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第581話

Author: 木真知子
優希は、千奈が運転手を務める高級車に、初露を抱きかかえて乗り込み、潮見の邸を離れた。

車内で優希は初露をしっかりと抱きしめ、冷たくなった髪を軽やかに撫でていた。胸の奥が痛く、切ない思いが胸を締め付ける。

今夜はもともと隼人を飲みに誘うつもりだったが、まさかドアを開けた瞬間、あんな物騒な光景に遭遇するとは思ってもいなかった。

優希は静が語った言葉を思い出した。それはまさに初露の腕に刻まれた無数の醜い傷跡だった。激しい怒りで目尻が引きつり、血管を流れる血液さえも凍りついて鋭い刃と化す。五臓六腑を抉り取るような痛みが全身を駆け巡った。

これほどの痛みは初めてだ。以前、桜子に振られた時感じた痛みなど、足元にも及ばない。

深く息を吸い、冷え切った顎を彼女の頭にあて、赤くなった目をゆっくりと閉じた。

「菜花ちゃん、お前を守ると約束する」

「俺は誓った以上、絶対にやり遂げる」

「優希様、これからどこに行きますか?」千奈はミラー越しに優希の美しい瞳を覗き、小声で訊いた。

優希は少し驚いた様子で、言葉に詰まった。

確かにさっき白露の前で「菜花ちゃんを連れて行く」と言ったが、本当に未婚
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momo
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