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美咲の怒り(chapter29)

last update Date de publication: 2026-10-22 19:05:54

 良樹が渡辺と付き合い始めるまで、約束していたわけではないが屋上で良樹・志保・市原・美咲の4人で弁当を広げるのが昼休みの常だった。

 だが良樹は今、渡辺と二人きりだ。

 もちろんそのことに何の不満もない。相変わらず彼は浮かれていた。

 そんな良樹の前に、江藤美咲が立ちはだかった。

「川島、ちょっといい?  話があるんだけど」

 その表情は、普段の快活な彼女とは程遠い、氷のような冷たさを帯びていた。

 とてもじゃないが断れないその雰囲気に気圧され、良樹はしぶしぶ美咲についていった。

 話があるからと言われて女子と2人きり。普通に考えるとこれは告白パターンなのだが、もちろんそんな漫画の世界のようなことがあるわけない。

(俺がそんなにモテるわきゃないよ。まあ、渡辺にモテてるけどさ)

 

 昼休みの体育館裏。美咲はおもむろに振り返り、良樹と相対した。

「それで、話ってなんだよ」

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