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第552話

作者: 木真知子
井上は少しびっくりしながら言った。「あ、あの......社長、実は俺も心配で!あなたと若奥様、まるでスローモーションみたいに進展が遅いですが、こんなペースで本当に元に戻る日が来るんでしょうか?

前回、若奥様を命がけで助けた後も、あんな冷たい態度を取られて、最近では俺に電話で様子を尋ねるだけで、顔を見に来ることすらない。正直言って、見ているだけで胸が痛くて、辛いですよ」

昔は、社長が帰ってくるたびに、若奥様は早くから料理を作って、待ちわびていたものだ。

あの時、彼女は社長のことを本気で愛して、心も全て捧げていた。

でも今、彼女が社長をを見つめるその眼差しは、冷徹すぎて、傍観者である自分さえ息苦しく感じるほどだった。

失ったものは、二度と取り戻せないんだなって、痛感なんだよ。

「気にするな」

しばらく黙っていた隼人は、やっと息をついて言った。握りしめていた拳を膝に押し付けながら、静かにこすり続けた。「今、彼女がどう思っていようが、俺は絶対に諦めない」

その時、ドアをノックする音が響き、女性秘書の声が聞こえた。「社長、優希様がいらっしゃいました
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