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第4話

مؤلف: ニノマエエヅキ

……どうして流産しなかったんだろう。

私は抜け殻のように病床に横たわっていた。

起き上がり、退院手続きを済ませると、この街を去る飛行機のチケットを予約した。

そして、予約済みの中絶手術へ向かおうとした。

あと一日で、私は完全に消えられる。

だが病室を出る間もなく、数人のボディーガードに腕を押さえられ、清美の病室へと連行された。

亮が冷たい視線で私を見下ろしていた。

「謝れ」

全身の痛みをこらえ、私は言った。

「私は何もしていない。なぜ謝らなければならないの?

私じゃないと、何度も言っているのに!」

亮は私の肩を掴み、床に押し伏せた。

膝が床に打ちつけられ、骨が砕けるような鈍い痛みが走った。

「まだ認めないのか。

咲夜……お前はいつから、そんなに残酷になった?あの子を死なせる気か」

彼は私の顎を掴み、声を潜めた。

「昨日の動画がネットに流れてもいいのか。

それとも、本当に服を剥がされて写真を撮られたいのか。

素直になれ。悪いのはお前だ。俺にこれ以上辛い思いをさせるな」

私は亮を見つめた。信じられなかった。

彼は清美のためにここまでするのか。

お腹のまだ生きている子を思うと、涙が溢れた。

彼なら、本当にやりかねない。

私は地面に伏せたまま、一片の尊厳もなかった。

額の包帯から血が滲み、視界が霞んでくる。

それ以上に、胸の奥が焼けつくように痛んだ。

「……ごめんなさい。私が悪かった」

清美は怯えたように私を見つめ、体を小刻みに震わせた。

「あ、あの……いいえ、大丈夫です」

彼女の瞳は赤く潤み、今にも崩れそうなほど儚げだった。

亮はすぐに彼女のそばへ歩み寄り、優しい声でなだめた。

「怖がらなくていい。俺がいる。誰も君を傷つけたりしない」

かつて、私にも何度もかけてくれた優しさだった。

しかし、第三者としてそれを目の当たりにするのは、初めてだった。

指を握り締めると、心臓が生きたまま抉られるような痛みが込み上げた。

しばらくして、清美がそっと目じりを拭った。

「これ、私には多すぎて……捨てるのは忍びないんです。

もしよければ、咲夜さんに召し上がっていただけませんか?

それだけで、私へのお詫びになるような気がして……」

亮は彼女の髪を撫でた。

「いいだろう」

次の瞬間、ボディーガードがトレイに乗せたエビの食い残しを、私の前に叩きつけた。

「亮……私はシーフードアレルギーなの」

亮は一瞬ためらい、ようやく思い出したかのような顔をした。

清美はすすり泣きながら、申し訳なさそうに言った。

「咲夜さんが食べられないなら……私が食べます。

小さい頃から貧しくて、こんな豪華なもの、一度も食べたことがなかったものですから。

捨てるなんて、もったいなくて」

亮は即座に彼女を制止し、冷たい目で私を睨みつけた。

「ただのアレルギーだ。死にはしない。お前がやらかした責任だ。言い訳をするな」

顔から血の気が引いた。私は諦めてエビを一つ摘まんだ。

口にするとすぐさま手のひらに赤い発疹が広がり、喉は締め付けられるように痛み、息が苦しくなった。

「医者を呼べ」

亮の声が、わずかに震えていた。

一瞬、希望が灯った。

だが、次の言葉でそれは砕け散った。

「全部食べ終わってから、治療させろ」

私は絶望の笑みを浮かべた。唇は腫れ上がり、感覚が遠のいていく。

死んでしまうかも……

このまま死んでもいい。この苦しみから、ただ解放されたい。

最後の一つを口に入れる前に、意識が闇に沈んだ。

遠くで、亮が慌てて叫ぶ声が聞こえた気がした。

……

次に目を覚ましたとき、また同じ病室だった。

私は静かに点滴の針を抜き、ベッドから降りた。今回は誰も止めなかった。

役所で転出届を提出した。

手続きはすぐに済んだ。あとは十五日を待つだけだった。
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