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第541話

مؤلف: 幸月
颯がそれ以上考えを巡らせる暇もなく、杏奈が立ち上がった。

「せっかく来てくれたんだもの、行きましょう。安置室は、ここからかなり離れているから」

「はい」

颯は神妙な面持ちで頷いた。

全員が連れ立って病室の扉へ向かおうとしたその時、大地がふと重大な懸念を思い出したかのように、鋭い声を上げた。

「待ってください」

「どうしたんですか?」

「我々が全員揃ってここを離れたら、この部屋には誰が残るんですか。意識不明の怪我人の安全を確保する人間が、少なくとも一人は必要でしょう」

「病院内ですし……まさかこんな場所で、誰かが危害を加えに来るなんてことは……」

だが、長年数々の修羅場を潜り抜けてきた大地の職業的直感が、警鐘を鳴らしていた。事態の全容が解明されるまでは、何があっても重要参考人の安全を確保しなければならないのだ。

大地は毅然とした態度で言い放った。

「安全かどうかなど、まだ誰にも断言できない。いずれにせよ、せっかく結果が出るまで待ったんですから。私の部下がこの場に戻ってきてから安置室へ向かっても、決して遅くはないはずだ」

「それもそうですね。私たちは構いません」

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