を拭き続けた。彼は桜子の弱点をしっかりと見抜いていた。

「じゃあ優しくしてよ!最近抜け毛がひどいのに、こんなに引っ張られたら禿げちゃう!」

桜子は眉をひそめ、頬を赤らめながら文句を言った。

「悪かったな。こういうこと、初めてだから加減が分からない」

隼人はなぜか胸の奥が温かくなり、手の力をゆるめた。そして、タオル越しに彼女の髪をそっと撫でるように動かしながら言った。

「次は、もっと上手くやれると思う」

桜子の肌に鳥肌が立つ。
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